目の前で揚げたての天麩羅が食べられる、水戸では貴重な専門店 : Tempura Takiguchi

以前から是非行ってみたかった、水戸の『天麩羅 瀧口』さんに土曜日のランチで伺いました。店名の通り、天麩羅の専門店です。茨城県はそば屋が多いので、そば屋で天麩羅を食べる事は多いのですが、専門店は少ないので、とても貴重なお店です。

お店は水戸商業高校のグランド正面側にあります。グラウンドからは、運動部員たちの気合の入った練習の声がよく聞こえてきます。

開店時間11:30の10分前に到着。5分前には女将さんが出てきて、暖簾を掛けると「どうぞ中で待っていて下さい」と優しく声を掛けて下さいました。

店内は10人以上が座れる大きなL字型カウンターと、小上がりの座敷には、座卓が3卓ほどのレイアウト。清潔で落ち着いた雰囲気ですが、ずっとテレビがついているので、普通に大衆的な雰囲気でもあります。

カウンターに座って開店時間になると、女将さんがお茶とメニューを持ってきてくれました。ランチメニューは天麩羅定食と天丼がありますが、今回はちょっと奮発して『天麩羅　松定食』@2500を注文。

調理前に大きな天ぷら鍋をちらりと見てみましたが、さすが、キレイで新しい油を使っています。温度が上がるのに少し時間が掛かりましたが、揚げはじまると、パリパリパリと心地良い揚げ音が響き、期待が高まると共にお腹も空いてきます。

天麩羅が揚がってくる直前にご飯、味噌汁、お新香、大根おろしが入った天つゆがお盆にセットされ、準備完了。揚がり始めた天麩羅は、ひとつずつカウンター上の陶器皿に置かれていきます。

今回の天麩羅は、以下の8点です。

①海老(一本目)
② キス　
③海老(2本目)
④茄子
⑤平目と大葉
⑥アスパラガス　
⑦玉ねぎ　
⑧かき揚げ(海老、貝柱、みつ葉)

初めは、天麩羅の主役とも言える海老が揚がってきます。カウンター上の塩を付けて食べてみると、まず海老の芳ばしい風味が香り、後からふっくらとした海老の旨味が口の中に広がります。「あ～、これはご飯じゃなくて、日本酒のアテだわ～」とか思いながら頂きます。海老はさすがに江戸前の車海老とはいきませんが、とても美味しい海老です。

次は大好物のキス天と２本目の海老天、それに茄子天が揚がってきました。キス天はサイズ的には小さいものですが、ちゃんとキスの上品な白身魚の美味しさです。二本目の海老は、天つゆで頂いてみました。あ、意外にも天つゆの方が美味いです。天ぷらは、蕎麦やお酒のアテにするときは塩が美味いのですが、ご飯で食べる時は、天つゆが合うような気がします。あくまで嗜好の問題ですが。

大きめの茄子は、ホント天ぷらにぴったりの野菜。天ぷらの衣は薄くパリッと揚がっていて、茄子の旨味をしっかりと味わえます。当然ご飯も進んでしまいます。

茄子のあとは大葉にのった平目の天ぷら。これは特に美味かったですね～。キス天にも負けない上品な旨味と大葉の風味があわさって、抜群の美味しさ。きっと「常磐もの」といわれる上質な平目なんだと思います。

この辺りで、ご飯をお代わり。無料でした。ご飯は少し硬めに感じましたが、味は普通に美味しいものです。

お次はアスパラガスと玉ねぎの天ぷら。どちらの野菜も、天麩羅とは相性抜群の野菜。アスパラは揚げ方がいいのだと思いますが、サクッとした歯応えが素晴らしく、旨味もばっちり。玉ねぎは、小さいサイズの玉ねぎをふたつに切って串で刺して揚げたものです。此方も期待通り甘くておいしい玉ねぎでした。

最後はかき揚げ。うん、海老で始まり海老で終わるって事でしょうか。真打登場です。お代わりしたご飯が半分ほど残っていたので、かき揚げ丼に出来たらいいのかもしれませんが、天つゆを掛けても雰囲気が出ないのでそのまま頂きます。

天つゆに付けてサクッと食べると、中身は海老と貝柱がたっぷり！そして風味づけの三つ葉も入っています。シンプルなかき揚げですが、海老と貝柱の旨味がめっちゃ美味い！いやいや、このかき揚げは素晴らしいな～。やっぱ、天丼も食べたくなります。

私は２万円を超えるような本格的な江戸前天ぷらは食べたことがないので、その味の違いはわかりませんが、2500円のランチでこれだけの満足感があれば十分なコスパだと思います。通常のランチ定食は1400円で、当然天麩羅の数は減りますが、ランチを頼んだ上で、更に単品の天麩羅を追加するのも、オツな食べ方だと思います。

例えば、ランチの天麩羅定食プラス、「牡蠣天」とか、「あなご天」とか、「帆立天」とか。ボードに値段が書いていなかったので、帰り際に女将さんに訊いてみました。「ちなみにあなご天はおいくらですか？」「あなごは今値段が上がっていてね、1700円です」との事。定食よりも掛かります（笑）。きっと美味いんだろうな～。

初めて伺った「瀧口」さん。日本酒も種類が多く、お刺身も食べられます。やっぱり、本業は夜の飲みですね。

次は是非夜に伺いたいと思います。
ご馳走様でした～！