時間がゆっくり過ぎてゆく…癒しのとんかつ店 : Tonkatsu Suzumoto

過日の昼餉。朝からとんかつ気分だったので、町田での午前中業務をサクッと終わらせて、以前よりBMしていたこちらにお邪魔。実はこちらにお邪魔する前にとんかつよしまつさんに伺ったのだけれど、カーテン閉めっぱなし、電話もつながらず（もしかしたら閉店？）…というような状況だったので、こちらに迂回してきたというのが実情。

八王子駅から徒歩数分。当店隣が「スナック夢幻」、対面が「飲んで歌える店みっちゃん」だったりする、ちょいと曰くありげなふとした路地にふっと佇む味わい深きファサード。店内はいい具合に枯れた昭和の雰囲気。とはいえ、厨房は尋常ではないほど磨き上げられており、削りこまれたカウンターの一枚板も一点の染みなく美しい。厨房の男性二人の調理衣はきちんと洗い上げられており真白、職人としての矜持。お給仕されるご婦人方のユニフォームもおそろいでこちらも清潔。入口脇の壁には、ちょいと懐かしめのジャイアンツ選手のサイン入りポートレートが飾られていたりして、家族経営独特のアットホームな雰囲気を醸している。それでいてほどよく凛としており、ある意味理想的ダイニング空間。

ランチのかつ定食にも食指が動くが、ここは少々奮発して定番のロースかつ定食を。

ややあって供されたロースかつ。かなりの厚みとボリュームで美しい意匠。衣はかなり色濃いタイプ。おそらく糖度の高いパン粉を揚げているのだろう。大井町丸八さんの衣を薄く仕上げたような感じと言えば分かり易いだろうか。油切れよろしくきちんと衣に薫りと味わいがあって美味しい。揚げ具合は肉自体のジューシーさを残しつつ赤身部分の美味さをきちんと味わえるもので悪くない。他レビューを拝読して「揚げすぎ」といったご意見も散見されたのだが、少なくとも今回頂いたロースかつは適宜な揚げ具合。白飯、香の物、千切りキャベツ、味噌汁、どれも抜かりなくきちんと美味しい。皿の端に添えられた櫛切り檸檬のエッジの立ち方を見れば、当店の調理レヴェルの高さがうかがえる。

以上お勘定、税込み2,200円はお値打ち感あり。

最近いただいたとんかつの中でかなり上位ランクのお店。時間がゆっくり過ぎてゆくような雰囲気に癒し効果あり。再訪必至の良店。