戸畑わらしべハシゴ編(ChapterII：アブ) : Fuku zushi

戸畑区口コミ0件店シリーズ2軒目。わらしべ長者で言えばわらにアブを括りつけた段階。アブアブアブゥ～！(腹筋)と「マスヤ酒店」から目当ての当店へ。しかし、わらにアブを括るなんて器用やな。

さてここは以前北九州寿司シリーズのときに目を付けており、かねて訪問したかったのだが、2度行って2度とも満席で断念していた。予約せぇっちゅう話なんだが僕の仕事の都合上、確実に行ける時間が分かるのは店の営業開始後で電話し辛い、ということもあるし、入れないなら入れないで、戸畑には他にも行きたい店もあるのであくまで自然な成り行きに任せていた。

この日もダメなら別の口コミ0件店にでもと思っていたが幸いなことにがら空き。おそらくは近日増えている福岡県の新型コロナ患者数の影響と思われるが、福岡市に比べりゃ北九州市は患者数は少ないし、ましてや戸畑区はではほとんど聞かない。なら小倉から来るなよと言われそうだが、僕なんかは1人酒＋このご時世「黙食」を貫いている者であるからから許していただきたい。

と、いつものように前置きが長くなったが、当店ツマミなどはなかなか良い。フグ皮は、おそらく橙あたりをポン酢の上からさらに絞っていると思われ柑橘がシャープだし、トコブシも下手なアワビサイズ。個人的には残念ながら味付けは甘目だが、これはもう北九州の宿命だからしょうがない。北九州の人だって、関西に来てきつねうどんを食べたらたぶん「甘すぎる！やはりゴボ天うどんじゃないと」と言うかも知れないし。

その後は寿し、それも当店最高値の盛りである「福」にしたが種はかなり上々。鮮度も良いし旨味もあり、そこそこの熟成はさせてありそうだが生臭みもなくモチモチ感が寿司種としてはかなり良質の部類。

ただ、惜しいむらくは種と比べてワサビの香りが凡庸。くら寿司の種であれば「ちょうど良い」効き具合かもしれないが、このクオリティの種ならもっと少量でも構わないので良いワサビを用いて欲しかった。

あとは酢飯も、味は甘味があって西日本らしく白身に合う味だが、握りが種によって相当にばらつきがあり、中にはおにぎりか？と思う大判の丸まった握りもあり。もしこれが、種によって最良と思われる酢飯の形を究極に極めた結果ならシャッポを脱ぐが、とてもそうは思えない、ただのバラつきに感じてしまって、これも残念だった。

店内には「穴子推し」のポップが目立ち最高かその前あたりに出るだろうと期待していたら、まさかのオクラでの締め。芽ネギで締める店は増えてきたがオクラだとサッパリ感が足りないなぁと、たまらず穴子を注文。

なるほど推すだけあってツメは絶品。柔らかく煮られてはいたがパサツキも感じ、あそこまで押されてハードル上げられると、タッチの差で飛び越えられなかった印象。普通に盛りの終盤で出してくれたら好印象だったかも知れないが。

しかしながら、店内は清潔感あり、大将も礼儀正しい。戸畑で寿司なら大将がくだけた「玉寿司」とか、高級路線を極めた「照寿司」、僕にとってのまだ見ぬ強豪「丸喜寿司」なんかもあるが、大衆感ありちゃんと種の存在感も覚える当店はポテンシャルは感じる。

さしみなどのツマミ中心に頼めば、もっと飲食が良かったはず。次回以降も戸畑で寿司を食べたくなれば、間違いなくこの店は候補に上がるだろうなぁ。

こういう予備知識なしで飛び込み良店に当たったときは、「まだまた口コミ0件撲滅委員」の座は譲れんなぁと思う次第．いや、席に限りはなくて、誰でも参加できる委員会なんだけどね。

なお委員長が誰かはさすがの僕も知らない。さ、今日の本命の次は、「食べログでぜひ紹介したかった隠れた名店」に走りますか！アブアブアブゥ！