肌寒い秋雨時には熱々のけんちん蕎麦 : Shinano

秋雨が続き、気持ちの良い秋晴の季節を飛び越して急に寒くなってきた今日この頃。ふと当店の名物を思い出し訪問。

赤羽橋 "志な乃"

知る人ぞ知る、「蕎麦と饂飩の合盛り」を「けんちん汁」につけて食す「合盛りけんちん」が有名な蕎麦屋。

「あら、久しぶり」と迎えてくれる女将さんはご健在。

肌寒い本日の注文は決まってます。

"けんちん蕎麦" 1250円

頭上に東京タワーを見上げる立地にある店とは思えない、いかにも田舎風な丼面。心が和みます。

編みの三つ葉がチャーミング。
熱々の出汁の効いた味噌の汁に、大根、人参、里芋、牛蒡など、油断すると火傷するほど染み染みと熱出汁が染み込んだ、ひと口サイズの根菜類と、サイコロ大の豆腐と蒟蒻。実に滋味深く美味しい。

そして田舎蕎麦風の手打ちの蕎麦は力強い。こんなにグツグツ煮立ったような汁の中でも決してダレない。けんちん汁のために編出したような平打ちの二八蕎麦。
七味を多めに振りかけて至極の一杯。

ラーメンのスープを飲み干す事はないけれど、このけんちん汁は両手で丼を抱え上げ、本日も最後の一滴まで頂くのです。

長年愛される名店には必ずと言って良いほど看板メニューがあります。
こちらの老舗は「蕎麦と饂飩の合盛り＋けんちん汁」という渋い！看板メニュー。

赤羽橋 "志な乃"

けんちん汁とは元来は精進料理で、一般的な具材として大根、人参、里芋、牛蒡、蒟蒻、豆腐を胡麻油で炒めた後に出汁を加えて煮込み、最後に醤油で味を調えたすまし汁のこと。

しかしながら"志な乃"さんのけんちん汁は白味噌仕立てです。根菜たっぷり豚汁の豚肉抜きといった様相ですが、これまたどうして滋味深く日本人なら誰しもほっと安心する旨さ。

もちろん注文は、
"合盛り"1150円と"けんちん汁"350円

蕎麦は太平打ちの二八蕎麦。やや田舎蕎麦風のゴワっとした歯応えが特徴的。
薄色ながらしっかりした辛汁も美味しい。

饂飩はピカピカ輝くもっちりしたコシが特徴的。
蕎麦同様にヒンヤリ冷えた締め具合がさすが。

薬味に山葵、生姜、葱、おろし、白胡麻、大葉が提供されますが、そのまま食べてもいけるほど。

そして、、、
饂飩はそう、けんちん汁に浸けて食します。
アツアツのけんちん汁にヒンヤリ饂飩がなんとも言えないハーモニー。

女将さんの接客は堂に入り、なんとも居心地の良い店。
噂通りの名店でした。
ちなみに、隣の女子が食べていた「けんちんうどん」が気になり、翌日にまた訪問、、、そんな店です^_^