【鳥新/矢川-谷保】見た目で躊躇するなかれ。身も心もホッと温まる居酒屋さん！ : Torishin

〔2014年2月12日(水) 18:20〜18:50〕

「以前から気になっていたお店」は数あれど、ここの比ではない。
でも、風格ある外観に圧倒され、いつも店の前を素通りしていた。
何十回…いや、幾度となく…。しかしこの日、ついに初訪問を果たす。

それが(私の足で)矢川駅から7分、谷保駅から10分の居酒屋「鳥新」だ。

縄のれんをくぐって中に入ると、眼鏡をかけた温和なご主人がお出迎え。
向かって左手、厨房側のカウンター3席、右手の壁側にカウンター3席。
奥の小上がりに4人座れそうなお膳。私は右手のカウンター席を陣取る。

この席からは、小上がりのテレビがよく見えるし、厨房ともいい距離。
お客さんは誰も居ないが、その方がご主人とたくさん話ができるぞ…
などと思いつつ、まずはハイサワー[450円]を注文。するとご主人。

「ここ初めてですか？ うちはお通しで300円頂きますが…」
「もちろん結構です。ちなみに今日のお通しは何でしょう？」
「秋田の山菜(ワラビやゼンマイ)を使った煮物です」

一見さんへのちょっとした心配りが嬉しい。で、メニューを眺めると…
焼鳥だけの店と思いきや、壁の短冊やホワイトボードに一品料理が。

いぶりがっこ、ナスキムチ炒め、山かけ、お新香、冷奴、などなど。
串は1本100円。とり、レバ、かしら、シロ、なんこつ、タン、つくね。
あとは煮込みが400円で、中には「とり弁当[680円]」なんてものある。
お酒もビール、日本酒(新政など)、焼酎、サワーといろいろ楽しめそう。
それにしても、いぶりがっこ、新政、そしてさっきのご主人の一言…

「もしかしてご主人、秋田にご縁があるのですか？」
「ええ。女房が秋田出身なもんで、いろんな食材が手に入るんですよ」

なるほど。いぶりがっこと新政というのもいい組み合わせではないか。

ハイサワーを飲みながら、くだんの山菜の煮物を頂いてみた。
フキやニンジン、竹輪も入っており、濃いめだがとてもいい味付け。
ハイサワーでもいいが、これはビールにも日本酒にも合いそうだ。

この辺で飲み物がなくなったので、お酒と料理を頼むことに。
キンミヤロック[300円]と串焼き3本(鶏/つくね/かしら)[300円]を注文。
そして、焼鳥をせっせと焼いているご主人にいろいろと聞いてみた。

お店は東京オリンピックの前年からやっているので、創業50年。
ご主人は四代目で、平成元年に脱サラでお店を受け継いで26年目。
暖簾分けとかではなく、先代とのご縁でそうなったのだとか。

「店内が満席だと、裏の駐車場にビールケースのテーブルを置いたっけ。
花見の季節には、焼鳥の注文をたくさん受けたこともあったなぁ…」

今は1人だが、おかみさんと2人で切り盛りした時期もあったらしい。

そんな話をしながらキンミヤを飲んでいると、焼鳥が目の前に。
ジューシーな鶏肉、香味野菜が練り込まれた香ばしいつくね…
どれもホッとする味だし、1本100円はリーズナブル。

もっと時間があれば、大好きな山芋やニンニク焼きも食べたかったが…
次の予定があったので、お勘定を頼みながらご主人に帰りのご挨拶。

「躊躇せず、もっと早くお店に入れば良かったなぁ…」
「そうおっしゃるお客さん多いんですよ（笑）」
「居心地も良かったし、また来ますね！」

外は寒いが、店内は暖房が効いておりとても暖かい。
それに加え、人当たりが柔らかいご主人にとても癒やされる。
また来よう。美味しいお酒と料理、そしてご主人との話を楽しみに。

（お勘定：1,350円）