愛知県随一の人気店で提供される洗練を極められた清湯つけ麺。 : Menya Sakura

2024年3月31日（日）

昨日は名古屋在住のラ女子と合流して久々にこちらの店を訪問です。

先ずは私のみで9時35分に到着し、12時30分の枠に2名分記名しました。

そして、定刻に再び戻ると12時47分に名前を呼ばれたものの、券売機からは目当てである「たまりラーメン」のボタンが外されていました（汗）

仕方なく私は「牛タンつけ麺1玉」を選び、彼女は「牛タン香露1玉」の食券を購入しました。

そして、指定された席に着いて食券を渡すと、待つ事10分ほどで待望のつけ麺が到着です。

中細平打ち麺は冷水で締められていて、上には牛タン、味玉、メンマ、カイワレ、海苔、ライム、刻んだ紫蘇や茗荷が盛り付けられています。

一方、スープは醤油の色味を濃いめに帯びていて、尚且つ一面には刻みネギや微塵切りの玉ネギに加え多量の白胡麻や黒胡麻が浮いています。

また、麺やスープの器が配置された傍らには割スープが注ぎ込まれた徳利が添えられています。

先ずは麺を食べてみると、多加水寄りの平打ち麺が適度な硬さに茹でられていて、モッチリとしたコシと共に瑞々しい小麦の風味を感じます。

次にスープを飲んでみると、仄かに甘辛酸が施された醤油ダレの風味と共に、クリアでいてキレを保たれた出汁の旨味が口の中に広がります。

出汁は恐らくラーメンと同様に魚介や乾物主体と思われるものの、自ら味わう限りではラーメンに比べタレが圧倒的に支配的である印象です。

また、香味油もラーメンと同じく牛脂が軸であり、魚介主体の出汁に対し独特なコクを与えています。

そして、麺をスープに漬けつつ食べてはみたものの、初めはスープの過剰な熱に遮られて小麦の甘味が些か舌に伝わり難い印象が否めません。

とは言え、食べ進めるに連れてスープの温度が下がると共に、醤油のシャープなキレが重なる事で小麦の輪郭が次第と舌に浮かび上がります。

また、胡麻が時折絡み付く事で味わいに香ばしさが増すと共に、紫蘇や茗荷を麺に絡めつつ食べる事で味わいに飛躍的な清涼感が生まれます。

一方、牛タンはザクリとした食感を保っていて、尚且つ味付けは塩味で極軽めに施されている事から素材の旨味が舌に素直に映し出されます。

そして、終盤に麺にライムを絞りつつ食べてみると、柑橘の自然な酸味が加わる事で醤油に牽引されがちな味わいに爽快なキレが生まれます。

次に割スープを飲んでみると、魚介や乾物主体のベーススープに対し塩味が控えめに施されています。

麺を食べ終えてから割スープで薄めたスープを飲んでみると、醤油感が収まると共に魚介の風味が加わる事で味わいに一段と厚みが増します。

食べ終えた感想ですが、研き上げられた清湯つけ麺である反面、私の基準では完璧とも言えるラーメンに対し些か落差が否めない一杯でした。

こちらの出汁にズハ抜けたクオリティを感じた私個人的には、タレが強めなつけ麺だと出汁感が薄まる事から落差を感じるのだと思われます。

改めて訪れる機会があれば、次回こそは出汁感が存分に堪能出来そうな「塩さくらラーメン」を是非試してみたいと思います。

ご馳走さまでした。

2023年7月21日（金）

昨日は出張ついでに半田まで足を伸ばしてこちらの店を訪問です。

約3年半前に訪れて以来2度目の訪問となりますが、以前に食べた「牛タン香露」の筆舌し難い味わいが未だ脳裏に強く焼き付いています。

先ずは記帳すべく7時06分に到着すると、店の前に待ち客は誰も見当たらない状況です。

8時半頃に入口が開くと同時に記名を済ませ、店側の指示通り10時55分に再び店に戻りました。

すると、開店と共に名前が呼ばれ、先ずは「特製醤油さくらラーメン1玉」の食券を購入しました。

そして、食券を渡してから指定された席に着くと、待つ事5分ほどで待望のラーメンが到着です。

醤油の色味を強めに帯びたスープには分厚い油膜が浮いていて、中太麺の上にチャーシュー、味玉、メンマ、微塵切りの紫玉ネギ、小松菜、玉子焼き、海苔が乗っています。

先ずはスープを飲んでみると、適度でいて豊潤な醤油の風味と共に、キレを帯びつつも奥行きに満ちた出汁の旨味が口の中に広がります。

出汁は煮干し主体の乾物魚介に昆布や椎茸と思われますが、魚介の風味が際立ちながらも他の素材が味わいに厚みを与えている印象です。

また、煮干し感が鮮明に効いている割には苦味やエグ味は皆無であり、まるで高級な和食の出汁と見紛うほどの洗練極まる仕上がりです。

そして、奥底からは朧気に更なる素材の気配を感じるものの、混然と調和している事から素性を明確に判別する事は到底困難な状況です。

一方、スープからは微かに動物特有の後味を感じるものの、飲み続けるに従い弱まる事を考えると油から来る後味であると推測されます。

尚、香味油は間違いなく牛脂がベースであり、味見するまでもなく提供された際に漂う香りから分かるほど明確な存在感を放っています（笑）

また、飲み始めた際は仄かな酸味を感じたものの、飲み続けるに連れて酸味が消え去ると共に柔らかな甘味が次第と支配を増す印象です。

明らかに加糖で施された甘味ではあるものの、砂糖や味醂で加えた様な雑味を伴わず天然素材で与えたかの如く極自然に介在しています。

