稀少？！富士古代豚と産地直送のこだわりぬいたお野菜。身体にしみこむ優しい空間。 : Butashabu Shikura

六本木…仕事であんなに来ていたのに全然食べ歩きをしてこなかった場所。

転勤すると新しい文化とか食べ物に触れるのが楽しくて、ひたすら食べログを更新しまくっていた数年前。

正確にいうと、通勤時間が長くて、残業も多くて、夜には飲み歩いていたので、昼ごはんに好きなものを食べたいと言う逃亡というか、冒険が合わさった気持ちで毎日更新を楽しんでいた気がする。

それにしても日本のオフィス街の年末年始は静かでいい。
それなりに十代（？）後半からは騒がしい年越しイベントを楽しんでいたけどそろそろ一月は美味しいもの、美味しい材料で身体に染み込むような大切に育てられたご飯を食べたくなります。クラブやライブハウスでのイベントももういいかなって25歳くらいのときに思った。


六本木は意外と食べ物に困る。
正確に言うと、有名なビルに入ったらそれでいいんだけどガヤ付いててしんどい。

おるたなは気を使わない人・時ほど喋らない。
できる限り少ない言葉で理解を深めつつ、大事にゆっくりとご飯を食べたい派です。

六本木ど真ん中なエリアって、そういえば何があったんだっけ？

美味しいものを食べたい、なんかこう・・・体を気遣ってくれるようなちゃんとした和食を食いたい。

そしてふつうに大事に育てられている食材に感謝していろいろと食べたい・・・。
胃袋も年を取るんだな。

駅の出口一番を降りて、食べログの現在地検索…。

するとサクッと出てきたのがこちらでした。

普通に考えても安い。しかも富士古代豚っていうなんだか貴重な食材を使っているらしい。

早速お店にお伺いするとかなり遅い時期だったにもかかわらず、ニコニコされている人の良さそうなご主人が登場された。

どうやらスタッフは雇わず、お一人でやっているようです。えっっ？？大丈夫ですか
六本木ですけど…。

メニューはシンプルなのですが、どれも店主のお知り合いの方が生産者である、「富士古代豚」という稀少な豚肉を使われているとのこと、もっと前面にゴリゴリと押し出して、外国人観光客も多いであろうインバウンド対策でもしたらすごいことになりそうなのですが、素朴な店主、来てくださる方を大切にされたいとのこと。

初来店なので一番定番のコースメニューをお伺いして、そちらをいただくことにしました。メイン的なコースは２つですが信じられないことにこだわりの野菜、こだわりの富士古代豚が食べ放題…！！

赤字にならないのか心配なほどにこちらの店主の人の良さがメニューから伝わってきます。

微妙なお時間にお伺いしており、店主と話しながらメニューを決めていく。
飲食業界での経験が長く、単品メニューを拝見すると、古代豚を使ったサラダや出汁巻卵のほかにも、時価でお寿司があったが今日は我慢。

しかも驚くことにおるたなのハートをわしづかみにする殺し文句があるではないですか・・・

「メニューにないものも材料がありましたらお作りしますのでお声掛けください。」

生まれ変わって厳つい顔のおっさんに生まれ変わって筋肉隆々になって言いたいコレ。（某ドラマのやつ）

店主にお聞きすると、こちらのお店にくる人々は、ご近所さんやお仕事でバリバリ活躍されている方がいらっしゃるようで、そんな人を癒したいとの思いの表れのようでした。
人を喜ばせることに毎日少しずつ努力されており、すごいなと思う。
食べログ掲載も許可をいただき、材料についても色々と教えていただきながら、まるで知り合いのお兄さんのところに伺って美味しいご飯をいただくような気持ちでお料理を待ちました。

「お出汁はハマグリ。すき焼き。お蕎麦から」

すき焼きの割り下に卵をいれてシンプルに食べる、そばだと、スープしゃぶしゃぶのようになる。冬だと赤ネギを利用して食べる

つけるタレも熟成、ゴマだれ、ポン酢と３つあり、小皿に出てきますが、食べ方は気にせず、お好きなものをどうぞと店主。

「お好きなものをどうぞ。」
多くの会社がやっていない静まり返った六本木、長い長い道を歩いてやっと一軒の宿屋を見つけたみたいな、普通の言葉なのに毎回言葉にお客様に対する気持ちが溢れているお方。

