素材の良さを引き出す料理の数々 : Antica Trattoria M's dal 1995

　近所にあってなんとなくずっと気になってたものの、以前はここでの評価がパッとしなかったのでなんとなく避けてたお店。このたび阿佐ヶ谷を離れることになり、店名がいつの間にかなぜか微妙に変わってて評価も上がってたので行ってみました。

　結論は、なんでこれまで行ってなかったんだろうと後悔するくらいの美味しさ。どの料理も素材の良さをとてもうまく引き出しつつ、他のイタリア料理店では味わったことのないような味の料理の数々で、とても満足しました。

　まず最初に出てきたスモークサーモンにびっくり。てっきりよくありがちなうすくて冷蔵されたヤツを想像してたら、焼き鮭みたいな厚い切り身が出てきました。お店でスモークしたような感じで、外はスモーキーでカリッとしてて、中は半生でジューシーという、焼き鮭とも普通のスモークサーモンともまったく違う味でした。

　ホワイトアスパラとパルメザンチーズのパスタもシンプルなのにめちゃくちゃ美味しかったです。パスタは3種類から選べて平打ち系のリングイネを選びましたが、茹で具合が絶妙なアルデンテでした。

　魚介のフリットはびっくりするぐらいの量。ニュージーランド牛のサーロインステーキも厚切りでめちゃくちゃジューシーだけど脂っこさは少なく、けっこう大きかったけどペロッといけました。

　その他、自家製パンやガーリックトーストも美味しかったです。

　店員さんの女性（シェフの奥様でしょうか）も心のこもった接客で超好感でした。最初に前菜をもう一品勧められて魚介のフリットを頼んだら多すぎたのですが、素直に「勧めすぎてすみません」と謝ってくれました。そしてステーキの付け合わせに頼んだサラダは「もしお腹いっぱいだったらキャンセルしても大丈夫です」と言ってくれました。そのステーキも普段の量より少なくなったと言って（でも十分な量）、少し値引きしてくれたようです。魚介のフリットは食べきれない雰囲気を察して包んでくれました。なんて良いお店。

　一つ一つのメニューはややお高めでどうかなぁと思ったけれど、お高いのは味の良さに加え、どうやら量が多いからのようです。普通に頼んだら結果として頼み過ぎになったので、一品減らせば周辺のイタリア料理店と変わらない価格水準でした（子供含め3人で15000円くらいだったけどすごい量の魚介のフリットをやめておけば12000〜13000円くらい）。

　生ビールがないなど飲み物の種類が少ない（ワインはどれくらいの種類があったか不明）のがやや難点ですが、グラスのスパークリングワインや赤白のハウスワインは普通に美味しかった（しかも値段は手頃）です。小学生の子供を連れてくことを事前に知らせたら「ジュースがあまりないので持ち込んでもらっても構いません」という嬉しいお答えもありました。

　学校のランニング大会とサッカー観戦でつかれて眠そうだった子供も、パスタとステーキを食べたら急に元気になりました（笑）。ここはイタリアンの良店が多い阿佐ヶ谷でもかなり良いお店だと思います。まだ阿佐ヶ谷にいられるならもう一回行きたいと思いました。ごちそうさまでした。