懐古趣味 : Fuku Ju

往来が盛んな小伝馬町交差点の角、とても目立つ場所に目立つ店、政治家のポスターベタベタで古くて庶民的、地下鉄から上がってきて目印になるので昔から存在は知っておりましたが、なぜか訪問するチャンスがなかったんだなぁ。
平日の１１時３０分頃、「一人、大丈夫ですか～」と暖簾をくぐるとガランとした店内に整然と並ぶテーブル、テレビの大きい音が響くも、ひと気なし、１０坪ほどの店内のテレビが見える端の方に着席すると、突然、元気なお姉さんが登場「あら～お兄さん、一番乗り、そんな端っこでなく、一番なんだから広い方にどうぞ～、初めてですか?～」やたらハイテンションなお姉さん、違う種類の店でなくて大衆中華だよねーと確認する間もなく、特等席と思われる場所に席移動を促されてよいしょ。
　初来店という事でお姉さんからお店の紹介サービスがありました。　コンクリートの床が傾いてすり鉢状になっており船に揺られている気分ですが、この建物で７０年やってるから仕方がないそう。昔の写真を次々と拝見、古写真にこの場所に存在する当店確認、一緒に写っているのは都電２２番、おーオイラが少年時代浅草のばあちゃん家に行くときに乗ってた２２番の路面電車だ！懐かしくて喜んでいると姉さんもサービスUP、今の大将は２代目だけど生きている限り、店は続ける意気込み、お姉さんは２０年程前にこの地に来た事、７０年前とは戦後すぐの建物で希望の象徴である事など色々教えてもらいました。
　注文した麻婆麺が着丼の頃にはすでに５組くらいの来店客で混雑、微妙に傾いたテーブルで天井から吊られたテレビを見ながら具沢山（とくに豆腐が多かった）をすすりながら懐古趣味にふけるのでありました。　またお姉さんの話を聞きにきましょう。