居心地良く全てのサービスが満点の宿 : Kan Na Wabettei

阿蘇近辺を満喫した後、黒川温泉と九重夢大吊橋も寄り道して最終目的地の別府へ。
明日は別府からフェリーに乗って日常に戻らねばならない。

この日の宿はこじんまりした「かんな和別邸」。
とはいえ館内も部屋も十分ゆったりのスペース。
貸し切り風呂も広々。勿論内湯もあり。
お茶の香りも部屋に広がっている。
ご主人、女将さん、仲居さんと皆さんのサービスも優しい。
また帰りたくなるような和みがある。
そして看板犬は後述。

茶請けのシャインマスカット大福、朝ごはんの皿数、グレードに抜かりなし。
そういえばりゅうきゅうが朝ごはんにあったな。
普段抜いている朝食もご飯2杯をいただく。2日連続で昼抜きだ。。。

さてメインたる夕食。
見た目、味、器、給仕の方の会話・間合いのどれをとっても大満足。
酒を除くと1人1泊約30,000円であったが納得の値段。

夕食はカボス蜜蜂酒と前菜から始まった。
カボス蜜蜂酒は言わずもがな嫁さんの好み。
見た目が可愛い柿餅は見た目だけが柿。
北寄貝のサラダはバランス絶妙。丁度いいクセ。
その他、栗真丈、蕎麦松葉、白和えいくら、銀杏、鮑、芋ケンピ紅葉と鮮やか。
大好きなスーパードライ800円でやっていたが、いきなり日本酒が欲しくなる。

椀物は一言で言えないくらいの具材。
主役は誰なの？という感じだ。
鱧、松茸、車海老、銀杏に焼葱。
見事な競演である。

向附は刺身の盛合せであった。
氷が下敷きにされた新鮮な魚たち。
何より気に入ったのはかぼす平目。
ここで食べるまで知らなかったが大分の養殖平目らしい。
かぼすを混ぜた餌を食べさせて成長させ、肉厚な身に甘みとさっぱり感を持たせているらしい。
大好きな刺身となった。説明通り。
他にも関アジ、トロ鮪、大きな甘海老と一級揃い。素晴らしい。

続く強肴はおおいた和牛と野菜一式。
新鮮そうな山椒で沸騰した湯に野菜とおおいた牛を投入していただく。
元々肉の卸屋で肉には自信があると説明を受けたが納得。
自家製のポン酢と合わせると甘さが際立つ！
頬が落ちるとはこのことか。

基本酢の物は苦手だが見た目美し、味よし。
茗荷と公魚の相性が良い。
煮物は蟹豆腐。何とも優しい味わいである。

お酒は焼酎も珍しく頼んだ。
麦の銀座の雀850円にいいちこフラスコ800円。
勿論、日本酒飛翔300ml1,700円も楽しんだ。
嫁さんはかぼす＆柚子スカッシュ500円を美味しそうに飲んでいた。
アルコール類は大箱でない宿としてかなりリーズナブルでなかろうか。

酔いも回っての食事。
ご飯（大分県産のひのひかり）を甘いものと合わせるこはないのだが、さつまいも・丸十の蜜煮は良く合った。臓器が糖分を欲しがっているからかもしれない。
勿論、鰤柚庵焼きはもっといい。ああ、ほっとする。

水物がプリンじゃなかったのはご愛嬌。
ジューシーな果物達であった。

帰りの際は主人と女将だけではなく、昨日は有給を取っていた看板犬も見送ってくれる。
クルクル回って超元気。可愛いすぎる。

食べログを見ると、この味・サービスでも不満の方がいる。
人の好みが様々なのか、余程舌と目が肥えているのか、宿にブレがあるのか。
何を言っても個人の好みだが、大箱ではなくゆったりしたい方には是非にとお勧めしたい宿だ。
お世話になりました！！