「本日、天然うなぎ入荷」の 店頭案内板 に誘われて
山間部へ行かなくとも”紅葉狩り”は可能です。
都内の紅葉は、皇居東御苑、柳沢吉保が造園した六義園、水戸徳川家の江戸上屋敷内につくられた小石川後楽園など 落葉樹と常緑樹の織りなす多彩な景色が好きです。絵画館につながる神宮外苑銀杏並木は遠近感があり人気が高く、カップルが寄り添って歩くには絵になりますが、単調過ぎると私は思います。
今年の東京は、夏に雨が降り秋雨も長く続きました。日照と充分な水量は樹木にとってその生命力を維持するに不可欠であり、11月7日に立冬を迎え肌寒い日が続くと落葉樹は一気にその葉を赤く黄色く染めました。
この日、用があって車で移動していたところ、店頭に「本日、天然うなぎ入荷」の案内板が出ていることに気付き、早速予約を入れ、翌日伺いました。
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「天然入っているぅ。」というチョット他人と違う妙な言動をする人は私の周りにもいますが、その大らかさが憎めません。
日本人は食べ物に関しても”天然物”が好きなのですが、露地物でないハウス栽培の高価な甘いだけの果物、野菜、牛舎に閉じ込めビタミンA欠乏の人口飼料を与えBMS値(Beef Marble Score、Beef Marble Standard)を高めた黒毛和牛、養殖生簀から流れて来る配合飼料を食べて根付いてしまった出水の黄金鯵など挙げたらキリがありませんが、実は”養殖物”が好まれているのです。
うなぎに関しても”天然礼賛”は、その希少性が拍車をかけ多くのうなぎ好きを満足させていると言われていますが、果たしてその真贋は如何に。
東京では、利根川や印旛沼で取れたうなぎが集まった”千住もの”、大川(隅田川の吾妻橋より下流)など東京湾に注ぐ河口で獲れる”下りうなぎ” が知られています。流通の発達した現在は全国の産地から活けの状態で運ばれ市場で取引されています。また、江戸前ではありませんが、 汽水湖(海水と淡水の混ざる湖)の天然うなぎもあり、おいしいとのことです。
今回食べた天然うなぎは利根川産です。利根川のどの辺りで獲れたのかは訊きませんでした。
ご覧のように身が厚くプリッとして、脂も適当にあり600gぐらいのものと思われます。
天ぷらの鯊でもキスでも、煮魚のメバルやキンキでも新鮮な魚に火を通すと三割ぐらい身が小さくなり反っくり返ります。きれいに見せるため串を打ったり、飾包丁を入れたりすることによって反りを抑えながら活きの良さを表現できます。
うなぎ特有の香りは少なく、河口に近いものではないかと思われます。川の中流や沼で獲れるうなぎには川藻の匂いがきついものがあり、これを好む人には絶品なのですが、私は苦手です。
肉厚のうなぎを箸で掴み、皮の弾力を感じながら うなぎだけを頬張りました。おいしい!!!
カマの部分が骨っぽいのは天然の証ですが、養殖うなぎとは全く別の食べ物です。スッキリした上質のタレが負けていると思わせます。これは蒲焼きではなく白焼きで食べた方が更においしさを感じることができると思いました。
隣の席から「このうな重、おいしいわね。」という声が聞こえてきました。皆さん近くの会社員らしく、お得なランチメニュー(2,270円) ”養殖”のうな重を食べています。一人で昼酒を飲みながら稀少な天然うなぎを食べていることに後ろめたさを感じながら、『安くておいしいのが一番ですよ。』と心の中で呟きました。
多摩地区で美味しい鰻屋「四季の詩」
「四季」といえば、17世紀から18世紀のバロック期に活躍したヴェネチアの作曲家アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ( Antonio Lucio Vivaldi )が作ったヴァイオリン協奏曲が思い浮かびます。
日本では、イ・ムジチ合奏団の演奏で知られていますが、私は、カラヤン(Herbert Von Karajan)が指揮したベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker)の演奏が、一番好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=jPlVYkLZlhQ
ユリア・フィッシャー(Julia Fischer)とThe Academy of St. Martin の野外演奏も良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=kS-W3lfcVvY
ヴィヴァルディと同時代に活躍したイタリアのヴァイオリニストであり、作曲家であるニコロ・パガニーニ(Niccolo Paganini は、ヴァイオリンの超絶技巧奏者として名高いですが、David Oistrakh が演奏した Paganini Campanella live in Moscow 1954 https://www.youtube.com/watch?v=xQsNBE1Q_v8 は名演奏です。
彼の名を冠した「パガニーニ国際コンクール」は、1954年以降ヴァイオリニストの登竜門の一つとなっていますが、優勝者としてサルヴァトーレ・アッカルド、庄司紗矢香、ギドン・マルクソヴィチ・クレーメルなど優れたヴァイオリニストを輩出しています。(すみません。ヴァイオリン演奏曲が好きなので止まらなくなります。日独伊の天才たちは素晴らしい!)
