昭和歴史遺産認定！　新橋で焼鳥 : Kura shima

　新橋もいろいろなお店があり、つぶれては新しい店ができ、活発に新陳代謝を繰り返しています。

　このくら島は、世の中の荒波にもめげず生き抜いています。

　外からは、中があまり見えませんが、焼き台のところから伺うと席が空いているようです。

　ガラガラっと昔風の引き戸を開けて入ります。

　そこは、歴史が塗り込められた茶色の風景です。すべてのものが昭和の風景です。

　カウンターとテーブルがあります。テーブルは物置になっていまして、ほとんど役に立っていません。

　お店の大将も、この方がお店を始められたのだなと容易に想像できるのです。

　メニューがくすんでいます。たまたまメニューの真ん前に座ったので読むことができます。

　レモンサワーが200円？　このメニューって、何年貼り替えてないのだろう、紙も値段も古いです。とってもありがたい。

　カウンターの中で金宮の一升瓶からビールのグラスぐらいのコップに注がれます。金宮を使っているところがにくいです。そしてレモンサワーが一本、グラスに一杯の氷、この３つがやってきます。

　マドラーなんてしゃれたものはありません。自分で好みの濃さに作ることができます。

　なにを頼みましょう？　先客はなんか串をたくさん皿に置いてます。でも、メニューを何度繰り返し見てももつ焼らしきものはありません。

　では、とりあえず、たこぶつ。

　タコブツにオニオンスライスが添えられているのが珍しいな。

　うん、このタコの歯ごたえ、私の愛する歯ごたえの原点はタコかな？

　串ものは、イカ串があります。これを二本頼みましょう。

　ふらりと入ってきたお客さんが、入り口近くのカウンターに座り、大将と話をしています。聞くともなく聞こえてきたのが、重症筋無力症になって来週入院するんだ、と、聞くだに恐ろしいことをさらっと話しておられます。そして、なんかメニューにないものを頼んでおられます。

　イカ串がやってきました。下足を何本も何本も串に刺して焼いてあります。

　うん、下足焼きも好物の一つです。コリコリっとした歯ごたえがたまりません。

　では、適当に焼鳥三本って頼みましょう。いわゆる盲撃ちです。

　トイレを借りました。

　ああああ、ひもを引っ張って流すタイプの水洗トイレだ。床がタイルっ！

　窓が木枠っ！　まだこんなトイレが東京の大都会のど真ん中に残っているんだっ！

　焼鳥を頼んだのですがやってきたのは、レバー、シロ、バラ肉です。

　うん、このあたりでは、昔から焼トンのことを焼鳥というのでございます。

　ま、普通のもつ焼でございます。

　それを、この雰囲気、何もかも茶色になったお店でいただくのがなんとも、所得倍増計画、日本列島改造論、高度成長期の昭和だなぁ、知らないけど。

　しかし、この量の金宮はきくなぁ。

　1150円なり。

　安っ！　安っ！

＜ブログから投稿しました＞
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