昼の泰平
山の神は昼のランチを食べてみたいと言っています。
福井行はいつもタイトスケジュールなので、漸く最後の日に行ってみました。
11:30開店ですが、少し前から続々と人が入っていきます。
着席して、私はアンコウのから揚げ、山の神はレンコンの揚げ出しを刺身付きで注文しました。
夜と同じで、相変わらず美味しいのですが、どうも修行中の若い人の修行の場みたいな感じです。
それと、値段相応の材料で十分美味しく出来上がっています。
昨晩のおでんのひどさと比べると、おしんこ一つとっても上手に漬かっています。
繰り返しますが、この店は居酒屋としては一等地抜けています。
地元民は十分わかっているらしく、昼からかまびすしい声が響き渡っています。
やっぱり、福井の居酒屋はここでしょ。
山の神 賛 転居するなら、福井でしょ
福井再び ミシュラン掲載店
昨年末に福井を訪れたにもかかわらず、山の神はうわ言のように「伝心」がまた飲みた~い、「泰平」にまた行きた~いと咆哮しています。
確かに「泰平」の手書きのメニューには食べてみたかった品々が多々ありましたので、この雪で車は無理と判断して、電車で行ってみました。
今回は料理を俯瞰して書くことはやめて、ピンポイントで書いてみました。
真鴨の治部煮:鴨といえば圧倒的にアヒルと野生の鴨の交配種の合鴨が流通していて、日本では岩手鴨、京鴨などが有名だが、北海道や青森など各地で飼育されている。
もちろん、交配種の先進国のフランスなどのシャランの鴨とかルーアンの鴨などいろいろと出回っている。
しかし、私は願うことなら、青首の鴨(真鴨)が食べたいのである。
その肉質の弾力のあるうまさ、鴨本来の臭うまさがたまらないのである。
昔は東京でも真鴨鍋を食べさせる店があったが、最近はトンと見かけない。
その真鴨がメニューに出ていた。
加賀地方では冬になると出回るらしく、北陸ならではの一品となった。
ふぐ白子醤油焼き:白子はぽん酢で食べることが多いが、醤油焼きを選んでみた。
まず、醤油は少し焦がすと一段と美味しくなる。
磯辺焼きが良い例で、海苔に包まれた焼餅はえも言えず美味しい。
餅の選択、醤油の選択、海苔の選択が総合して旨さを引き出す。
この店の醤油はかなりの甘口、すなわち甘露醤油だろう。
これが炭で焼かれることにより、白子が一段と美味しくなっている。
灰干しわかめのウニおにぎり:昔はよく見かけたが、今はほとんど見なくなった食べ物に灰干しがある。
このわけは良質な草木灰が減少して作り手が少なくなってきたこと、さらに追い打ちをかけたのが灰の中のダイオキシンによる規制らしい。
灰干しは周りを海で囲まれた日本独自の伝統技術で海産物をより美味しいする方法だ。
昔のサンマの干物は今より美味しかった。
福井県にはまだこの灰干しがささやかに残っているらしく、おにぎりを灰干しわかめで握ったウニおにぎりは絶品だった。
おにぎり一つの値段は2.000円といささかびっくりするが、この店のお客はその価値を十分理解して注文しているようだ。
器使い:前回もこの店の器を褒めたが、今回も褒めてみたい。
やはり、寒い冬は陶器の器がいい。
写真の黄瀬戸のしっとりとしてさりげなくさらにはぐっとくるものがある。
治部煮の器の蒔絵は使い古された落ち着きは素晴らしい。
他にも織部が良く出てくるが、冬にもよく映える器のような気がする。
そんなわけで、福井は金沢に引けを取らない美味しさでした。
ピンの居酒屋
年寄りなので、昔話が多いのはご勘弁願う。
以前は、裏日本の県庁所在地には必ずと言っていいほど名料亭や居酒屋が存在したものだ。
しかし、食文化の変遷に伴ってか、フレンチやイタリアンの高級店ができ、その分日本料理の名店は一つまた一つと消えていった。
人口の過疎化も拍車をかけているかもしれない。
なにしろ、お客が少なくなれば立ちいかなくなるのは必然だ。
居酒屋自身もB級化して、安価ではあるが素材がかなり悪くなっている。
そんなご時世でも、この福井市に生き残っているA級居酒屋がこの店といって間違いない。
夜は予約がないとかなり入店は難しそうだ。
身の回りにある安価な素材はその質の違いを、高価なものはそのピンを、希少な素材もそろえて、手抜きのない調理法で出してくる。
付きだしの春菊の白和えは春菊がかなり香り、選別眼を褒めたい。
もずくは沖縄ではなく、日本海の太いもので、三杯酢も決まっている
ぶりの刺身が素晴らしい。
具体的にはぶりなので脂がのっているのはよくみかけるが、どうしても血の匂いが纏いつくことは圧倒的に多い。
この刺身にはそれがなく、抜けている。
わざわざ、女将さんが本日はメニューより高価格なのは了承してほしいと言ってきたが、食べて当然だと思った。
蓮根饅頭は出汁の良さと相まって美味しい。
天然ウナギはいくらか泥臭いのはやむえないことかもしれない。
