良い種に良い仕事、ここは旨い : Yamaki Zushi

　今日のランチはちょっと贅沢に町屋の山喜鮨へ。前回訪問時は体調が万全ではなく舌がバカになっていたようなのでリベンジです。二年も経っちゃいました。
　訪問は13:20でL.Oギリギリ。店内ではご婦人グループが会食中でした。以前と変わらぬ整った店内。カウンターの一番端に座るとまずは若旦那から「お茶でよろしいですか？」の声。そしてお茶とおしぼり、お品書きがキレイな奥さま？によって運ばれます。ここまでの流れが実に気持ちいい。期待が膨らみます。
　注文はランチから菊1.5(握り1.5人前)1980円。二年前と同じにしてみます。
　若旦那が種ケース(箱)からサクを取り出し切り始めます。冷蔵ではなく常温近くに戻してありました。いやー、本気の寿司だあ。
　特徴的な若旦那の手返しを眺めていると茶碗蒸しと煮きり醤油が来ます。茶碗蒸しの具は鶏肉、カマボコ、銀杏、三つ葉。出汁と玉子の味がメインで塩気はかなり抑え気味。茶碗蒸しはこうあって欲しいと思う出来。
　やがて下駄に載った握りが若旦那から出され一つずつ説明があります。写真で奥の左から中トロ、赤身、カツオ、ワラサ、鯛の昆布締め、中列はホタテ、メトイカ、手前は玉子、海老、イクラ軍艦、干瓢巻き、鉄火巻き。加えて後から別皿で穴子が来ました。
　まずは白身で鯛の昆布締め。ジワーッと旨味があります。シャリの加減(塩、酢)も実に良く種とのバランスは上々です。赤身は熟成されて味が濃い。カツオも旨味の塊。臭みなど全くありません。イカには化粧包丁が入れられ食べやすくありながら適度な歯応えもあります。海老はブリブリ。やっぱり寿司の海老は生じゃなく茹でです。
　中トロやワラサ、イクラ等も文句無く旨かったけど「これはイイ！」と思ったのが干瓢巻き。しっかりしつつくどくない甘い味付けが絶妙です。
　味噌汁はしじみ汁ですっきりと深みのある味。泥臭さは皆無で旨味(コハク酸？)たっぷりです。
　前回は体調不良で今一つ良く分からなかった味ですが今回はばっちり味わえました。結論は「完璧に旨い！」です。良い種に一つ一つ丁寧な仕事。茶碗蒸しや味噌汁はもちろん醤油までこだわった味付け。気持ちいい接客応対。ランチのセットであっても全く手抜きが無く、これで1980円ははっきり言って安いでしょ。
　金沢区内の寿司店は大部分に行った事がありますが取り敢えず現時点では一番ではないかと思います。夜、お酒も含め本気で食べたら「一位確定」になりそうな予感がします。

前回はまさかの定休日。やっと来られました。
キレイな店ですね。カウンターは7席、テーブルが三つ。奥に座敷があるのかな？先客は女性三人組。入ったばかりのようでまだ何も出されていません。
カウンター席に座りランチから菊1.5(人前)1944円を頼みます。同時に計四人の注文が入ったので若旦那？と先代？が手分けして握っています。大部分は若旦那が握り、先代は海老と巻物、軍艦を。
若旦那、なかなか特徴的な握り方(手返し)ですね。
菊1.5は新子、カレイ昆布締め、まぐろ三種、太刀魚炙り、メトイカ、海老、イクラ、かんぴょう巻き、かっぱ巻きに玉子。後から穴子が出ます。
ネタはどれも良かったんですが中でも新子の締め具合、カレイ、太刀魚の旨味、熟成感ある赤黒いまぐろ、海老の甘味はかなりのものです。寿司屋の海老は生じゃないほうが好きなんです。何よりキレイじゃないですか。プリプリしてます。
シャリは塩、酢の加減が控えめですね。今まで食べた店では一番薄味かも。ただ、ネタがわりとさっぱり系なので相性は良いと思います。握りの形もキレイです。特製の醤油も合っています。
茶碗蒸しは蓋を取った瞬間に出汁の香りが立ち上ります。具は鶏肉、銀杏、三つ葉とシンプル。味付けはやや控えめ。出来立てなので熱々。
味噌汁はしじみ。トンカツ屋と違いあまりしじみが主張しないタイプ。貝特有の香りとやんわりとした味噌の加減が美味しいです。
茶碗蒸し、味噌汁ともに若干薄味なんですがメインの寿司よりでしゃばらず、全体で見事なバランスになっています。味の統一感は文句無し。
若旦那、握り終えると太刀魚の仕込みを始めます。ずっと包丁を使いながらも時折話しかけてくれたり、お茶を変えてくれたり。何気にお客を見てますね。ホールの女性(二人)も笑顔で良く気のつく接客です。
正直、金沢区民以外だと分かりにくい場所にあるんですが、この味と接客はオススメ出来ますね。

※基本情報のひるの営業時間が違っていたので修正しました。

この日、帰宅して熱を計ったら38.7℃ありました。薄味に感じたのは自分の舌が麻痺していたのかも知れません。という事で今回のレビューは参考データとします。体調が戻ったらリベンジします。