レトロなお店でいただく老舗のうなぎ　～　初小川 : Hatsu Ogawa

1907年（明治40年）創業、115年続く鰻の老舗です。建物はさすがに明治ではなく昭和。それでも昭和20年築だとか。古い一軒家で、間口が狭い。入って左側が厨房で、右に狭い小上がり、中央にテーブル、奥に座敷かテーブルがあります。壁には相撲番付や歌舞伎ポスター、版画絵に浮世絵、相撲取りの手形色紙などが色褪せて張り巡らされているのが歴史を感じさせます。まさにレトロ。昭和レトロと呼んでいいのかな。

小上がりを選んだけど、この卓袱台が昭和サイズ。とっても小さくて一人分で一杯になってしまいます。古い鰻屋さんとか天ぷら屋さんではこういう昭和サイズが残ってますね。

中ビン サッポロ　　　600円
肝焼き　　　　　　　 700円

サッポロにしたら赤星でした。骨せんべいが突き出し。パリパリ美味しい骨せんべいでした。骨せんべいとお新香でビールを楽しんでいたら、15分で肝焼きが来ます。大きな串です。肝が6～7個焼いてあるんじゃないでしょうか。これだけの肝をお店で割いてるんですかね。それとも別に仕入れているのか。苦みも臭みもない、美味しい肝です。ビールのアテに最高だ。

上うな重　　　　　　4300円
大盛　　　　　　　　100円
肝吸い　　　　　　　50円

肝焼きから20分でお吸い物が用意され、上うな重が来ました。
ごはんを大盛にしたので、お重から1.5尾の鰻が溢れそうになっています。そのせいか、お重にふたはありません。
鰻は綺麗な照りの焼き色です。早速箸を入れて食べてみると、ふわふわ柔らかい鰻の白身に、皮もふにゃっと柔らかく、脂も甘い。タレは甘みの少ないドライタイプであっさり。うなぎの旨味がよくわかるタレです。

炊き立て熱々のごはんが美味しい。やはり鰻のタレは最低限にしかかかっておらず、鰻の味わいがよくわかる繊細な味付け。
先日川越で訪問した「小川菊」でも、同じように甘くないさっぱりのタレを、ごく少なくかけたご飯が美味しかったのを思い出しました。同じ「小川」だけど関係はないでしょうが、こういうさっぱり系のタレの鰻が老舗っぽいんでしょうか。

お吸い物は陶器の器で珍しい。わかめ、椎茸、みつばと肝が入っていて、これも薄味。50円にしては美味しいです。
山椒は卓上の袋入りパックなので、香りはあるのですが、ちょっと寂しいですね。

ごはん大盛はなかなかのボリュームで満足しました。蒸した後、丁寧に七輪の炭火で焼き上げた鰻はとても美味しかったです。鰻本来の味が楽しめる、さっぱり系のうな重でした。レトロな店内で居心地も良く、名店の伝統を繋いでいってほしいお店です。