宇都宮餃子か否かは分かりませんけど : Gyouza Saikan

福岡県内で宇都宮餃子を味わえる希少なお店として知る人ぞ知る同店『餃子菜館』さん、かの地から来られたマイレビ様も『筑前町の御仁』と行かれたようです。

実はワタシも東京在住時に、集中的に宇都宮へ行きましたが、そこでお世話してくれた関係者の好みか食べる物と云えばトンカツか蕎麦だったもんで、それから数年経つまで餃子が名物だとは露ほども知りませんでした。

ですから食べ物より強く印象に残ってるのは、おかしな話、雷で、先のマイレビ様によると宇都宮は別名『雷都』と呼ぶらしく、行く度に夕方になるとゴロゴロ音が聞こえたと思ったら一気に暗くなり、あっという間に土砂降りになるんですよね？

「宇都宮って、毎日こんなに夕立ちがあるんですか？」

「そんなことねえ、４〜５日に一回、いや、２〜３日に一回ぐれえ、東京と変わんねえぐれえだ」

ですから尋ねてみたら、詳しく栃木弁は分かりませんが、あの『Ｕ字工事』さんに代表される北関東特有な語尾のイントネーションが上がった口調で、その関係者は答えられましたが、もし東京に２〜３日の頻度で雷が落ちたら異常気象とマスコミが騒ぎ出すだろうし、加えてワタシの故郷を憶い出すと目を丸くするしかない。

ですから、お隣り茨城県ご出身『カミナリ』さんのコンビ名こそ栃木っぽく感じちゃうワタシですが、たぶん茨城も雷都なんでしょうね？（って、茨城にはそんなイメージ、個人的にはないんだけど）

ましてや蛇足ですけど、その関係者がワタシの新幹線の時間ギリギリまで、行きつけのスナックへ連れてって軽く一杯飲ませてくれ、どこ行っても女性に囲まれるのは嬉しいものの、その度

「どうだい、耶蘇くん？ブスばっかりやろ？」

と、いくら常連さんとはいえ、今じゃハラスメントな暴言の数々、しかも、

「ここ宇都宮と水戸、あと昔からブスの産地で有名な仙台を結んだ三角地帯は、日本の『ブス・トライアングル』って言われてるからな？」

と独自の自論を展開、そうは言っても言われた女性たちも

「またぁ、そんなことないよォ、美人揃いじゃん、○○さ〜ん ♡」

みたいな調子なんだけど、失礼ながらその顔を拝見するなり、まんざらその関係者の自論も間違ってないなと思えちゃうほど。

間違っても、ご当地出身『大島優子』ちゃんのような『とちおとめ』みたいに可愛い娘はおらず、いるのは里芋やウド、かんぴょうみたいなのばかり？

大島は大島でも、同じくご当地出身の『森三中』の『大島』さんや、お隣り茨城県ご出身の『黒沢』さんみたいなお姉様方に囲まれるなり、決して言い過ぎじゃないような気がしましたね。

って、もし気分を害された方がおられたら平謝りするしかないし、言われたのは生粋の栃木県民の○○さんだし、むろん言った彼にしても自虐的な冗談なんでしょうが、残念ながら、そんな雷とブスの産地として宇都宮はワタシの記憶に刻まれたってわけで、決して餃子の街なんかじゃなかったんです。

ですから後年になり、やたらとＴＶで宇都宮餃子が取り上げられる度、

〝なして○○さんは餃子食いに連れてってくれんかったんやろ？〟

と、軽く恨んだりもしました（って、トンカツや蕎麦も美味しかったんですけどね）

とはいえ、もう一方の餃子の雄、浜松も何度か行きましたが、そこでも当時は餃子のギョの字もなかったんで、要は昨今のローカル至上主義によって、地元の若手有志やらが公費で制作したコマーシャルの数々によって、我々も知るところになったんでしょうね？

ということでワタシ自身、宇都宮餃子の初体験はよくあるデパートの催事や屋外のフード・フェスタみたいな場所で、現地じゃなかったし、一体どこで食べたかさえ憶えちゃいないものの、

〝ちょっと大きいけど、普通の餃子と何が違うと？〟

ぐらいな印象に過ぎませんでした。

あの手の業者も最近は進化し、さしてご当地で食べるのと遜色ない品を提供してくれますが、中には香具師みたいなのもいて、ただ稼ぐために名を拝借してる場合もあり、昔なんてそんなんばかりでしたからね？

ちなみにワタシ自身、プロフィールに香具師って書いてますが、詳しい職業を言うなら、それより酷い『嘘つき』なんで、まあ、信じないでください。

憧れの職業が香具師で、ご存知『男はつらいよ』の寅さんなだけなんです。

ってまあ、いつものように話が横道に逸れましたが、修正すると、そうした宇都宮餃子でしたが、やはり餃子好きとしては気になるんで、いつか現地を再訪するか、少なくとも学ばれた方が営むお店で食べてみたいなとは思ってました。

