ワンオペの鬼#18 + 地方の星#68：在来種野菜の王国 : BEARD

初訪

・ワンオペでコース料理を供する
・地産地消
御食事処を訪問するシリーズ。

個人的には、今回の長崎遠征の最大の目的店...
2021年に知人から紹介頂きました。オーナーシェフは在来種の野菜に魅せられて、東京から島原半島の小浜温泉へ移住されたようで、ゴエミヨ2022では2トック（14.5/20）を獲得されてます。

長崎空港から車で1時間チョット。
駐車場は「雲仙市小浜総合支所」隣り（店舗まで徒歩1-2分）が、250円/日と観光地にはあるまじき料金設定。観光地と云えるような立派なエリアではありませんが...
店舗は、島原鉄道バス小浜ターミナルの裏に在ります。周辺の側溝からは温泉の湯気がモクモク状態...

コースは昼夜共通で、別9500円。全ての料理に於いて野菜が主役のようです。
シェフがお使いの在来種野菜は、
・岩崎さん：80種以上の野菜を栽培
　※ 在来種野菜の栽培のパイオニアのようです。
・田中くん：同40種以上。岩崎さんのお弟子さん
のみのようで、お料理の数に比例してお二人の名前が紹介されます。

ご登場したお料理は、
① 野菜のコンソメ
② 空心菜のタルトレット、2種の生オクラ（八丈、八角）
③ 五寸人参+クミン+青紫蘇の炒めもの、森崎豆腐店の汲み上げ豆腐添え
④ 糸島市「OKUZOE SEIPAN」の「COUNTRY MILD」？　※ 超ハード系のパン
⑤ メイチダイ、熊本地胡瓜、平家胡瓜のガスパチョ風
⑥ 冬瓜のカツレツ風、赤ピーマンとバジルの葉添え
⑦ ニシユタカ（馬鈴薯）のロースト、エタリ（=カタクチイワシ）塩漬けの大蒜オイル和えのせ、モロヘイヤのサラダ（大蒜+生姜+バルサミコ+茹で黒米のドレッシング）
⑧ 北海道地南瓜のピューレの唐辛子オイルかけ、八姫南瓜の温泉蒸しのカレーリーフ添え
⑨ メダイと玉葱の温泉蒸し、乾燥アオサ+赤紫蘇の梅酢漬けのせ
⑩ 西瓜、白猫ファームのラズベリー、ココナッツミルクのアイス、キャラメルチュイユ（=飴菓子）添え

以下、食した所感。
・滞在は約3時間...
・想定以上に野菜が主役の料理でした。
・シンプルな料理故に、野菜のカットからの調理が開始されてもコースとして成立してしまうスローな雰囲気。
・シェフは食材（魚を除く）+調理法について、実際に使用した食材を見せながら丁寧に説明してくれます。
・②：オクラ、⑤：胡瓜、⑧：南瓜 の食べ比べがナルホドと思わせる構成。
・俗人的には、もう少しタンパク質（=肉）と炭水化物が欲しいところ...
・①：塩分強め
・②：長崎では有名女流写真家の御家族が、コロナ禍以降に始めた養鶏による卵をご使用。
シェフが在来種野菜に拘りをもって移住されたにも拘らず、2-3年の養鶏家の素材を使用されるのは、素人目には理解不能。
勿論、昨今は野菜に拘るレストランも増えており、当店の野菜がどれだけ素晴らしいかは、差別化出来ておりません...
・⑤：夏場に脂がのってくる貴重な食材のメイチダイ。実家の近くの漁港では2-3週間のトップシーズンしか売ってくれませんが、同食材を活かした調理か？と問われれば？？？が個人的な感想。
・⑥⑦：アッサリとしたコース構成を、油のアクセントで保管する料理。構成的には好み。
・数少ない経験で、野菜を主軸においているレストラン（コースを含む）ですと、
A：和歌山：ヴィラ・アイーダ：税サ込33000円
※ 野菜は季節によって5-8割が自家栽培
B：京都：オルト（菜園コース）：同9680円
※ タンパク質は、一品目のクリームチーズ以外、一切無し...
其々、2020年頃の価格設定との比較で、1.5倍位上昇してました...
価格設定的に当時に食したBと比較しますと、料理の洗練度に於いて見劣りして仕舞いました...
食後のアッサリ感もあり、4時間後にイタリアンのコースもペロリといけて仕舞いましたので、コース料理を連食するには適してますが...

ドリンクに、　※ 税別
・900円：季節のスパークリングジュース
・950円：奥会津天然炭酸水
・600円：バジル茶
を頂いて、お会計は13千円チョットでした。

【オマケ】雲仙小地獄温泉：3枚
・4.5年振りに訪問（BEARDから車で20分位）
・白濁の硫黄泉となりますが、東北の酸ヶ湯（八甲田山）、須川（栗駒山）、蔵王、玉川（八幡平？）よりも硫黄臭は緩めのように感じます。