餐廳資訊
細節
| 店名 |
Sale Luna（Sale Luna）
|
|---|---|
| 類型 | 義大利料理 |
| 預約・查詢 |
0985-20-6120 |
| 可供預訂 |
可以預訂 |
| 地址 |
宮崎県宮崎市中央通5-21 えびすのビル 201 |
| 交通方式 |
距离宮崎 1,042 米 |
| 營業時間 |
營業時間和假日可能會發生變化，因此請在用餐前諮詢餐廳。 |
| 預算 |
￥4,000～￥4,999 |
| 預算（評價匯總） |
￥10,000～￥14,999￥2,000～￥2,999
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| 付款方式 |
可使用卡 （AMEX、JCB） 无使用電子錢 |
座位、設備
| 座位數 |
12 Seats |
|---|---|
| 個人包廂 |
不可能 |
| 包場 |
可能的 |
| 禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 |
| 停車場 |
不可能 |
特點 - 相關信息
| 此時建議 |
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|---|
上がりきらぬ小雨が続いていた。昨日もじんわりと皮膚をしめらす空気が充満していたが、久々の講演会に、美味しい酒が飲めるだろうと、いそいそと出向いた。お世話になった上司の講演を聴いて、予想通り、みんな自分より年上のメンツでニシタチに繰り出した。
昔の上司も楽しそうだった。タタミイワシの炙りを注文したが生憎の売り切れで、替わりにきびなごの炙りになった。
「きびなごの刺身は子供の頃に嫌というほど食べたので、もう見たくも無い。」と言っていた。
「でもおそらく、手開きで刺身にしているだろうから、それは手間のかかった母親の愛情が詰まっていたはず。」と私が言うと、
「たしかに台所なんて男が入るものじゃないと言われていたから、見た事ない、そうかも。」と言っていた。
でも上司は「子供のころは夕飯の準備しながらでも母親と色々喋りたいじゃない。それができなかったから寂しかったよ。」と言っていた。
卓上七輪の上でチリチリと静かに焙られるきびなごをみながら、なるほど、薩摩隼人の本音を垣間見た、気がした。
居酒屋、鉄板焼き、バー、と、勢いに任せすぎてしまった。
結局、今日は一日中、二日酔いで過ごした。もともとサレルーナに行く予定は決まっていたので、今思うと昨晩はとんだ失敗だった。サレルーナでお酒を飲むならば、家から徒歩とバスで行かなければならないが、しとしとと小雨は降り続いている。重くもないが、明るくもないゴロゴロとした雨雲は、ずっと西の空に連なっていた。逡巡を重ね、今日は飲まない事にして家を出た。
車で街中へ向かい、MICCの裏手の駐車場に停めた。車で来るなんて、何年ぶりだろうか、と思った。初めて停めたところだが、大通りを外れると意外と安い駐車場があるもんだ、と感心した。
ぎりぎり雨は降らなさそうだったので、傘を置いて、水溜りを避けながら小走りで向かった。
少し早めの時間帯だったが、3連休のせいか、天和酒店前には沢山の信号待ちの人がいた。曇り空にも関わらず、みんな浮かれ気味な空気が漂っていて、やはりこういう空気が酒を旨くさせてくれる（というより、飲むか飲まないかの判断を鈍らせる）。
どこか小雨の冷たさが残るひっそりとしたビルを2階へあがる。引き戸か開き戸か一瞬迷うドアを開けたら、まだお客さんはいなかった。窓際のテーブル席でメニューを眺めていると、5分程で連れが到着した。
ドリンクメニューは、結構なワインリスト、洋酒、グラッパなどなど、自分の優柔不断さを助長させるものだった。けど、だいたいノンアルコールビールを頼む連れに、「私も同じので」と伝えると、「昨日、ていうか今朝聞いたよ。結構おそくまで飲んだみたいね。」と連れにも昨晩の話が伝わっていたようで、「早速ですか」、と苦笑いしてしまった。上司が楽しんでいた様子を伝えると、「そのメンツは久々だったんじゃないの？」と連れも嬉しそうにしていた。
ノンアルコールビールで乾杯し、前菜の盛り合わせ2人前とイカと海老のマリネを頼んだ。盛り合わせは、まさに盛り合わせで、見た目には全然派手さは無く、イタリアの実家に急に友達を連れて帰省したら、冷蔵庫の中のものでこんなん盛り合わせしました、的な感じなのかな、と勝手な想像をした。でもシュモクザメなんてものも交じってたから、流石に鮫は冷蔵庫には無いから違うのだろう。シュモクザメは淡泊で、言われなければ白身魚の雰囲気をしており、連れは「どれがシュモクザメだった？」と言っていた。
イカと海老は、ぷりぷりで歯ごたえが最高に気持ちよかった。きっと名前を聞いても覚えられないであろう、見た事のない野菜も、滋味深い味だった。
マリネを食べながら「あーー、白ワインですね」と言っても、どうしようもなかった。
ミラノ風カツレツと、クレソンを使ったジェノバ風リングイネを追加。待つ間に連れの話を聞くと、どうやら中々に参っているようだった。とある試験を受ける事になっているのだけれども、先生がどうも怪しい様子だ。私からすると、きっと先生は認知症が入りかけているのでは無いかと感じられた。連れも薄々と気づいてはいるようで、試験が終われば、少し離れようかとも言っていた。けれども狭い世間で動きづらいのが田舎の悪いところである。答えのない未来の行方を心配しあった。
下界の3連休とは違って、店には他の客はおらず静かだった。時折、窓越しから、水たまりをそろそろと走り抜けるタクシーのタイヤ音が、聞こえてきた。試験後の、連れの慎重な身の振り方を暗示しているかのような環境音だった。
実はクレソンの風味は良く分らなかったけど、リングイネはすごくモチモチしていて美味しい一皿だった。ますますワインが飲みたくなった。
一通り食べ終えて、連れはドルチェを注文した。どうやらドルチェはお任せのみのようで、今日はガトーショコラとパンナコッタとフルーツのプレートだった。パンナコッタの響きがすごく懐かしかった。こういう時に、だいたいの女性は期待していなかったドルチェだとしても、とりあえず頼んでいる気がする。甘いモノ用の別腹は凄いなーといつも感心する。
私は、普段飲むことのないアールグレイを注文した。ノンアルで過ごすと、いつもは目に留まらないメニューの気づきが多いな、と感じた。アールグレイは風味がよく、昔の外勤先で頂いていた、金曜午前の懐かしい味がした。
二日酔いでゆっくりと食事を楽しむには丁度よく、珍しく最後まで客は私たちだけあった。小綺麗で四角い店内に、きちんと並ぶテーブルと椅子とカトラリーが、話したいことをきちんと話すように促していたのかもしれない。
店を出ると、なんとか雨は降っていなかった。
「とりあえず来月の試験までは頑張って」と言って別れ、駐車場へ歩いた。ノンアルで過ごした胃はすこぶる快調になっており、駐車場をすぎたマックスバリュで餃子を買い、家路についた。ゴロゴロとした雨雲は、いくぶんか散り散りになっていた。