大好きな演奏1:David Oistrakh "Violin Concerto" Tchaikowski ( conductor:Gennadi Roshdestwenski )
https://www.youtube.com/watch?v=Ds4XPlhgq_k&index=2&list=RDxQsNBE1Q_v8
大好きな演奏2:Midori Goto plays Tchaikovsky Violin Concerto 1stMovement ( conductor:Claudio Abbado )
https://www.youtube.com/watch?v=IP1uFvjiHV4
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さて、自身の今年のテーマ「鰻の蒲焼」も少しずつ訪問した店が増えてきましたが、「まとめ」を作るには、もう少し修行を積まなければなりません。
ここ「四季の詩」に流れるBGMは、クラッシク音楽です。
ご主人とは、この件について話をしたことがないのですが、クラシック音楽が好きなようです。
日本酒の醸造蔵にモーツァルトを流すと美味しい酒ができると言われています。鰻にも有効なのかどうかは知りませんが、ここの蒲焼は美味しいです。
注文を受けてから、割き〜白焼き〜蒸し〜タレ焼きの順を踏みますので、急いでいる場合は、事前に予約をした方が良いです。調理場の蒸し器から出るシュ〜ピィ〜という音が聞こえてから十五、六分後に「お待たせしました。」と、左手薬指に光るもののある瓜実顔の素敵な女性が、お盆に載った「うな重”詩”(3,150円)」を運んできました。
重箱の蓋を開けると鰻の良い香りが立ち上ってきます。
ふっくらと焼きあがった蒲焼は、備長炭で焼かれ、鰻の良い香りを放つのですが、燻された感が表面的であり、芯まで到達していないと感じました。このような上品な味わいを好む方が多いですから、これはこれで良いのだと思います。
ご主人の蒲焼に対する仕事は、超一流です。
鰻の調理は気が抜けませんから、調理場と配膳をするカウンターとを行き来しているご主人に声を掛けることができませんが、誠実な人柄からもそれを窺うことができます。
ご飯は、少し硬めに炊かれ、これを噛むように食べるとお米の味がしっかり伝わってきます。鰻の蒲焼と上質なタレの間でホロホロと崩れながら一体となって喉を抜けていきます。美味しい!
彼岸を過ぎたら、また、訪問いたします。ご馳走さまでした。
점포명 |
Unagi Shikinouta
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장르 | 장어 |
예약・문의하기 |
042-310-0747 |
예약 가능 여부 |
예약 가능 |
주소 |
東京都多摩市落合6-12-5 |
교통수단 |
다마 센터 역에서 1,655 미터 |
영업시간 |
영업시간과 휴무일은 변경될 수 있으니, 방문하기 전에 식당에 확인하시기 바랍니다. |
예산(리뷰 집계) |
¥4,000~¥4,999¥2,000~¥2,999
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지불 방법 |
카드 불가 전자 화폐 불가 |
개별룸 |
가능 |
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금연・흡연 |
완전 금연 |
주차장 |
가능 4台 |
공간 및 설비 |
차분한 공간,카운터석 있음,좌식 있음 |
음료 |
일본 청주(사케) 있음,소주 있음,외인이 있음 |
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이럴 때 추천 |
많은 분이 추천하는 용도입니다. |
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서비스 |
테이크아웃 가능 |
鰻レビュー 三連荘 (麻雀用語、サンレンチャン) です。
ここは「今日は、うなぎを食べるぞ!」と気負わずとも「あー、おいしかった。」と、満足感を得ることのできる良い店です。年末でもあり、ライブラリーに溜めた写真をまとめて公開することにしました。
10月中旬のこの日、店頭に「本日、天然うなぎ入荷」の案内板が出ていました。
ご存知のように東京の天然鰻としては利根川や印旛沼などで取れたうなぎが集まった”千住もの”、大川(隅田川の吾妻橋より下流)など東京湾に注ぐ河口で獲れる”下りうなぎ” が知られていますが、流通の発達した現在は全国の天然鰻産地 (汽水湖の小川原湖、八郎潟、神西湖、宍道湖 や 利根川、吉野川、四万十川、霞ヶ浦、琵琶湖、駿河湾、児島湾、etc.) から活けの状態で運ばれ市場で取引されています。
日本人は、”天然もの” という文字に弱いのですが、養殖生簀からこぼれ落ちる人工飼料を食べて根付いてしまった "出水の鯵" や "青森の松皮鰈" は、養殖と同じです。もっと極端なのが黒毛和牛であって、ビタミンA欠乏の餌を与え、運動不足でグズグズに脂の入った状態にしたA5級"養殖"牛肉を好んで食べている人たちほど ”天然もの” に弱いのは、単に「高額品=希少でおいしいはず」という式でしか価値を見出せない味覚〇〇の人なのではないでしょうか。
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天ぷらの鯊(ハゼ)でも鱚(キス)でも煮魚のキンキやメバルでも "新鮮な魚" に火を通すと厚みのある身が三割ぐらい小さくなり、プリッと反っくり返ります。
添付写真の通り、この日、白焼きでいただいた利根川産天然鰻もプリッとし、うなぎ特有の香りはきつくなく、上品で爽やかな脂の乗り具合と歯応えが自然のエネルギーを感じさせる立派なものです。偶には、大自然の作った "本物" を謙虚にいただき、神に感謝しなければなりません。
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