大晦日スペシャル それは……
やってきましたよ、大晦日。
この日のスペシャルメニューをたのみました。
何とは言わず引っ込む谷野さん。
そして差し出されたラーメンは――
「伝説のラーメン、『海老蔵ラーメン』」
谷野さんはそう口にしました。
海老蔵ラーメン!
かつて男山に存在した高級ラーメン屋、<海老蔵>。看板メニューは伊勢エビを使ったラーメンでした。
その店のオーナーだったのも谷野さんです。その店の流れをくみ、かつワンオペで人件費を削って(食材の割には)リーズナブルな価格を実現しているのが現在の<拉麺たにの>と言えます。
麺は白っぽい極細。都飯店で四川ラーメンほかで使っている麺かな?
チャーシューは炙ってあり、肉質といいい味付けといい明らかにほかのメニューに使っているものとは違います。共通しているのは抜群にうまいことですね。
シュープは清廉でありながら、飲めば飲むほど行き渡るうま味を宿しています。
メンマもかなり若いタケノコを使っているようで、小松菜もまた根元もほっくりしたいい日の通し加減。
褐色のつぶつぶが何かわからず聞いたところ、インドの豆・チャナダールだそうです。
「これって伊勢エビを使っているんですか?」と聞いたところ、「伊勢エビを使っていたのは3000円のラーメンで、これは1000円のやつ」
なにを使っているかは教えてくれませんでした。
この日の会計も値上げなしの1000円でしたとさ。
その4 ルーム貝と天使のエビのスープ
12時頃行くと満席でした。
店先で10分近く待ちます。
「蔵尾ポーク 豚バラーチャーシュー麺 1800円」や季節限定の「天然丸ハゲ拉麺 1200円」、「天然黒ムツ拉麺 1300円」、「天然イサキ拉麺 1200円」、「天然イシナギ拉麺 1200円」などが張り出されています。
「ええ食材が手に入ったので、とりあえずのっけてみました」という谷野イズムをビシビシ感じます。
一人が出て、入れ替わりで入店。
値段が張るのでなかなか頼めなかった「その5」を注文し、少し待っていると、わたしの隣が天ぷらの入ったラーメンが届けられました。
「これは和歌山で釣った深海魚の天ぷら、一生に一度釣れるかどうか、もう悔いはない」
実物のかぶとを見せていましたがすごく大きい。
そう、今日は金曜日、限定の日だったのだ!
しまったああああ、ミスチョイスだった、もう遅い。
ともあれ、その5もわたしの元へ。
細切りのネギやにんじん、スプラウトといった定番トッピングにエビが一つ。ニューカレドニア産の最高級エビ、"天使のエビ"です。
麺はデフォルトで平打ちになったのかな? このときのメンツの全員が平打ちを食べていました。
スープは押しは強くないものの、味わえば味わうほど、胃に舌に慈しみを与えてくれるような包容力のあるもので、「深み」だの「コク」だの「滋味」だのといった定型句はしゃらくさいものに思え、適切な表現が思いつきません。ただ、わかりやすい味ではないでしょう。
少し入ったレタスがそこに味の彩りを加えてくれます。
ゆでられた天使のエビは尻尾から縦に半分に裂かれ、丸まっています。
その白み、赤み、味とともに、とてもたおやか。
値段度外視なら4種類で一番ですが、値段も考慮するとやっぱりその2でしょうか。
「大晦日は来た方がいいよ」谷野さんが意味ありげに言いました。
大晦日には何がある?
(続く)
金曜は限定の日 八幡ブラックのまさかのトッピング
10:00を少し越えた頃に訪れました。
緊急事態宣言のためか席は3席に減らされています。
先客2人。2人とも洗面器(大盛り)を食しております。
わたしの後に来た客2人も洗面器でした。どうやらこの店では洗面器がデフォのようです。
この日の限定は「八幡ブラック」。
「富山ブラックの八幡版」と多くを語らないまーくん(谷野さんの愛称)。
出てきたラーメンには漆黒のスープに褐色の玉が浮かぶ……。
たこ焼き! そう、たこ焼き!
日清が1985年に発売したタコヤキラーメンを思い出しました。40代以上ならダンプ松本のCMを「マジだぜ!」のセリフとともに覚えているかも多いのではないでしょうか。
それはさておき。
麺変わった?
