冬の風物詩「鴨ざるそば」を堪能する
旨い蕎麦がいただきたくて、久しぶりに蕎麦処桔梗を訪ねた。お気に入りの店だというのに、ここしばらくご無沙汰してしまった。1時過ぎに到着すると、食事を終えた5・6人のグループと入れ替わりで入店することができた。店内に四つあるテーブル席はすべて埋まっていて、板張りの小上がりの席に着く。座敷は苦手だが、広々して窮屈さはない。今日は、師走にしては暖かい一日となったが、この季節らしいものにしたくて「鴨ざるそば」をお願いした。
席に着いて間もなく次の来店客があり、再びすべての席が塞がった。この田舎町にあって、平日の午後1時を回っても客足が絶えないほど知られるようになったということらしい。この店を贔屓にするものとしては大変喜ばしいことだ。しばらくして、鴨ざるそばが供される。いつも通りの端正な細切りの蕎麦は、やはりいつも通りしっかりしたコシを保っている。十割でこれだけの蕎麦を打つ技術は他と比肩しても極めて高い水準にあるといってよいだろう。ランチメニューの蕎麦より量がたっぷりあるのも嬉しい。
鴨汁は大振りな陶製椀に入っていた。温かい汁は香りが一層際立つ。甘ったるさはなく蕎麦を引き立てている。合鴨と焼き葱を交互にいただく。合鴨肉は微かにレバーのような風味を感じた。こういう臭味は鴨好きには良いアクセントとして受け止められるのかもしれない。全体的には大変味わい深い鴨汁だ。最後は蕎麦湯で割って、すべて余すことなくいただいた。
今回は普通の十割でいただいたが、鴨汁の強さとのバランスからすれば、限定15食の田舎蕎麦の方がよりマッチングは良いのではないかとも感じる。これで、また次の楽しみができた。次回はご無沙汰することなく伺うとしよう。
2015年10月訪問 現代的な和の空間で蕎麦をいただく
多治見市笠原町はタイルをはじめとする製陶業が盛んな地域で、大小の工場が多数建ち並んでいる。そんな中、モダンデザインの店舗が突然現れた。小さな店で目立つ看板も出していないので、知らなければ、まず通り過ぎてしまうだろう。コンクリート打ちっ放しと木造を組み合わせた現代和風の店構えが非常に洗練されている。商業建築を多数手掛ける名古屋の設計事務所の作品だ。中に入ると店内には余分なものを何も置かず、凜とした雰囲気が演出されている。木造部分は客席になっていた。木材と珪藻土の壁が温かみを感じさせる。侘びさびとやすらぎを融合させた心地よい空間だ。
さて、蕎麦をいただきに来たのだった。今日も、いつもと同じように海老天丼とざる蕎麦のセットをお願いした。先ずは天丼が供される。季節によって、多少天ぷらの種は変わるようだ。海老天の衣が以前と少し違うようだが、これはこれで美味しい。たれの風味、飯の炊き加減は言うことない。次いで、蕎麦をいただく。こちらの蕎麦は石臼挽き自家製粉の蕎麦粉を使用した十割蕎麦だ。細切りだが充分コシがあり、のど越しも良い。香りが弱い気はするが、まもなく新蕎麦が出るこの時期ならやむを得ないだろう。つゆの塩梅は好みだ。最後に蕎麦湯をいただくと、ちょうど良い加減に腹がくちくなる。ささやかな、至福の時だ。
こちらの店主は、多治見の街中に店を構える「井ざわ」で修業をされたそうだ。若い店主だが、充分な技量を備えていらっしゃると思う。こちらを知ってからというもの、井ざわに行くことがめっきり少なくなった。これからも多治見の名店と呼ばれるように、良い蕎麦を打っていただきたい。
■おかげ様で、今回100レビューを迎えることができました。これはまだ、ほんの一里塚にすぎませんが、僅かな間にも皆様からは様々なことを学ばせていただきました。自らの暮らしの記録として始めた投稿を通じて、多くのふれあいが得られたことを感謝し、ここに御礼を申し上げます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。
フレディ父さん
店名 |
Sobadokoro Kikyou
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類型 | 蕎麥麵、天婦羅、日本料理 |
預約・查詢 |
0572-44-3388 |
可供預訂 |
可以預訂 |
地址 |
岐阜県多治見市笠原町上原1647-154 |
交通方式 |
・多治見駅より東濃鉄道バス笠原線「上原」バス停降車徒歩10分 |
營業時間 |
營業時間和假日可能會發生變化,因此請在用餐前諮詢餐廳。 |
預算(評價匯總) |
¥1,000~¥1,999
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付款方式 |
无使用卡 无使用電子錢 |
座位數 |
26 Seats |
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個人包廂 |
可能的 可容納6人 |
包場 |
可能的 可接受20人以下 |
禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 |
停車場 |
可能的 12台 |
空間、設備 |
時尚的空間,平靜的空間 |
此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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位置 |
家庭式餐廳 |
開店日 |
2007.10.25 |
備註 |
蕎麦懐石(3、150円~応談)あり |
毎年11月3日に同好の士4人で集う例会が7回目を迎えました。「酒文化の日」と名付け、その年を受け持つメンバーがそれぞれに思い思いの店をセッティングするのが習わしとなっています。そして今回は、わが街多治見で開催することになりました。店選びにはあれこれ思案しましたが、まずはメンバーからも高く評価されている「そば処 桔梗」からのスタートとします。メンバーと多治見駅で待ち合わせ、開店20分前に到着したら一番乗りでした。
定刻になり、店主に導かれて席に着きます。注文は桔梗コース(2,500円)とし、追加200円で蕎麦の選択は田舎蕎麦に変更しました。蕎麦あられをつまみながら、まずはビールで乾杯。ほどなくして最初のひと口蕎麦が届きます。ほのかに緑色を帯びた芽吹き蕎麦の鮮烈さを堪能していると、その香りも消えないうちに、海老しんじょう、そばがきと続けて提供されました。
ビールのグラスはとっくに空になっていて、先ずはお膝元の三千盛を皮切りに、富山の勝駒、奈良のみむろ杉をいただきました。初めて見る勝駒は高岡の小さな蔵の酒だそうですが、素直な味わいが大いに気に入りました。店主に伺うと、たまたま出会ったこの酒に惚れ込み、醸造元まで出向いて仕入れたということです。
料理は天ぷら盛合せ、追加で頼んだ厚焼き玉子に続いて、いよいよ蕎麦の登場です。この日の蕎麦は幌加内産キタワセ。蕎麦通の同行者が、風味から産地を言い当てたのには驚きました。挽きぐるみ十割の田舎蕎麦ですが、細切りの麺線がきれいに揃い、のど越しがしっかりしているのはさすがです。蕎麦湯をいただいてすっかり満足したので席を立とうとしたら、お店の方から「まだ、デザートがありますよ」と声が掛かりました。
あやうくフライングしそうになるほど充実した一席でした。メンバーにも楽しんでもらえたようで、まずは安心です。こうして7年間、同じ仲間が同じ時を過ごせたのは本当にありがたいことです。新しき令和6年もまた、全員が元気に集うことができるように願っています。