上級中華のBGM : Kantoun Ryouri Genen

♪陽のあたる坂道を〜変速機が固着してハイギアに固定されちゃった自転車で駆け登る〜♪

すると左手にシンプルで落ち着いた外観のハコが。中華料理店なのだが、中華=にぎにぎしさという図式からはかけ離れてる。野良着での入店は憚られるが、まだお客も少ないし、エイヤッと扉を押す。オオ〜、照明も色彩も調度品も抑制の効いたシックな内観。値段も、ランチメニューで全て¥1,000固定。そういう格の店なのだ。

中華粥セット：よその、とくにランチタイムにはまず見られないものを。お茶はポットでの提供。冷やしきってないジャスミン冷茶です。茶葉に浸かってはないけど所々残るので自家抽出でしょう。旨い。サラダはしそドレッシング。冷たくシャキッとしています。お粥はたっぷり、こんな量をどうやって？と思うかもしれないが、中華粥というのはすでに淡味な出汁風味(鶏かな？)がついてて、それ単体で美味しくいただけます。直近に食べたものと比べさらりとしたテクスチャー。味変要員はザーサイが有効でした。ついで蒸籠に収まった点心な。翡翠餃子はプリプリエビ、小籠包は肉汁爆弾…と思いきやセーフ、澄んだ肉汁味、焼売が大ぶりで大火傷、ジューシーなのにもちっとした食感、一昨年自作焼売にハマった者としては、新たな目標ができちゃったかなと思える美味しさ。杏仁豆腐はふんわり、口中で儚く溶けゆくタイプ…。

自分にはおいそれとお訪ねできない格の店だけど、安い店にはほとんどない蒸し料理が昼から堪能できて、中華料理の深淵に一歩近づけるような気がする。

さて今回のタイトルなついて、店内全編ジャズが流れてたのですが、私ゃコレが苦手で…、不協和音いうのか、オトが予測できないし、リズムがとれない。モノによっては、アレ？ここで終わり？みたいなね。ただでさえ不整脈なのに、それが増長される気がする。こんな美味しいものを食べ、美しい店内でくつろいでるようでいながら、耳だけは緊張感という分裂状態なのでしたw