前よりも細いような。あとスープを吸ったようなぷよっとしたやわらかい仕上げだったものが固ゆでになっています。
スープはかなり強い、重いと言い換えてもよいコクがあり、塩分もやや強めに感じます。このスープのベースはなんだ? その1? その2? 少なくとも3ではない。
3個のたこ焼き(写真では2個ですが1つ沈んでいた)は、見事な空洞たこ焼きで、中は大粒のたこの身が2切れ。もちろん明石産で、おそらく本人が釣ってきたものと思われます。身のしまった非常に美味しいタコです。タコの身はスープの底にもいくつか沈んでいました。
たこ焼きの皮はスープを吸ってちょっと不思議な食感。
味玉やチャーシューのおいしさは改めて述べるまでもなし。
スープについてきくと、「オリジナル」という返事が返ってきました。
すでに3種のスープストックがあるのに、さらに別に作っていたとは!
「新福菜館のスープ」と言っておられましたので、そのコピーなんでしょうか。
新福菜館本店に通うこと50回は下らないであろうわたしですが、化粧やファッションで人が別人のように化ける、それをラーメンでも見せつけられた思いです。
なお、新メニューにたこ飯、タコのやわらか煮が追加されたほか、各メニュー100円値上げされてました。
金曜日は限定の日 ぼっかけラーメン
10:00に到着。すでに先客は2人です。
この日は金曜日、この日のメニューはぼっかけラーメン。
「ぼかっけ」とは兵庫県神戸市長田発祥とされる牛スジとこんにゃくを煮込んだものです。一般的には牛スジ煮込みとかスジコンと呼ばれるものですね。
スープの上は至ってシンプルで目玉のようなオレンジがまぶしい味玉、ぼっかけ、緑の鮮烈なねぎとなっています。
麺は少しやわ目のスープを吸った麺ですが、最初の頃よりも芯の部分に強い弾力を感じます。
スープはおそらく「その三」でしょう。非常に上品で澄み切った高貴な味。
ぼっかけは使われているのはおそらく腱の部分、こんにゃくはねじりこんにゃくを細かく切ったものです。スジはトロトロと柔らかく口の中で溶けるよう、こんにゃくは細かい溝が多くはっきりとした食感でアクセントとコントラストを演出します。
また、食材も高級で下処理もかなり丁寧にされているのでしょう、雑味が全くなくスープを濁らすこともなく、非常に自然なマッチングになっています。
店を出るとたしか3人が待っていました。
開店から閉店まで途切れることなくお客さんは回転しているのだと思います。
金曜日は限定10食ですが、多めに作っているので「売り切れたのは1回だけ」だそうです。
拉麺 その一(羅臼昆布と黒毛和牛のスープ)
今年の初外食&麺初めは正月営業をしているこちらで。
まっさらな白木のカウンターは清潔感とともに新年の爽やかさを感じさせます。
この日の開店直後に入店しましたが、その後すぐに1人、2人。
2人目は入り口の前でキョロキョロと挙動不審。あとで気づいたところ、わし、「大阪府八幡市」とかとんでもない登録しとるわ! これのせい? ゴメン!
それはそうと2人とも名うてのラーメンアニア的雰囲気が漂っています。
チャーシューとスープの黒茶色に1本添えられた乾燥オクラの緑も沈み気味ですが、対角線上の卵の白さとオレンジ色が鮮明です。
麺は「その二」同様、棣鄂の中細。やわらかい目にゆでられ、つるんとしたなめらかですが、一般的な高加水率の麺とはまたちょっと違った舌触りがあります。しっかりと小麦の味がする麺です。
スープは昆布の中でも、もっとも出汁が出る羅臼昆布(特Aを使っているそうです)と黒毛和牛(すね肉)とのコンビで、グルタミン酸とイノシン酸のかけ算による濃厚なうまみです。「その二」より力強いですね。
チャーシューはイベリコ豚の炙りチャーシューで、その香ばしさとうまさでスープの強さに埋没しないだけの味。
煮玉子の出来も完璧なトロトロで黄身のおいしさもまた抜群です。
黒毛和牛のミンチは麺によく絡み、細切りにされた九条ネギと鳥取産のねぎ、金時にんじんは抵抗にならず麺と一緒にすすり込めます。そして口内でそれぞれが香味や風味を開花させ、調和したまま余韻を残して消えていきます。
一から三までの並び順の意味がちょっとひらめきました。
答え合わせのため、「その三」も食べなくてはいけませんね。
高級食材を使いながらも1000円以下に収まったラーメン 拉麺その二(明石蛸とボルチーニのスープ)
(またしても)あの男が帰ってきた!
