志村けんの、ひとみばあさんみたい?
小倉駅前『コレット井筒屋』閉店からすぐ、同地に行くことになり、昼食はもしかすると無くなるかもしれない店に行こうという気持ちになりました。
そこで真っ先に憶い出したのが、焼きうどん発祥というのは知りながらも、あまりのネットの事前情報に二の足を踏んでいた同店です。
その情報は他のレビュアーさんの投稿を見てもらうとして、それ以外としては、ローカルTVの『福岡人志』で、あのダウンタウン『松本人志』さんにも一歩も引かぬ我を貫き通す、同店のおばあちゃん店主のある種の凄みに、妙に圧倒されたからでもあります。
そのおばあちゃん店主(以降、おばあちゃん)、実は前にも見かけたことがあり、同じ鳥町食道街にあるラーメン屋『まるいち』さんに並んでいたとき(レビュー済み)えらく腰の曲がったおばあちゃんが来たと思ったら、徐に同店の鍵を開け始めたので、
〝はあ〜ん、この人が『だるま堂』のおばあちゃんかあ。それにしても腰が曲がってんなあ。それに、よくこんなんで店やってんなあ〟
などとしか思いませんでした。
いや、同時に、誠に失礼ながら、
〝なんか、いつお迎えが来ても不思議じゃない感じだなあ〟
などとも思っちゃいました(この罰当たりが!)
ですから、上記のコレット閉店が呼び水となり、事前情報から味は二の次として、焼きうどん発祥の店なんだから雰囲気だけでも愉しでみようと行ってみた次第です。
焼きうどん発祥の件については、同店に置いてあった記事の写真をスワイプして頂きたいですが、おばあちゃんの御歳について、他のレビュアーさんの投稿に昭和12年生まれとあり、だとしたら1937年生まれ、現在81〜82歳となり、かなり眉ツバだと思います。。
どう若く見積もっても5歳は上な感じで、まあ、そのくらいの年齢だと何か超越した存在になるし、おばあちゃんから直に聞いたんなら女性だからサバ読んだのかもしれませんが、だとすると戦後すぐ昭和28年に受け継いだのが16歳となり、いくら昔で若い頃からといっても計算が合いません。
まあ、おばあちゃんは亡き旦那さんの次の2代目だし、となると創業者から受け継いだ旦那さんと結婚されたのがもっと後だと考えると納得もいきますが、それにしても見た目は誰が見ても90歳近い感じです(ってまあ、本当に御歳なら誠に申し訳ございませんが)
お店の場所は、ご存知ない方のために鳥町食道街という魚町銀天街から一本入った通りの端っこら辺にあります。
わからない場合は歩いてる人に聞いてみてください。
知らない人は北九州市民ではないので先に断るでしょう。。。
ワタシが伺ったのは平日の13時ぐらいでしたが、恐る恐る引き戸を開けると予想通りおばあちゃん一人、もちろん「いらっしゃい」などなく、ワタシが
「こんにちは、いいですか?」
などと挨拶する始末。
「あい」
と、ぶっきら棒に応えたおばあちゃんは、何気に水を注いだコップをワタシに差し出し、一言。
「何する?」
「ああっ、天まどください」
天まどとは、普通の焼きうどんに玉子焼きが乗った、同地ならではの俗称。
これにしたのは、入る前に財布を見ると小銭が10円玉しかなく、となると、同メニューだと510円で1010円出すと500円玉一枚の釣り銭でよく、デフォの焼きうどん460円だと550円になるし、やや計算も面倒だからです。
「あい〜っ?」
ところが、どうやらおばあちゃんには注文が聞こえてなかったようなので、
「あっ、天まどです」
と、あまり大きすぎても失礼にあたるので、やや大きめに再度言いました。
「あい」
するとおばあちゃん、聞こえたのか、徐に鉄板に油をしき、うどんを投入、次にキャベツや野菜もと、色々と素手のまま持ち、まさしく投げ入れるように焼きはじめました。
〝動きはゆっくりなんだけど、投げるときだけ早いんだよなあ〟
なんて思いながら見てましたが、残念ながら座っているワタシからは手元が見えず、どうやら肝心の天まどの玉子が何故か出てこない。。
「あい」
そして供された焼きうどんは、写真のようにどこからどう見ても玉子なんて入ってない。。。
箸で麺を持ち上げてみても、どこにも玉子の形跡はない。。
「すいません、これ天まどじゃ?」
そう聞くや否や、おばあちゃんは
「あんっ、天まどにすんのォ〜?」
と、やや怪訝そうに訊いてきました。
〝だから二回も言ったじゃねえか〟
そう心の中では指を立てたものの、別にどっちでもいいので、
「あっ、はい。って、別にこのま、」
などと言いかけたワタシの目の前に、おばあちゃんの手があり、どうもお皿ごと返せと無言のアピール。。。
「あっ、はい」
そんなおばあちゃんに皿ごと渡すと、またもや出来上がった焼きうどんを、いったん鉄板に投げ入れて焼き直し、今度はちゃんと玉子を投入。。
面白かったのは、戻した皿は替えてくれ、新しい皿で供され、そこはきちんとしてるんですけど、写真をスワイプしてもらったら一目瞭然ですが、皿の縁についたソースを拭き取っても跡がくっきり残っており、しかも拭き取る布巾も遠目でソース汚れが目立つので
〝だったら拭き取らない方がマシ〟
って思っちゃったことです。
つまり、おばあちゃんなりのサービスはしてるんですけど、耳だけじゃなく目も悪いので、残念ながら結果に結びついてないんです。。。
以上のことや、写真からもわかるように味の方は『推して知るべし』です。
ですから、心底、雰囲気を愉しめる方以外は避けといた方が無難でしょう。
もちろん観光客など、よほどドMの方ならいざ知らずって感じです。。
上記のような、まるで『志村けん』さんの『ひとみばあさん』のコントみたいな、そんな現実をも笑って過ごせる人じゃないとなかなか難しい、場合によってはブチ切れると思います。。。
ちなみに、その『ひとみばあさん』のコントって、『志村けん』さんがよく
「あんだって?(なんだって?)』