言葉もしみるなら料理もしみる。

ハマグリの出汁を選び待つこと数分。


最初にこのおだしをとられている蛤が来ます。
すごい大きい！最近こんな大きい蛤、そういえば
最近食べたことないかも・・・。プリっプリで美味しい！蛤も飲み物ですね。


そしてしゃぶしゃぶなのに土鍋が出てまいりました。

土鍋でゆっくりと最大限に味を引き出し、しかも良質の日高昆布。鰹節。九十九里の大ハマグリという、出汁だけでも飲み干したいくらい

メニューに書いてあるとおり、究極のお出汁。。。。しゃぶしゃぶの楽しみ方や火力に対しての注意もあるのですが、何かあればすぐにお声掛けくださいと言う。。。
優しい店主のお心遣いがつたわってまいります。

お出汁が温まってきてそろそろお野菜かな・・・？くらいに構えておりましたが驚くべきことに自分が思っていた以上のお野菜が運ばれてきました。

すごい。。。
しかも見るからに新鮮。どれも瑞々しく、お箸で挟むだけでもお野菜がキュッキュッと鳴くような、これぞ厳選野菜。
この野菜だけでもむしゃむしゃ食べたい。

野菜だけでこの気合いなのかと驚きを隠せない顔で無言の私に、「産地直送で納得のいくものしかうちは出さないんですよ。」と当たり前のようで一番難しいことをさらりと言う店主。

これは肉もやばいだろう・・・・。

そうこうしているうちに主役の稀少・富士古代豚が登場…！！！

「美しい・・・」

日本食料理屋さんは何がすごいってまずは必ず視覚からお客様を喜ばすことを理解しており、自然に盛り付けでそうしているということ。

美しく切られた古代豚の断面、美しく、薄く、食べやすいように並べてある・・・しかもこれならしゃぶしゃぶしやすい。

ご主人が出てきてくださって、丁寧に食べ方を説明してくださるし、火力も調節してくださいます。
すみません、というと、いつもおひとりでやっているそうなのですが、このようにしてできる限りはお客様のテーブルにいって対応されるようです。

最初は野菜から食べちゃいましたが、野菜とお肉をばんばん食べるのは結構おススメですよとのこと。
そうしたいのをこらえつつ、ついにお肉を食います！！

一口目の古代豚。はじめてです。
たれに入れるというオレンジの辛い奴は結構からいので最初の一口は普通に食べる。

おいしい・・・なにこれ・・・。( ;∀;)

思った以上にやわらかくて、口のなかに大事に育てられたんだな・・・というお肉であることが理解できました…！おいしいいいいい・・・。

おいしい時って人間って不思議なもので、「うまい、うまい」しか言わないんですよね。
途中までは下書きもかねて、結構メモしようと思っていたのですが、やめた！！！食べ放題って最高！！

大事な資料はすべて写真にとりましたので、ひたすら食べます！！＞＜

おいしい、きれい、おいしい、きれい・・・ずっとそう思いながらあっという間に一皿食べておりました。

普段食べ過ぎている私の胃袋を心配するかのごとく、オカンのような心配そうな顔で店主「次を出しても大丈夫ですか？？控えめにされますか？」

普通のお店ってもっとこれあるよって言ってきますが、お店を出た後のお客さんの心配をするあたりで、近所の人たちが通ってしまうのが納得できます。

フルーツとお野菜をいただく。これも口直しにもいい。さらっと入ります。

無理せず加工をしていない、最低限というか最適な方法で美味しいものを出してくださる料理屋さんです。

最後に、しめはどちらがいいですか？とのこと。
うどんと雑炊の選択肢があるのですが、ここはやはり雑炊で。

「雑炊もいただけるんですかっ！！！」という無邪気な私に店主もうれしそう。本当においしいものを出してお客さんのおいしいっていうのがうれしいんだろうな・・・。まさに路地裏の癒され店舗。。。。。

登場した雑炊はもうほわほわのふわふわで。
サラサラしてて胃もたれすることはない。
お肉もお野菜もそうでしたが、雑炊もいい。身体にすっと入り込むようなそんな雑炊。

食べログでにおいを出す機能とか、動画を張り付ける機能を駆使出来たら楽しいんですけどね、それをやると利害判断が難しくなりますね。それに食べに行かないでもおいしそうになるかな。

外国人観光客と忙しい会社員たちの町っていう認識があったけど、ちがったな。世界のどこでもおいしいお店はあって、おいしいご飯はとってもシンプル。

大事にお客さんによろこんでほしいっていうお店の人を探すだけですね。

食べ終わって店主の方と雑談、こちらはお酒もかなり力をいれていらっしゃるようで、ぜひまたそのあとの予定がない時にどうぞ、とのこと。

うう～～～おいしそう！！
外国からきてる友達にもここをおすすめしたい！！

是非また近いうちに遊びに来させていただきます。その時も空腹で行きます。

私のお腹を任せられる、そんなお店を日本に見つけました。