スタンスを理解して。 : Romantico

大好きなどクラシックイタリアンにおいて、当店も候補に挙がっていたのですが後回しにしていました。
広尾は"ロマンティコ"。
1週間前予約がお店の決まりですが、6日前電話にてよゆーで席ゲットです。

場所はルカンケやアルシミストなど名門フレンチが名を馳せる白金。
目黒からは徒歩15分はかかります。ちなみに健康のために毎日1万歩を歩くわたしとしてはこれぐらい余裕のよのすけです。

店内はカウンターのみで店主のワンオペなので最大6名MAXな作り。
一斉スタートではないので、わたしたちが到着した頃にはご夫婦が既にメインに突入していました。
ところで店主は全く愛想がなく、必要最低限の会話以上にちょっと圧を感じます。
私自身、塩なお店は平気な方ですが、寿司屋ならともかく、イタリアンにおいては何皿ぐらいが目安のような説明はあった方がいいかなと。
で、こちら側が聞くと前菜２、パスタ2、メイン1が基本とのことでそのように選抜しました。


活〆穴子フリット
超シンプルなフリットですが、塩加減絶妙で美味しい。身こそふっくらではないですが、パリッと揚げられた表面が香ばしくて臭みもなくGood。忍ばせたジェノバソースがまた香りの変化を楽しむには充分すぎるアイテム。

パンは冷めきっていて尚且つパサパサ。
よくある本場イタリアのオステリアで出てくるやつを思い出しました。
捏ねが足りなそうなカチカチ感でしたがとりあえずは食べます。

アンコウ 酸味をきかせたソースで
つくづく酸味感のあるソースが好きだと思う。大好きなパトゥのような濃厚でいて食指が動く作りには感動すら憶えます。
ふっくらと火入れされたアンコウも超美味しい。
微妙なパンでしたがソースが美味しすぎるのでしっかりぬぐって食べ、しまいには別のパンをオカワリ。人はこれをソースマジックと呼ぶのでしょう。

トロフィエ バジリコペースト
もっちもちの手打ち。さっぱりしていながらソースの香りが芳醇で、噛む度に旨み度数が上がります。
こんなに美味しいなら2倍量で食べたいところでした。

タリアテッレ 原木椎茸のボスカイオーラ
いわゆるキノコをたっぷりと使ったソースですが、ガーリックの香りをしっかりパスタに纏わせながら、肉厚もいいとこな椎茸の汁とのコンビネーションで一層の食欲を掻き立てます。

仔羊ロース じっくり焼き
1番初めの前菜の時間から子守りしていた羊さん。
料理名通り、最初はフライパンで表面を焼いてゆき、パスタら辺でオーブンへ。脂身の部分はカリッとソテーして上に散らされています。
こんな手間暇かかることをたった一人でやってしまうのですから嫌でも感服してしまう。
しっとりと火入れされた羊は圧巻。羊独特の濃いミルキーな味も残しながら食べ疲れのない着地感。
付け合せの野菜も羊の油脂分と絶妙なバランスで美味しかったです。


以上、2人で飲んで食べて26000円くらい。
ちなみにコンメディア同様使用しているオリーブオイルは一緒でした。つまり私の家にあるものと同じです。
仕事に徹する、それが良さでもあり身内との時間を楽しみたいという人には勿論ピッタリなお店ですが、最低限の説明が無かったことやピリピリとした空間はどうも好きになれないかもしれません。
とはいえ、どれもこれも手の込んだ妥協のないお料理でとても美味しかったのは事実。
お店というか店主のスタンスをわかった上で、親友レベルの方とお供するのがベストに感じました。


ご馳走様でした。