丁寧な日本料理 : Kyouryourikumagai

阪急「苦楽園口駅」を降りて、苦楽園通りを西に歩いて後、左折、関西スーパーを右手にして少し先を右折。都合15分程歩い割と古いビルの一階に素っ気なくでも端然とした佇まいであるこの店は、店名に京料理とある。ご主人が誰もが知る京都の「瓢亭」で研鑽を積まれた人で、この決して人通りの良いと言えない場所で、静かに店を運営されている。

そのことは知っていたのだが、長い海外駐在で偶の帰国の際は、京都に一泊二日の小旅行をすることが多く、其処で京料理を楽しんでいたので、中々、利用することもなかったのだが、11月下旬に短い帰省をした際に遠出をする時間も殆どなく、では、家から歩いて行けるこの店を遂に行ってみるかということで事前に予約をして出向いた。昼に訪れたのだが、昼はどうも3,000円程の松花堂弁当が中心の様で、予約の際に夜の料理を昼に出して頂けるかと確認をしたら可能とのこと。

確か、12,500円と15,000円の二つだったとの記憶だが、安い方を頼んでおいた。
さて、店に入るとこじんまりとしたカウンターが奥に伸びており、其処には窓がないが入口左脇に個室がある様で其処にはあるのかも知れない。余計な装飾を一切廃した清らかな雰囲気である。カウンター席に座ったのだが、とても人気のある店の様でいっぱいであった。人通りが決して良くないこの地に於いて果たして平日はどうなのだろうか？

さて、料理だが、絢爛豪華なものは何もないが、丁寧に作り込んだもので一つ一つが腑に落ちる様なもので楽しめた。やはりこうした料理を偶には楽しむのは良いことだと実感する様であった。ただ、水菓子は除いて6品である。これは些か拍子抜けしたのも確か。量が足りない。もう2品程あると言うことがないのだが・・・・
10,000円少しではそういうものかも知れぬ。此方の考えが過ぎるのだろう。料理が想定より少なかったのでビールの中瓶２つで足り、日本酒を頼む前に終わってしまった。其れでも充分に満足した。

勘定をする際に聞くと、予算を言えばそれに合わせて料理は構成してくれるそうだ。ならば、次回はそういう風に頼んでみてもよいなと思った。閉めて30,000円を少し超える程度だった。ご主人は奥にある調理場で最後に茶を立ててくれた際に少しだけ会話をした。女将さんと若い女性がとてもてきぱきと動かれて、店内の空気もより凛とした感じであった。とても良い店だと思う。