東四つ木の良心 : Sekiya Shouten

葛飾区は東四つ木界隈をパトロール中、前々から気になっていた当店にピットイン。何故今まで訪店機会がなかったと言いますと、ぶっちゃけその外観のあまりの趣深さにたじろんでいたから。
風の噂によると、当店は食料品全般を取り扱う昔ながらの個人スーパーでありながら、お店の奥に簡易的な飲食スペースが存在するとのこと。
つまりはすぐご近所立石の倉井ストアーさんに似たような形態。(酒屋じゃないけど)スーパーで角打ちチックな楽しみ方ができるというわけです。

ガラガラ〜(実際には予め入り口は開いていました

何とも年季の入った店内には、各種食品・調味料などが所狭しと陳列されています。
人1人がやっと通れる通路を進んで行きますと、奥に横長のカウンターテーブルが1卓。どうやらこのテーブルにて飲食ができる模様です。椅子まであるとは思ってなかったのでちょっぴり意外でした。
ところでお店の方はどこにいるのだろう。とりあえず声をかけてみるかな。すいませーん。
そしたらお店のこれまた奥のお部屋(居住スペース？)から「はーい」
熟練のマダムが出てきてくださいました。

私「こんにちは、マダム。当店で一杯飲ませていただきたいのですが」
マダム「あれま、どうぞどうぞ。お酒もおつまみも自分で出して適当にやってね。お会計は最後にまとめてするので、おかえりの時にまた呼んでください」

いやはや、すさまじくアバウトなお店だな。まあ先客もいませんし、お言葉に甘えて適当にやらせていただきましょう。
冷蔵ケースを拝見するとビールの大瓶を発見。キリンは一番搾りだけでなく、淡麗やラガーも取り揃えられているのがありがたし。
あ、だけども栓抜きがないな。もう一回奥のマダムにすいませーん。

私「申し訳ない、栓抜きとコップをお借りしてもよろしいですか？それとキリンラガーの大瓶はおいくらでしょうか？」
マダム「はいはい、大瓶は最近アサヒは値上げして380円になりましたよ。キリンは350円です」

やすっ！！

いくら角打ちでも、流石に大瓶350円は私の浅い酒飲み人生の中でも最安価クラス。確か浅草の四方酒店の赤星と同価格であった記憶です。
しかしながら実は今回の訪店は今年の3月下旬。その後、大手各社のビールの一斉値上げがあった故、現在の価格は不明。この点については再度調査が必要ですね。
おそらく先に値上げされたアサヒと同額の380円になったんじゃないかな

兎にも角にもキリンラガー大瓶(350円)に決定。コップはプラカップを手渡してくださいました。(ガラスコップだったらなお嬉しかったですね)
そして一緒にいただくアテを物色するため、再度店内を探索いたします。

マダム「普段はお刺身とかも入荷してるし、お惣菜も色々用意しているのよ。今日はあまりいい物が残ってなくてごめんなさいね」

ふむむ、それは残念。とはいえ目の前にない物に焦がれても仕方ありません。

吟味の結果、かろうじて残っていた手作りのナス炒め(130円)と、角打ちらしくさんまの塩焼き缶(135円)をチョイス。うんうん、春なのに秋っぽい献立なのはアレですが、なかなかイカした組み合わせです。

ナスはちょい油っこくはあれど、薄味仕様で普通に美味しきかな。
勿論さんま缶も等身大の美味しさです。欲を言えば、柚子胡椒とか添えられたら最高とか思ってしまったり。

そんなこんなで詳しい味の感想などを考える間も無く、電光石火の完食。やっぱりスーパー内でのちょい飲みは楽しい！

お会計(615円！安い！)をお願いしながらマダムとしばし談笑。

マダム「私の娘も埼玉に住んでいるのよ」
あら、思わぬ接点に嬉しみを覚えます。

帰り際もわざわざお店の入り口まで見送ってくださって恐縮でした。マダムのお心遣いに身も心も暖まりましてございます。

それにしても(マダムが基本奥のお部屋にいらっしゃる)当店のシステムは、つくづくお客とお店の信頼関係のもとに成り立っているんでしょうね。
私も信頼しますので、出来れば今後も大瓶をあまり値上げしないでくださいませ。