短冊メニューに願いを込めて : Aji no kushi ten

郡山駅前から縦に伸びる日の出通り、昔は貨物通りとも呼ばれたと「じゅん天」の大女将に教わったこの道。
そこに軒を連ねる渋い酒場のひとつが此処。

〈 串てん 駅前支店 〉

何度目の訪問になるか、もう忘れた。
ホッピーが生とリターナブル瓶の両方楽しめる貴重な存在だったが、2019年1月の時点で瓶は売り切りボトルでの提供に変わったようだ、今までコレクションした写真にその変化が記されている。
お通しは2品以上ついて、お通しを断るお客はお断り、そんなルールが存在する。

あぁ、短冊メニューは色とりどり、七夕の様だ。
よくよく見れば重複した品書きも多いので、見た目程にバラエティに富んでいないのはご愛嬌。

流れる時間、しっぽりひとりで愉しむならば店内左手のカウンター席。
鉄板を囲んで数人で楽しむならば、店の左側から更に奥の深いところまで、テーブル席が10卓程あるだろか。
しかしお好み焼きなど粉物は現時点でメニューから消えてしまった様、鉄板もベニヤ板で塞がれていたのはちょっと残念である。

わたくしのレビューは通常、頼んだお品とその値段をわりと細かく書くが、当店の場合長くなり過ぎる。
今回はサラッと流したい。

区画整理で近い将来楽しめなくなるかもしれないこの風情、整理がなかなか進んでいないのは我々飲兵衛にとってはラッキーなことだ。
だけれど予断は許さない、いま五感で堪能すべき渋い酒場、これは間違いない。

（終）