春の京都を感じて・・ : Tokuhamoto Nari

最近何かと話題になるこちらのお店に初訪問であった。京都の他の料理屋さんに行ったときに同席した隣のお客さんとこちらのお店の話題で盛り上がりぜひ行ってみたいと思っていたのである。

場所は京都の中心部からは少し離れた地下鉄鞍馬口駅から徒歩5分程度の住宅街の中にひっそりとある。両隣、そして向かいも含めて飲食店は一軒もないようなエリアだ。祇園のような場所にあるのも良いが、こういうところは何だかかえって新鮮なのである。

この日はランチコース、12時からの一斉スタートであった。横一列のカウンターは9席で満席。手入れの行き届いた白木の板が何とも言えない高級感を醸し出している・・そんな雰囲気であった。

大将が終始気を使ってくれ場を和ませてくれるので堅苦しい雰囲気は一切なかった。お心遣いにはホント感謝であった。

ただ奥の常連さんらしき人が大将が近づくと大きな声ですぐに話しかけ、質問の機関銃で大将をずっと放さない・・笑

この日は

蓬茶

先付け
京都の物集女（もづめ）の筍のおこわ

春キャベツの摺り流し、鰹出汁で、甘鯛、ごま豆腐

お造り
氷見のメジマグロの藁焼き、
わさび菜で、

明石の鯛
あん肝
このワタのたれ

椀物
桑名の蛤、蛤の真丈
菜の花、わらび、茗荷
鰹出汁強めで

モロコの炭火焼
木の芽酢で、

丹波牛の炭火焼き
蕗の薹のタレ、塩
原木しいたけ

小鉢
ホワイトアスパラの飛龍頭（ひろうず）

能登町のイワシを焼いたイワシめんたい

土釜ご飯
ホタルイカ炊き込みご飯

味噌汁

奈良県の古都華を使ったいちご大福

どの料理もとても美味しかった。椀物は京都では昆布出汁がメインの薄味の物が多いが、今回こちらはかつお出汁がグイグイ来るものであった。だからと言って下品なものというわけではない。あくまでも京都風の上品な味わいの物である。真丈が蛤だったからかもしれないなあ。

但馬牛のローストは店の奥にある半分囲炉裏端のようなところで串に刺してじっくりと焼いて提供して下った。あの光景を見てると何だか柳家さんに来ている様な・・そんな錯覚を起こすのである。

大将曰くああ夕焼き方をするとドリップが全く出なくて美味しく焼けるとのことであった。実際とても美味しい肉であった。

最後の巨大な能登の鰯には驚いた。尋常な大きさではない。私はサバかと思ったぐらいの大きさなのだ。ただ骨が多いので上手に取れない人は大将やお弟子さんたちがきれいに除いてくれて助かったのである。

そこに明太子をドバっと乗せ釜炊きご飯と共に美味しく頂くことができた。そしてその他には今が旬のホタルイカご飯も楽しむことができた。

大将もとても穏やかな方で素晴らしい時間を過ごすことができた。ただランチで3時間に渡る長丁場だったので少々疲れたかな。歳は取りたくないものである笑

こちらは掛値なく素晴らしい料理を楽しむことができる。また伺いたい。