【★3.8】ビブグルマンおばんざいに舌鼓【2549】 : Ichi

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東京から石川県に来ております。

『ミシュランガイド北陸2021特別版』掲載（ビブグルマン）の同店（3.30）。
ネット情報によれば加賀市の一力（3.52）出身という谷口知巳氏が腕を奮います。
小松空港から羽田に向かう飛行機の離陸まで少し時間があったのでチョイ飲み利用。
（18時に1名で予約、小松駅から空港へのバスが19時15分、40分ぐらいで飲み食い。）

店内は厨房を囲むL字カウンターに8席、4人テーブル3卓、奥の個室に4人テーブル。
ご主人と女性スタッフ2名の計3名でお店を切り盛りしているようでした。
カウンター上部に「おばんざい」が色々と並んでおり、
時間に余裕が無いこともあっておばんざいメインで楽しむことに。
下記の通り飲み食いして、お支払い総額5,270円。

マスターズドリーム（700円）生ビール
農口尚彦研究所 観音下（850円）日本酒

晩酌おまかせ（三品 1,890円）春雨サラダ、牛スジ煮込み、刺し盛り
ハタハタ南蛮漬
加賀蓮根壱つくね
茄子オランダ煮
小イカ煮付

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税です

【3.9】春雨サラダ

おばんざいメニュー。
ムッチリ食感で麺の太い春雨、薄焼き玉子、ブロッコリー、ハムという構成。
味付けのベースはマヨネーズのように感じます。
各食材の食感が調和しており、全体のバランス良くて、いきなりセンスを感じる一品。

タイ料理のヤムウンセンを好みながら日本の春雨サラダをまるで評価していない筆者ですが、
マヨネーズのようなコッテリ濃厚な味わいでムッチリ春雨を和えるという、
新たな発見に春雨の更なる可能性を感じて脱帽。

こんなハイセンスな料理を都内の大衆居酒屋ではまず見ません。
ビブグルマンは伊達じゃないといったところでしょうか。
居酒屋というより割烹や小料理屋というのが同店の本質かも知れません。

【3.8】牛スジ煮込み

おばんざいメニュー。
トロトロになるまで煮込まれており無駄な脂や灰汁は除去済みといった味わい。
出汁の効かせ方が本格的で、やはり居酒屋とは一線を画します。

【3.7】刺し盛り

カジキ、バイ貝、ナメラ（ハタ）、天然ブリ、以上4種盛り。
混ぜわさびなのは残念ですが脂の強いブリに大根おろしやミョウガを和えたり、
東京の居酒屋のように安易にマグロやサーモンに走らなかったりと好印象。

バイ貝に特有の癖を感じますが富山の高級店で食べたエッチュウバイもそうでした。
1,890円でハイセンスな春雨サラダ、和を感じるスジ煮込み、そして刺し盛り。
都心の居酒屋では倍額でもっと低質な肴が出てくるでしょう。
安いのに良質という地方ならではの悦（よろこ）び。

【3.7】ハタハタ南蛮漬

おばんざいメニュー。
穏やかに酸味を効かせたハタハタがシットリ美味しい。
こういう味付けも居酒屋のレベルを超えて本格和食クラス。

【3.2】加賀蓮根壱つくね

おばんざいメニュー。
シャキシャキの加賀蓮根が入っているのですが食感に齟齬を感じるところ。
同店に限らず他店でも蓮根入りのつくねを苦手に思うことが多いです。

【3.5】小イカ煮付

おばんざいメニュー。
ネットリした小イカの食感も味付けも良いです。

【3.7】茄子オランダ煮

おばんざいメニュー。
揚げ浸しにしたようなトロトロ茄子が美味しい。
やっぱり出汁がハイレベルで料理を全体的に底上げしています。

悔やまれるのは飛行機の時間が迫っての40分という短期滞在。
メニューを拝見すると気になる料理が多数。
いつか腰をじっくり据えて同店のフルパワーを味わってみたいものです。