京都の町屋フレンチレストラン。オールマイティなフランス人シェフの料理への情熱を感じるお店 : Ryoriya Stephan Pantel

京都・町屋の一軒家フレンチレストラン。この日はカウンターに7人。別にロングテーブルにはフランス人などの外国人グループが会食をしていました。

フランス語のにぎやかな会話は騒音ではなく、BGMのよう。まるでフランスに来たような錯覚・・・

シェフのステファン・パンテル氏はかつてニースの最高級ホテル「ネグレスコ」などで修業していたそう。ソースの使い方がまさにフランス人のフレンチです。

京野菜やフルーツを生かした料理。味噌などの和の調味料も多用されています。だからシェフの料理はフレンチと和の融合という風に書かれていることが多いのです。でも私にとっては、ソースを大切にするフランス人の料理に他ならないと思えました。

15000円のディナー

⚫アシアカエビを軽く炙って、柚子のジュースでマリネ。カリフラワーはカラフルな4種。エビの出汁のゼリー。

⚫フォアグラの奈良漬け巻・・・スペシャリテ。フォアグラ好きなら大喜びの一品。

⚫頭芋の温かいスープ・・・真ん中に青魚のゼリー。食べ方がユニーク。

⚫燻製雲子・・・香ばしい。堀川ゴボウとケッパーに焦がしバターをかけて。

⚫北海道のタラ、優しく火入れ・・・京野菜いろいろ。4年熟成カラスミは自家製。

⚫鹿肉のロースト・・・ソースはビネガーを煮詰めて甘くてまろやか。

⚫チョコタルト、大徳寺納豆と塩味アクセント。パッションフルーツのシャーベット。

カウンターに座りましたが、キビキビとした調理風景には惹き込まれます。ただ、シェフは忙し過ぎて、カウンターにいても会話ができないのだけは残念でした。

シェフ、マダム、アシスタントさん。彼らの動きは素早くまるで劇場で演技を見るようで、彼らの呼吸は見事に合っています。1つの料理が終わると、調理台はきれいに片付けられます。その作業は完璧でシステマティックに行われます。

素晴らしいのですが、観客は見るだけで会話ひとつ参加出来ないのが寂しかったというのが感想です。もちろん料理は美味しくて満足なのですが。

シェフのステファンさんはオールマイティです。調理はもちろん、料理の説明、場合によってはワインの説明まで・・・。すごくエネルギッシュに動き回られるのです。最後は門を出てゲストを見送りするのも当たり前。

この店の魅力は料理の味はもちろんですが、仕事に真剣に取り組むシェフの情熱が多くの人々に感動を与えていると思います。

そういえば、今回の予約の電話もステファンさん自ら応対してくれたのを思い出しました。