細いうどんは酔客向き : Kagome

みすじ通りから小路を入ったところに、細うどん 香吾芽 の看板が出ています。香吾芽は「かごめ」と読むらしい。外から店内は見えず、ちょっとドキドキしながら扉を開けると、店内は長細く、小さなテーブルが直線に並んでいて、居酒屋というよりはスナックのような雰囲気です。先客はおらず、「食事だけでいいですか？」と声をかけてから席につきました。

表にうどんと看板をだしているだけあって、うどんメニューは豊富ですが、それ以上にお酒のアテとなる料理がならびます。黒板メニューには刺し身からフライ、ゴーヤチャンプルーなんて料理までずらり。ドリンクもいろいろ、特に日本酒のそろえはなかなかです。実態は居酒屋的とはいえ、この日は時間があまりないので、さてどうしようか。きざみうどん・ざるうどんが840円（税別）～、とお値段は夜の赤坂価格なのはやむを得ないところ。しかし、牡蠣カレーうどんとか天ぷらカレーうどん、けいらんうどん、さらにはライムうどんなんて変わりメニューまであります。ライムうどんって、最近あちこちで見かけるすだちうどんのようなものかしら。。少々迷いつつ、しっぽくうどん1,050円（税別）をいただくことにしました。

細うどんゆえ茹で時間が短いからか、それほど待たずに運ばれてきました。どれだけ細いのかと思ったら、ひやむぎのような細さじゃないですか。なるほど、この細さなら、飲んだ〆にすすっと喉を落ちていきそうです。丼に顔を近づければ、カツオの香りがふっと鼻をとおります。お出汁はすっきり、醤油は控えめ。

しっぽくということで、舞茸やえのき茸、かき揚げの破片？天かす？など具材がいろいろ載っています。いろいろな味が楽しめるのですが、それぞれの量が少ないので「食べた」という満足感はあまりないかも。でも、それぞれの食材がお出汁と出会って、いい味になっていることはわかります。そういう意味でも、やはりこのうどんは酔客向けのような気がします。

うどん少なめ指定だと150円引きという設定があるあたりが良心的。飲んだあとだと、少なめで丁度いいかもしれません。ところで、同名のお店が大阪は道頓堀近くにあるようで、お店の歴史を考えるとこちらが本家で、大阪は暖簾分けでしょうか。いずれにしてもこのお店はしっかり飲んだあとに来るか、お店でそれなりに飲んでからうどんをいただいてこそ本領発揮でしょう。次はそのコースで行きたいものです。ごちそうさまでした。