次に麺を食べてみると、肌粗れ気味な中太麺が適度な硬さに茹でられていて、モチモチとした弾力と共に驚異的な小麦の風味を感じます。

これほどコシと風味を高い水準で兼ね備えた麺は名店が軒を連ねる関東ですら滅多にお目に掛かれません（汗）

そして、麺にはスープと共に油分が存分に絡み込み、噛み締めるとそれらが混然一体と化す事で味わいに豊潤な膨らみが生み出されます。

尚、時間が経つに連れてスープが馴染むと共に粘りが増す事から、加水率はコシの強さから想像するほど決して高くはない様に感じます。

次にチャーシューを食べてみると、3種の煮豚は何れも厚めに切られていて、一方でローストされた皮付き鶏腿肉は塊状に切られています。

因みに、店側から受けた説明によると、3種の豚チャーシューは豚腿肉、豚肩ロース、豚バラ肉との事です。

豚腿肉は赤身が若干パサ付き気味ではあるものの、味付けが軽微に留められている事から肉質の旨味が舌に至って素直に映し出されます。

また、他の2種に関しては豚腿肉より若干強めに味付されていて、特に豚バラ肉の脂身から伝わるコクや甘味は特筆に値するレベルです。

一方、鶏腿肉はジューシーに仕上げられていて、噛み締めると跳ね返す様な弾力と共に肉質の旨味や肉汁のコクが舌に存分に伝わります。

次に味玉を食べてみると、黄身は絶妙な固まり具合であり、尚且つ下味が極軽めである事から上質な黄身の旨味が舌に素直に伝わります。

尚、玉子焼きはシラスやネギと共に焼き上げられてはいるものの、私個人的には特筆する点が見当たらない至極在り来りな味わいでした。

食べ終えた感想ですが、私の中では愛知県の中でも間違いなく2指に入る極めてハイレベルな味わいでした。

因みに、残りの1指は「麦の空GACHISOBA DOJO」であり、この2軒は全国に範囲を広げても尚私の中では10指に入ると思っています。

改めて訪れる機会があれば、次回は未食である「塩さくらラーメン」を是非試してみたいと思います。

ご馳走さまでした。

昨夜は名古屋に宿泊した為、本日は以前から気になっていたこちらの店を初訪問。

開店30分前に到着すると、店の前では既に19名の先客が寒空の下で入店待ちの状況です。

外で並んでいる間にメニューを見てみると、「牛タン香露」が見た目にも美しく非常に気になります！

極寒の中で待つ事1時間50分ほどで漸く店内に案内され、先ずは「牛タン香露」の食券を購入して店員さんに渡します。

そして、カウンター席に着いて待つ事5分ほどでラーメンが到着したのですが、何と出て来たのは冷やしラーメンでした！

極寒の中で2時間近くも待たされた挙句に、まさかの冷やしラーメンです（涙）

せめてメニューには暖かいか冷たいかぐらいは書いておいて欲しいものです（怒）

底浅な器には濃い醤油色のスープが張られていて、そこに水で絞めた稲庭うどんの様な平打ち中太麺が美しく盛り付けてあります。

そして、麺の上には牛タン、メンマ、半身の味玉、薬味野菜、海苔が乗っていて、白胡麻と黒胡麻が色鮮やかに添えられています。

因みに薬味野菜の中身は、紫玉ネギと茗荷のスライス、刻みシソ、カイワレ、生姜の細切りと何れもクセの強い薬味ばかりです（汗）

底浅な器の為にレンゲでスープが飲めないので、先ずスープに浸っていない麺から食べてみると、加水率がやや低めの平打ち麺が若干柔らかめに茹でられています。

麺肌の滑らかさや適度にコシのある歯応えからは熟成の痕跡が伺えますが、一方でフレッシュな小麦粉の風味も兼ね備えていて、実に秀逸な仕上がりだと思います。

そして、いよいよ麺にスープを絡めて食べてみると、醤油の濃密な旨味と味醂の穏やかな甘味に魚介系出汁の風味が絡み合った和風の味わいが口の中に広がります。

見た目の色の濃さに反して醤油の酸味や塩分の角は一切感じられず、蕎麦ツユのカエシを一段と円やかにしつつも、醤油の旨味を前面に押し出した様な味わいです。

そして、出汁は魚介節と昆布を主体とした魚介系だと思われますが、上に浮いたラードベースの香味油が魚介系出汁の風味にほど良い動物系のコクを与えています。

続いて薬味野菜と一緒に食べてみると、クセの強い薬味同士がぶつかり合うかと思いきや、各々の風味が見事に調和する事で清涼感に満ちた味わいを生み出します。

次にラーメンでは滅多にお目に掛かれない牛タンを食べてみると、低温調理でレア気味に仕上げられた牛タンがやや厚手にスライスされています。

噛み締めると柔らかいのにほど良く弾力が残されていて、塩味による極僅かな味付けに抑えている為に、牛タン本来の素直な旨味が舌にダイレクトに伝わります。

そして、麺と具材を食べ終えた後に器から直接スープを飲んでみると、蕎麦ツユに近い味わいながらも凡ゆる雑味が徹底的に除かれていて、実に洗練された味わいです。

食べ終えた感想ですが、変化球のメニューでありながらも味が徹底的に磨き上げられていて、非の打ち所のない美味しいラーメンだったと思います。

ただ残念ながらラーメンの美味しさ以上に、雪が降りそうな極寒の中での2時間待ちの辛さの方が僅かながら上回りました。

再訪するにしても、気候の良い季節に限定されそうです（汗）

ご馳走さまでした。