養殖より皮目が厚く、身質もしっかりしているが、うまいかといえば、それほどでもない印象だった。
クジラのコロといい、希少なものを常設メニューに組み入れているのは感心する。
アマダイの蕪蒸しは、いいアマダイなのでいうことはない。
湯葉のあんかけは普通に美味しい。
ふろふき大根は衣をつけて揚げたのちに味噌を添えて出すという手間のかけ方が嬉しい。
おろしそばは〆にはうってつけで、おにぎりや雑炊といった候補もなかなか捨てがたいものがあったが、蕎麦を選んだ。
蕎麦自身は驚くほどのものではなかったが、かかっている出汁は良くできている。
この店は器使いが面白く、古い磁器を金継ぎして使っている。
かなりの磁器が古くてセンスの良いものだ。
そして金継ぎの出来がいい。
トイレの香炉にも江戸明治の物と思しき焼き物が使われていた。
次回の福井蕎麦巡りの夜はこの店になるだろう。
店名 |
Shummi Taihei(Shummi Taihei)
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類型 | 日本料理、海鮮 |
預約・查詢 |
0776-25-4686 |
可供預訂 |
可以預訂 |
地址 |
福井県福井市中央3丁目14-11 |
交通方式 |
JR福井駅西口より徒歩10分 距离福井城址大名町 259 米 |
營業時間 |
營業時間和假日可能會發生變化,因此請在用餐前諮詢餐廳。 |
預算(評價匯總) |
¥10,000~¥14,999¥1,000~¥1,999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 可使用電子錢 |
座位數 |
35 Seats ( カウンター10席、テーブル6席、座敷15席、個室2室) |
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個人包廂 |
可能的 可容納4人、可容納8人 2室。一番店の奥に茶室で、とても趣がある。頭をぶつけないような注意は必要。 |
包場 |
可能的 |
禁煙・吸煙 |
可全面吸煙 有關被動吸煙對策的法律(修訂健康促進法)自 2020 年 4 月 1 日起施行,可能與最新資訊有所不同,請在光臨餐廳前確認。 |
停車場 |
可能的 店の横に4台・斜め向かいにコインパーキング有 |
空間、設備 |
平靜的空間,有吧檯座位,有日式包廂 |
酒水 |
有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒,對日本酒講究,對燒酒講究 |
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料理 |
對魚類料理講究 |
此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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位置 |
家庭式餐廳 |
備註 |
PayPay使用可。 |
始めは蕎麦のための福井行だったが、この店の美味しさを発見してからは秋から冬になると泰平が呼んでいると山の神のご宣託が下されます。
今回の発見は今まで食べた茶わん蒸しの中で、ここが一番ということで、意見が一致しました。
すなわち、出汁が美味しいということです。
凡庸と思われるかもしれませんが、美味を食べ歩いている末に辿り着いたことです。
これではあまり面白くないので、一般的な記述から始めます。
氷見ぶり:わかしやいなだはそれほどでもないが、ぶりになると脂がのって一段と美味しくなります。秋から冬にかけては北陸の美味です。臭みがなく、ねっとりした脂身が美味しかった。
てっさ:北陸のフグはかなり美味しいと山の神は力説していますが、確かに弾力感があり、美味でした。
香箱蟹:昔はよく食べていましたが、ひさしぶりに注文してみました。
子供の頃と同じ味わいでした。
この蟹は卵を食べることが主眼で、身は二の次といったことを思い出しました。
翌日、ミシュラン掲載店で食べたそれは、ボーとしたもので、泰平と比べるとランクがかなり落ちる感じがしました。
ちなみに、最近はこんな香箱にもタグをつけて、差別化を図るらしく、上物のあかしを出していることを強調しているようでした。
ゆり根、かなり鮮度の高い白子、からすみも良くできています。
かきぞうすいは茶わん蒸し同様に出汁が良くできているようで、ひどく美味しい。
この店は普通の居酒屋感覚で入るとひどくCPが悪く感じます。
おにぎり一つ2000円以上するし、今の季節の越前蟹に至ってはかなりの金額です。
それにも関わらず、地元のひとでにぎわっていて、私も手放しで推薦できるお店の一つです。