あつ美二郎(並)および脂飯セット
シルバーウィーク
ここ数年、9月になるとこんな言葉が出回るようになった。祝日法の改正とやらで、文化の日を中心に休日が立て続くようになった事を、ゴールデンウィークにかけて、このように呼ぶようになったわけだが、これはもともと映画業界用語なのだ。
昭和20年から30年代初頭
娯楽といえば映画しかない時代では連休となれば、庶民は映画館に押し寄せるのが恒例で、5月の天皇誕生日を中心とした数日、そして5月ほどではないが、9月の文化の日を中心とした数日、映画館は考えられないほどの活況を呈する事態となるので、業界ではそれぞれゴールデンウィーク、シルバーウィークと呼ぶようになった、というわけだ。
そして2023年
9月16日から9月18日にかけては三連休となる。まことに幸せな休日であり、正当なるゴロゴロ生活を満喫している。映画ファンであれば、先に記した故事にのっとり、映画館の暗がりで過ごすことが義務なのではあろうが、あいにくと変なタイミングで用事が入ってしまい、自宅で過ごすこととなった。
それでも
YouTubeに読書。そして見逃していたドラマなどを集中して観ることができたので、これはこれで有益ではあったと思う。…のだが、さすがに3日目ともなればゴロゴロも飽きてくる。午後からは少しだけ用事があるので、それにこじつけて昼メシを食べに行こう。明日から仕事なのだ。せっかくだからニンニクをがっつり仕入れたい。という事でお邪魔したのがこちらだ。
「あつ美二号」
権堂で有名な二郎系インスパイア店の支店となる。だから『二号』なのだ。桜新町の、長野東郵便局の斜向かいというか、以前は「ふくふく」という中華料理店であったところに居抜きで再オープンされてからどれほど経過したであろうか。ふくふく名物かた焼きそばもメニューに残していただいているという、心優しき店でもある。
「あつ美二郎(並)」800円
「チャーシュー」100円
ニンニクがっつりなら韓国料理がよいかな、とも思ったのだが、ほどのよいところで二郎系ラーメン、いやラーメン二郎ではないからインスパイアか。
まず(並)とは麺の量を指している。
小:150g
並:200g
大:300g
とのこと。茹で前か後かはわからないが、これもほどのよいところで並とした。そしてその他は
野菜:増
ニンニク:増増
脂:増増
とした。せっかくだからチャーシューもトッピングしちゃえ。
キャベツともやしが山盛りとなる、いかにもなる二郎系ラーメンというフォルム。野菜増増にしなくてよかったと腹の底から思う。チャーシューは厚さのわりに、ホロリと崩れる優しげなタイプ。傍らのニンニクは粗刻みだから、口の中に入るとけっこうな辛さ!おおおお!効くぜぇ!これを欲していたのだ。野菜の上には背脂たっぷり。
少し野菜を
食べてから天地返しを敢行する。少し前まで、このような行儀の悪い食べ方は好まなかったのだが、50も半ばをすぎると、これがよくなってきた。これがよいのだ。という事で上下をぐるぐるとかき混ぜる。そうすると、温度が適度に下がって食べやすくもなる。ああああ!幸せニンニク!極太麺最高!
