最初で最後のSAGRA : Yoichi Sagura

メディアでよく露出のある同店。
北海道外でも知られており、予約はほぼとれない。
たまたま運良く予約出来たので、心弾ませながら同店に向かう。
余市の自然豊かな立地に丸太作りのお店。店の裏には北海道の雰囲気を醸し出す清流が流れる。食事をする前から目から伝わるご馳走。
予約時間６時ちょうどに店内に入ると店内の雰囲気も木材をあしらう想像通りの良い雰囲気。

ほどなくコース料理がスタート。
イタリアンやフレンチでも和食でもなく完全な創作料理。
地元の山菜やジビエを使った完全な創作料理なので当然過去に食べたことはない。
その希少性はいわずもがなだが、その料理一品一品に合わせたワインのマリアージュは特別感を増幅させる。
これらのワインも地元産のワインで、個性的な味わいで旨い。
料理の中に鹿の胎児を使った料理が提供されたときは同席した全員が躊躇するくらい衝撃的だったが、地の自然の恵みをありがたく頂くという気持ちで食べきる。
メインの食材は余市を代表するアスパラ農家さんの極太アスパラで色んな料理で提供される。
シェフのパフォーマンスもあり、食器のこだわりも素晴らしく、目でも楽しめる噂に違わぬ良店。
大満足の料理を終えた後に衝撃が走る。
客単4万円超。
確かに店の雰囲気、料理の希少性、すべての料理で提供されるワイン。店を取り囲む北海道を感じる自然。
どれをとっても至福の逸品だと思うが、超高級食材は見当たらず、地元の産品だけで作られた料理が余市の山の中でこの価格。
この支払いには一同絶句。
創作性やもろもろの拘りはよくわかるが、料理の味もとびっきりな美味しさがあるわけでもないのにこの価格。都内ならわからない価格でもないが、さすがに先程までの満足感は消え失せた。
これを十分に価値あるものと捉えるお客さんもいるだろうが、自分には残念ながら価格に見合う価値を見出だせなかった。