フルリニューアル以降は全く異なる風合のお店に : Sushi Iso

過日の夕餉。中野北口で新規開拓。前々から気になっていたこちらに伺う。

当店、コロナ騒動真っ最中の2020年にフルリニューアル。旧店舗には一度ランチでお邪魔したことがあるのだけれど、「出前迅速、宴会歓迎、ランチ格安」的な地元密着系大函の所謂「町のお寿司屋」さんだった。今はカウンター７席メインの明るい現代的鮨店…全く異なるお店に変貌。

漬場には御兄弟と思しき職人さん二人、奥の厨にご母堂と思しき人生の先輩ご婦人の３人で差配。やや着座位置の高いカウンター席に誘われ、とりあえず生ビールを頂いて、おまかせを所望。

さっともずく酢とホタルイカの沖漬・酢味噌和えがほぼ同時に供されカウンター上を占める…。麦焼酎の炭酸割を所望して「すみません、ちょっとゆっくり目でお願いします」先般伺った綴心さんもざっと酒肴を３品ほど供されていたけれど、中野鮨スタンダードなのかしら？

すこしペースダウンして頂きつつ、帆立の磯辺焼き、鮪の脳天、湯葉の雲丹和え、締め鯵のガリ巻、細魚刺身と皮串焼き、毛蟹、蓮根餅等。味わい的に決して悪くはないのだけれどどれもあまり印象に残らず。酒肴の仕舞は桜鱒の西京焼。二杯目の焼酎炭酸割を干して、お茶に替えて握りに移行。

煮切り、塩、かぼす、ツメを駆使して手塩皿のお醤油は不要の握り一貫ずつの提供。以下順不同で供されたものを。
真鯛、北寄貝、烏賊、鰯、鯵、小肌、鮪漬け、中トロ、穴子…もう少し出たような気もするけど失念。舎利がすこし弱いかな。もう少々酢を利かせてもらった方が好み。穴子は若干独特の臭み。鮪は普通に美味しい。本日の種では北寄貝が出色。山葵はかなり大振りの良いものを使われている。玉子を焼かれていなかったこと、巻物と汁椀が供されなかったことが残念。

応接。漬場の職人さん二人と常連さんの楽しそうな会話を脇で食べながら黙って聞いているのが結構辛い。別にないがしろにされていた訳ではないけれど、初見飛込客だった当方にとってはかなりアウェイ感あり。お酒が進んで大将が握り始めてからは会話もすこし弾んだけれど、エンジンがかかるのが遅すぎた。

以上1時間強の饗宴終了。かなり早仕舞だった印象。お会計税込み11,800円（お任せ9,900円・アルコール1,980円・端数値引）は供された酒肴・握り（合わせて20品ほど）の質量鑑みて、とても頑張られているなぁと素直に思う。アルコールも鮨店としては良心的な価格設定。今回のお勘定を見る限り、お通し代、サービス料は取られていないようでありがたい。

一人で酒と酒肴でゆったり楽しんで握りで締める…にはやや不満が残る。ふらっと来て酒肴一品とアルコール一杯、さっとお好みを四、五貫つまんで次の店へ…なんて粋な使い方が吉か。

このお値段出すのであれば、若干がさつで供される品数はこちらよりはかなり少ないけれど、お安く上がる慣れた南口の松露鮨さんに行っちゃうかな。