と言う例のおばあちゃんで、なんだかそっくりなような、ぜんぜん似てないような、その判断は恐れを知らぬならご自身でつけてください。
ですから評価も、本来は付けたくないほど、付けるとしたら最低の0か逆に最高の5とかになりますが、上げたくも下げたくもないので、当たり障りのない3にしますから、あしからず。。
最後に、おかしかった憶い出として、前述した会計が510円で1010円出し、
計算も怪しかったら困るので、予め、
「お釣りは500円ほど、」
と言おうとするやいなや、間髪いれず500円の釣り銭を渡されたことです。
〝半分ボケてるように見えて金の計算だきゃ早いんだなあ。このばあさん、なかなかの食わせ者だなあ〟
そう思わせるほど、その動きはその日一番早かったです。
「ありがと」
ですが、お店を後にする際にそう軽く挨拶され、当たり前なのに、なんだか驚くと共に少し感激しちゃいました。
● 個人的 食べログ 評価点・・・3.0
店名 |
掲載保留Daruma dou(Daruma dou)
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類型 | 烏龍麵、郷土料理 |
地址 |
福岡県北九州市小倉北区魚町1-4-17 鳥町食道街 |
交通方式 |
JR・モノレール小倉駅より徒歩5分 距离平和通 161 米 |
營業時間 |
營業時間和假日可能會發生變化,因此請在用餐前諮詢餐廳。 |
預算 |
¥1,000~¥1,999 ~¥999 |
預算(評價匯總) |
~¥999~¥999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 可使用電子錢 (Suica等交通系電子貨幣、iD、QUICPay) 可使用二维码支付 (PayPay、d付款、樂天支付、au PAY) |
服務費收費 |
チャージ料なし |
個人包廂 |
不可能 |
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包場 |
不可能 |
禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 |
停車場 |
不可能 |
空間、設備 |
有吧檯座位 |
酒水 |
有日本清酒,有燒酒 |
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此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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關於兒童 |
接待兒童 |
備註 |
門司港地ビール『サクラビール』も飲めます。 |
2019年12月、同店『だるま堂』さんの前の女性ご主人『坂田チヨノ』さんが亡くなられたと、なんと西日本新聞のネット・ニュースで知りました。
ローカルとはいえ、イチ店舗の店主の逝去が新聞記事になるってのもスゴい話ですが、それだけ同店『だるま堂』さんがイコール北九州市の焼うどんの歴史と重なるからなんでしょう。
なんたって『焼うどん発祥の店』ですし、って、そう名乗る店は日本各地にあるものの、同店がある限り表立っては威張れないでしょうからね。
そんな『坂田チヨノ』さんがご生存中の、同.食べログ最後のレビューを不肖ワタシが彩る事となり、ましてや相も変わらぬ書きたい放題で、事もあろうに女性に対して歳云々の怪しさまで、いま憶うと、亡くなられたとはいえ、申し訳ない限り。
とはいえ、やはり亡くなられた年でもあったから、書きましたように『志村けん』さん演ずる『ひとみばあさん』よろしくコントみたいな一挙手一投足は、未だに強く印象に残っとります。
そんな同店『だるま堂』さん、ご主人の逝去と共に暖簾を畳まれるかと思いきや、旦過にあった『小倉焼うどん研究所』さんが引き継がれたとのこと。
そうなると、行ってみるしかないのは人情でしょう。
〝うわっ! 同じ店じゃないみたい?〟
で、暖簾をくぐるなり、たいへん失礼ながら以前の今にも崩れそうな雰囲気とは打って変わり、なるほどきちんとリノベしてある。
写真のように4席あるカウンター席もちゃんと仕切られてて、前からあったのか定かではありませんが、どうやら2階席もあるみたい。
ただ、以前より、もっとお客さん側は狭くなった印象もあり、カウンター席に座ると、後ろを通る人とちょこっと当たっちゃうほど。
その分、厨房が広くなったような気もしましたが、気のせいかな?
『天窓 小倉焼うどん研究所味 700円』
写真のように元の『だるま堂味』と、受け継いだ同メニューの2種類のフレーバーがあり、あっさりとこってり、使ってる麺も乾麺と生麺なんだそう。
ちなみに王道としての焼うどんは乾麺らしいんですが、個人的には余り気になりません。
乾麺だと粘りやヒキが強く、生麺だと柔らかな食感が愉しめるから、どっちもどっちなような気もするからです。
〝おおっ! カツオ節が踊っとう?〟
で、5〜6分で提供されたのを見て、まずはそんな印象だったものの、いざ口にすると、
〝うむ。モチモチした食感がいいね〟
と、生麺らしさに充分首肯ける。
デフォでソースは控えめ、あくまでも後から好みで調整できる程度に抑えてあります。
そんなソースも2種類、研究所は中濃ぎみ、だるま堂はウスターっぽいって言えるでしょうか?
後は極めて王道っぽい小倉の焼うどんで、特筆すべき点がないほど安定した美味しさ、まあ、そんな伝統を後世に残したいから継がれたのに言うのは心苦しいものの、個人的には、もう少し冒険心が欲しかったのは正直なところでしたね。
といっても、そんな伝統芸の担い手がいらっしゃるのは喜ばしいことだし、これからも火を絶やさないことを強く願ってやみません。
● 個人的 食べログ 評価点・・・3.5