都飯店を立ち上げ、そのまま店を譲って漁師になったかと思うと、10年ほど前に突然カムバック、<つね川>、<シビカラ屋ロッキー>と人気店を手がけで2年前に再度引退、そうかと思うと<東屋>を始めてすぐ閉めたり神出鬼没。
今度は男山でラーメン屋を始めました。
<都飯店 本店>と同じ並びの、かつては都飯店の2号店(宅配専門店)だった場所です。
テントに「都フーズ株式会社」とあります。
席はわずかに4席。
着座すると除菌ウェットシートとマスク入れが出てきます。
この気遣いは素晴らしい。
3種+金曜の週替わり限定(10食)と何でも出来る谷野さん(店主)とは思えない絞り込んだメニューになっています。
その中から「拉麺 その二(明石蛸とボルチーニ茸のスープ)」を選択。
黒みの中にまぶしいほどのルビーオレンジの黄身と緑の薬味が鮮やかです。
麺は棣鄂の中細。ほんの少しやわい感じがします。
明石蛸はプリプリしていて、かつやわらかいです(本人が釣ったたこを焼き干ししたもの)。
チャーシューは炙られて香ばしく、しっかり味が入っているにもかかわらず、それに負けずに肉のうまさもはっきりと分かります。
薬味はビーツと乾燥オクラ、細長く切った九条ネギと鳥取産のねぎなど。
スープは雑味なく洗練され、かなり上品な仕上がりです。スープに重ねられているオイルは乾燥ボルチーニを戻したときに使ったもので高貴な香りを醸しています。
そしてそれは人によっては物足りなさの原因になるかもと思うほどです。
高級食材を惜しげもなく使いながら、1000円以下に抑えているのはすごいですがその反面ボリューム不足ではあります。上品なので余計にそう感じるのかもしれません。
年内は無休とのこと。
점포명 |
Ramen Tanino
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장르 | 라멘 |
080-2487-3341 |
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예약 가능 여부 |
예약 불가 |
주소 |
京都府八幡市男山松里15-15 |
교통수단 |
京阪バス しで原バス停より徒歩1分 구즈하 역에서 2,135 미터 |
영업시간 |
영업시간과 휴무일은 변경될 수 있으니, 방문하기 전에 식당에 확인하시기 바랍니다. |
예산 |
~¥999 |
예산(리뷰 집계) |
¥1,000~¥1,999
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지불 방법 |
카드 가능 (AMEX) 전자 화폐 불가 |
좌석 수 |
5 Seats ( カウンターのみ) |
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개별룸 |
불가 |
카시키리(기간을 정하여 빌려줌) |
불가 |
금연・흡연 |
완전 금연 |
주차장 |
가능 店舗裏に2台 |
공간 및 설비 |
카운터석 있음 |
이럴 때 추천 |
많은 분이 추천하는 용도입니다. |
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홈페이지 | |
오픈일 |
2020.12.26 |
先日、店の前を通ったときに冷やし中華の張り紙が貼ってあったのを見て訪問しました。去年は「お盆を過ぎたら出ないからやめた」と言っておられたと思います(そうでなくても谷野さんは気まぐれなので……)。
客はわたしひとりでしたが、少し待ちました。
麺をしめるためでしょう。
さて、提供。
具はチャーシュー、ゆで卵、たこ、エビチリ、黄キクラゲ。あとレタス。
麺は香味油をかけたようでオイリーでつるりとした麺にいっそうの滑らかさを加えています。
タレはごまベースですね。酢のくどさがなく、ごまのコクのくっきりしたものです。
チャーシューは冷えた肉と思えないやわらかさ。
たこはたこ飯に使っているのと同じ味付けだと思います。和風の味つけで、さすが明石産といった食感。
エビチリは豆板醤を使った本場寄りの味付けかな。
特筆すべきは黄キクラゲで、実に気持ちのよい、痛快とさえ言えるコリコリ感。
問題はレタスで、これは彩りだと思った方がいいです。水っぽくなるし、その風味も食感もバランスを崩します。具として使うなら千切りにして、からむようにすればよさそうですがそうしてないというのは彩りとして割り切ってるのでしょう。
また、ひとつひとつの具はおいしくても相乗効果があるわけでもないです。
店内見ていたら「天然ハモ拉麺」の張り紙。
聞くと「もうじき終わるよ」とのこと。
実はここのところ鱧づいており、ぜひここのも食べておきたい。果たして再訪に間に合うか!?