秋田仕事ツアー（クライアントと一献） : Taura

　二日目の夜

　秋田の二日目の夜は、昼に弊社が提供した催しがあり、クライアントと夕刻まで一緒に居た．１７時半に終了、片付けをして１８時には、クライアントのボスから「もう出ようよ！」と声掛けられ、僕と肥後の後輩の三人で、会場だった駅前のホテルを後にして、夜の宴を行う場所へ車で移動．旭川沿いの川反通り、レンガ館通りから更に２筋西に行った所に、味処たうらと言う居酒屋っぽい割烹・小料理店に初訪問．クライアントのボスは味処たうらが常連で、颯爽と店内へ入り我々を案内してくれた．ママさんと料理人のマスターの２人だけ．入って左側に板場があり、それを囲む様にカウンターが６～７席．４人掛けテーブル席も４組程と奥に小上がりの座敷６人席が２組と総勢３５名程入れる店．味処たうらは結構大きいお店だ．

　小上がりの６人が座れる御座敷を３人で占領し、瓶麦酒を２本注文し口を潤す．外は凄く寒いし冷えた麦酒を呑干すと言ういより、熱燗で温まりたい気分．待ってましたと早速刺身がやって来た．鮪中トロ・烏賊・茹で蛸・生蛸吸盤・勘八・鰯と秋田名物の魚ではない．新鮮な海の幸を頂くも、寒いので刺身も進みが遅い．特別好きだったのは生蛸吸盤で、噛む事にアミノ酸が口に拡がるし舌触りも好き．勘八は脂が良く乗っていて旨い．日本酒の熱燗に変更しようとクライアントが冷蔵庫から春霞の純米吟醸を引っ張り出して頂く．茶碗蒸しならぬ丼蒸しがやって来た．それにしても大きい．大きい杓文字でムシャムシャ食べる様な大きさで、プリンプリンして鶏の出汁が旨い．熱燗のお銚子が錫で作られており、なかなか冷め難く口の先まで熱くて持ち辛い程熱伝導が高い．

　続々と料理がやって来る．土鍋に秋田の幸がふんだんに入った充実のきりたんぽ鍋．舞茸・芹・牛蒡に比内鶏ときりたんぽがしっかり入った比内鶏出汁もひと煮立ちしている．舞茸の下にきりたんぽが潜んでおり、煮過ぎてきりたんぽが煮崩れする前に頂こうと．舞茸も芹も火が通っている程度で良いので、それぞれの素材の味がしっかり味わえる．芹はシャキシャキ感、きりたんぽのモチモチした米のイイ香りがする．鍋は日本酒に良く合う．体がホッコリして暑くなって来たので、冷酒に変えてチェイサーを貰う．我侭な行動だ．

　箸休めに山芋の千切りにとんぶりが乗っているのとナメコの醤油漬け．とんぶりは畑のキャビアと言うけど、山芋のサクサクと、とんぶりのプチプチする食感がたまらなく気持ちイイ．軽くサッと醤油振ると旨い．ナメコも笠が大きくトロトロの口当たりが心地良い．酒をゆきの美人の純米酒に変更．口当たり良く冷で呑んでいるので爽快感あり．これはイイ感じの酒．料理は続く．蛸の掻揚がどーん！と直径３０㎝の皿イッパイに乗っかり、４cm程の厚みのキングサイズ．箸でサクサク感の中に蛸のプルプルした食感が混じり、旨いのだが何となく満腹度がだいぶ上がって来たし、イイ感じで酔いもやって来た．

　最後に名物ブリコたっぷりの鰰の煮浸け．結構焼で食べる方が多いのだが、煮浸けもしょっつるで薄口で火が通っている感じで身がツルツルして旨い．もう食べられませんと言う程で、掻揚や鍋が全部食べ切れなかったが、秋田名物しっかり味わって秋田の酒もしっかり頂き大変マンゾクでした．クライアントと味処たうらのママさんがいろいろ考えてくれて良かったです．味処たうらのマスターの料理は最高でした．また伺いたい店でした．ごちそうさまでした．<キングノブ>