散策の途中で、名物のコロッケを食す : Maruya Nikuten

　本郷散策の3軒目。
　手作りチーズの店を出てから、一旦止んだと思った雨が再び降り出した。　
　言問通りを進み菊坂下の交差点を曲がり、緩やかな勾配を3丁目の交差点方向へ上がっていく。
　その途中の右側に現れるのが、こちらの精肉店である。
　MFさんの多くも訪れている有名店で、皆さん高評価されている。

　こちらは地元住民に親しまれる＇町場の肉屋さん＇なのだが、店の前で販売されている揚げ物の評判が高い。
　特に「菊坂コロッケ」として売り出しているポテトコロッケが人気で、散策の途中で立ち寄る人も多い。

　私も以前に何度か寄ったことが有るが、この日はこんな天候なので休日の割には人だかりが見られない。
　仕込みも控えめにしてるようで、並んでいるのはコロッケの他は3種類のカツのみ。
　店頭に立つと女将さんは肉を捌くのに専念しており、奥に声をかけて呼ばれたのは齢80くらいと思われる大女将。
　「菊坂コロッケ」（130円）をお願いすると、専用の紙袋に入れて手渡してくれた。

　陽気が良ければ歩いて食べるのも構わないが、今回は店頭に置かれた少し傾いた縁台に座り、滴る雨粒を眺めながら頬張る。
　流石に揚げたての熱々では無かったが、この天気ながら衣はサクッとしている。
　中身はそこいらの肉屋に比べ挽肉の割合が多く、玉ねぎの甘味やポテトのソフトな舌触りも良い。
　軽めの塩加減だが旨味が濃いため、このままで十分美味い。

　単なる観光地の名物といったものでは無く、きちんとした仕事が施された逸品と言える。
　この地を訪れたら試されることをお勧めする。

　ちなみに当初の予定では、この後はそこからすぐのカフェの「金魚坂」に寄り、金魚を眺めつつティータイムを過ごすつもりだったが、急用の電話が入りそのまま地下鉄の乗って帰宅することとなった。