ですから、待望の訪問ということにもなります。

しかしながら唯一の不安材料があり、それは冒頭述べたマイレビ様たちで、評価からすると、さして高くはない。

しかも、ご当地から来られたマイレビ様のレビューを拝読するなり、

〝ううむ？ ここのは果たして宇都宮餃子って言えるのかなあ？？〟

と、やや不安になったわけなんです。

〝いや、これが原因かなあ？〟

もっとも実際に行き、まず感じたのは

〝まるでバラックやねえ〟

ってな建物の第一印象。

同店には失礼極まりないんですけど、その佇まいは打ち捨てられた片田舎の廃屋のようで、お世話にも飲食店には見えない。

いや、写真にあるように自動販売機はあるし、そこまで酷くはなく、簡易的なプレハブ仕立て、やや雑多な店構えなんで、それこそ上記の香具師っぽく見えちゃっただけなんでしょう。

しかも場所が場所で、先の『筑前町の御仁』いわく、

》あのお店は、土地勘が無いと絶対辿り着けないよ

と仰るのも分からんでもないほどの、ちかっぱ片田舎の狭路沿い。

一応583号上高橋野町線沿いですが、古くからある県道で、やや見捨てられ気味なのか、そのくせ割と通行車両は多いから、目敏いワタシは

〝裏道だな？〟

と気付き、帰って地図で確認したら、どうやら筑前町⇄久留米のようです。

といって、特に南側から行ったら本道たる同.583号線より、県道53号久留米筑紫野線に出る名もなき田舎道の方が主たる道っぽいし、だからってナビに住所を入れても片田舎だけに果たして正しく表示してくれるんでしょうか？

現在、同.食べログのマップ上では正解　ですけど、ここでもたまにあるように田舎になればなるほど大字 (おおあざ)みたいな範囲で広すぎ、GPSが明後日の方向を指しますから、要注意です。

ちなみに、同店の前は離合困難な狭路ですから、くれぐれも運転は慎重に。

基本的に通り慣れてる方が緩衝地帯を知ってるから譲ってくれるのが常ですが、裏道なだけに急いでて突っ込んでくる輩もいるんで、避けられるんなら避けといた方が無難でしょう。

専用駐車場は２〜３台ですが、なにも駐まってなければ緩衝地帯になるはずで、あまり深めに駐めるとまさか？があるかもしれませんから、そんな不慮の件にもお気をつけください。

〝ええっ？ もしかして土禁なん？？〟

ましてや、そんな佇まいなのに店内は土足禁止なようで、玄関口で靴を脱ぎスリッパに履き替えなければいけないみたい。

まあ、ワタシみたいなビンボー人なら『おはよう靴下』などを履いてないかとか、足が臭くないかが気になる程度ですが、他の件で気になる方には気になるでしょうから、各自ご来店の判断材料にしてください。

店内は壁向きのカウンター４席、間仕切りを取ると３人掛けになるテーブル席１卓のみで、お母さんと息子さんのようなお二人で営まれてました。

『焼き餃子 250円＋スープ餃子 300円＋ご飯(並)＝670円』

定食類などはないものの、メニュー表からお分かりなように割と安価なもんで、そんな餃子だらけなオーダーでもワタシの寂しき懐のダメージは少ないです。

店内ワタシ一人だったものの、できるまで10分以上掛かりましたが、まずは焼き餃子から。

〝うむ、うむうむうむ。美味いやん〟

張りのある皮で、具も美味しく、ご飯が進む味わい。

なるほど福博の餃子の代表、一口餃子よりは大きいし、普通のよりも僅かに大ぶりだけど、以前食べた宇都宮餃子ほどじゃない。

といって、これが個人的にはちょうどいいサイズで、だからこそご飯が進んだのかもしれません。

しかしながらスープ餃子は熱すぎて、さすがにご飯のお供になりなくいものの、さりながらスープが汁物代わりになり、ちょうど口直しになりました。

ただ、豚骨スープに関しては、まあ、違うんでしょうがインスタントっぽい印象でしたね？

もっとも水餃子みたいにプニプニした皮の食感も愉しく、これはこれで興味深かったです。

多少ニンニクも入ってるみたいだし、餡も野菜多めなようで、多少コリコリした歯応えも好みでした。

ですが、いかんせん店内の雰囲気には最後まで慣れず、ご主人の姿こそ拝めなかったものの、お母さんは人当たり良かったんで、全体的にスッキリすればいいのにって思っちゃいましたね。

それさえクリアできれば、上から目線ながら４点台を付けてもやぶさかじゃないほど個人的にゃ気に入りました。

ってまあ、先の本場のマイレビ様からすると、いかんせん福岡に日和りすぎなのかもしれませんけどね？


● 個人的 食べログ 評価点・・・3.9