少しだけゼイタクなランチに利用したい！ : Shunraku Matsuba

「旬楽まつば」という呼び名は地元ではあまり浸透しておらず、どちらかというと昔ながらの「松葉楼」といった方が通りがいいと思います。どうやら一階のスペースを「旬楽まつば」と呼び、2階の宴会場を「割烹松葉楼」と呼び分けているようです。昭和のはじめよりこの地で割烹を営んでいる老舗ですが、同じような市内の和食店はせ川やあやめなどのお店との差別化のためか、何かを模索をしているように感じます。こちらの特色は70人ほどの宴会が可能な広間があることでしょうか。
以前、その二階で大人数の宴会の利用したのに続き、今回は家族で一階の旬楽まつばでランチ利用してみました。

◆外観、店内
商店街の一角で、入り口が裏通りにあるのであまり目立ちません。一階の旬楽まつばは和風モダン、二階の割烹入り口は旅館のような広い間口のエントランスになっておりどちらも趣向を凝らしていると思います。店内は一階がテーブル席が4-5卓、4人収容の座敷が2つ。落ち着いた色目の和風モダンの造作でライトもやや落とし目です。それなりにちゃんとしています。
二階が宴会用の大広間になっています。

◆メニュー
毎月献立の変わる旬のコース（3150円、5250円、7350円）と各種単品料理。二階・松葉楼は宴会専用で予算に応じた宴会料理となっているようです。
ランチはうな重、ステーキ丼、刺身定食や松花堂など。概ね1500円から2500円のレンジです。ランチうな重は1700円で普通のうな重に対して茶碗蒸しが省略されるとのことです。

◆料理
【ランチ：2011年10月】
私はランチうな重、連れはステーキ丼1800円を注文。それと白焼き。
うなぎは浜名湖産とのことです。白焼きはオーソドックスでクセのない仕事。ふんわりと柔らかい白焼きです。1500円はお値打ちかもしれません。
うな重の蒲焼はやや小ぶりの中蒸し。身は上質でしっかりとした食感があり、先に食べた白焼きの方が柔らかく感じました。蒲焼きの狙いは少々疑問で、焦げ目が付くまで焼きこんであり表面の水分が飛んでいる割にはパリッという食感でもなくどっちつかずの印象でした。タレは甘目を抑えたタイプで食べやすいと思います。肝吸いお新香も悪くありません。多少のつっこみどころはあるにせよ、1700円の価格には十分以上見合うと思います。

さて、実はランチで一番良かったのがステーキ丼でした。厚みのある和牛が結構な枚数乗っていてボリューム感があり、この肉が柔らかいながらも絶妙な歯ごたえを残しています。肉の旨みがあり、醤油ベースのサッパリしたタレも絶妙。お肉好きにはオススメです。

【宴会:2011年4月】
料理4000円のおまかせでした。前レビューでは「軸足が見えない」というタイトルを掲げました。
料理は供された順に、
　・アジとマグロのお造り・・・可もなく不可もなし。もうひと手間あると・・・
　・がんもどきふう煮物・・・薄味でおいしかったです
　・鶏のホワイトソースがけ・・・鶏は柔らかくソースもよかったですが和食の流れから違和感がありました
　・海老とイカのキャベツの和え物・・・中華ふうの味付けです
　・豚肉しょうが焼き・・・濃い味でご飯が欲しくなりました。
　・お茶漬けとお新香
　・水菓子
というわけで、和食中心ではありますが、ホワイトソースだったり、なぜかしょうが焼きが出てきたりと迷走している感を否めません。予算との関係もあるのでしょうが老舗割烹料理店としてこれでいいのだろうかと少し思いました。味は悪くはありませんが。

◆接客その他
宴会場の接客は和服の仲居さんでした。悪くはありませんが、はせ川さんの方が上位です。一階のランチ接客はこの手のお店としては妥当です。宴会よりもランチで利用したいというのが今時点の私の結論です。

◆行き方、駐車場
岳南鉄道、吉原本町駅から西へ約300m、商店街の中ほどに位置します。入り口は商店街の一本北の路地にあります。駐車場は入り口の急な坂を上がって2階に10台ほど。お店の東側にも平面駐車場があり数台停められます。