「脂飯セット」400円
サイドメニューはなににするか。このところ餃子がたて続いたので、ここは飯であろう。熱々ご飯の上にチャーシューの端切れ、背脂、チャーシュー一枚に卵黄が美しく配されている。変わり種TKGというところか。もちろんこれも天地返しであろう。甘くて脂っこくて美味い美味い。ああ、ラーメンの野菜を少しトッピングしたら、もっとよかったかもしれない。
という事で
連休最終日ランチが終了。これより用事を済ませ、帰宅して残り時間をゴロゴロ無駄に費やすこととしよう。なんて贅沢な休日であろうか。
店名 |
Atsumi Ni Go
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菜系 | 拉麵,油麵/拌麵,沾麵 |
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預訂可/不可 |
無法預約 |
地址 |
長野県長野市桜新町678-1 |
交通方式 |
距离北長野 1,471 米 |
營業時間 |
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預算(評論總數) |
~JPY 999
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付款方式 |
不接受信用卡付款 不接受電子貨幣 |
包廂 |
不可 |
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包場 |
不可 |
禁煙・吸煙 |
− |
停車場 |
可 |
此時建議 |
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ひと回り歳上の知人がいる
あるSNSでお行き会いして以来、10年近く交流ささていただいている方で、先方からは友人扱いをしてもらっているのだが、とんでもない。私からしてみればとてつもない上つ方、人生の先輩いや師匠ともいってよい方なので、まことに恐れ入る存在だ。
その方と
たまぁにおしゃべりする機会がある。お忙しい方なので、2年に一度くらいの頻度ではあるが、数時間様々なお話をいただくのだ。読書のこと、歴史のこと、映画のこと、世界情勢のこと、日本の政治のこと。あまりにも多岐に渡り過ぎて目眩を起こしそうだし、そもそもついていくのが大変なのだが、それがまた面白くてならない。
クリエイターは「衝動」で出来ている
という彼の言葉に接したのは数年前のこと。ある映画作家の政治的な発言に、ネット右翼どもが過剰反応して。という出来事があった時だ。作品の内容でもない、そこの浅い発言を笑い飛ばしていたのだが、その際に接したのが先の言葉であった。
ドス黒いことなのだ
モノをつくる、創造することは。そもそも他のどこにもない、自分だけの世界を創り上げるという事はエゴイズムそのものでしかない。いくら作品の中のこととはいえ、この世をぶち壊してやる、なにもかも破壊しつくして、オレだけの世界を創るのだ。それが「衝動」にまで昇華させてこそ優れた作品が出来る。
やや背筋が寒くなる
ような思いがわが身を駆け巡る。ああやはりそういうものなのだよな。オレなど絶対にクリエイターにはなれない。もちろんなれるとも、なりたいとも思ってはいないが、破壊衝動ならあるぞ。という事で本日のランチはココだ。
「あつ美二号」
権堂の本店にはお邪魔した事はないが、コチラには何度も来ているぞ。これまでは『あつ美二郎』しか食べたことがなかったが、今日はべつのものをいただくこととしよう。
「手作り餃子」450円
そういえば、餃子を食べていない。『脂飯』なるマニアックなメニューを試したことがあるにも関わらず。んでゎ、イクしかないではないか。
あまりよそでは
接しないデカいサイズの餃子だ。パリッと焦げ目がつき、香ばしさ満点だが、ひと噛みすると、肉汁がジュワリと染み出してくる。とても美味い美味い。定食にしていただく、という手段もあるな。ニンニクはほどよく効いた感じ。本当はガッツリがよいのだが、平日の、しかも午後に打ち合わせのある身としてはちょうど良い効きといえよう。
「まぜそば 小」800円
小、並、大とあるのは麺の量なのだそうだ。それぞれ150g、200g、300gとの事だ。そして野菜は『増し』、ニンニクは先の理由にて『なし』、脂は『増し』、揚げ玉に一味をまぶした『辛玉』もいただく。
水色の
街中華らしい丼に角切りにされたチャーシュー、背脂、ネギ、そしててんこ盛りにされた野菜はキャベツ+もやし、その傍に節粉が楚々と添えられており、中心部には少々の刻み海苔と生玉子が美しく鎮座している。中にはタレにまみれた熱々麺150g。
いざ参るぞ
コレを上に下に、豪快に撹拌していく。まぜそばなのだから当たり前だが、なかなか大変な作業となる。だから小サイズにしたのだ、野菜増しにしたから、ボリュームはまったく心配ない。そしてひたすら、混ぜる、混ぜる、混ぜて混ぜて混ぜまくる。よぉしこの際だもっとぐちゃぐちゃにしてやれ。このてのものは、経験上混ぜれば混ぜるほど美味くなるのだ。当初はそれなりに納まったフォルムであったが、各々の素材が崩れ、混沌とした、ぐちゃぐちゃな様相となる。
いつもならもういいかな?
と、飽きてくるタイミングではあるが、気にせずどんどんぐちゃぐちゃにしていく。すでに美味がどーのという事ではなく、単に壊したい、ぐちゃぐちゃにしたいという衝動が湧いてきて、気分はもう怪獣。オレはGODZILLAだぁぁぁ!と腹の中で大きくシャウトしながらの作業となる。
ジャンクフード
の最たるもの、というメニューだ。もともと濃いめのタレに様々な具材が交わりあった、繊細とは言い難い、いやむしろ「粗雑」といってよい味わいで、海原雄山なら鼻で笑うかもしれないが、コレが美味いのだ。うーむ、ニンニク満載でいただきたい。
というわけで
本日の破壊衝動は打ち晴らされた。私はクリエイターにはなれないが、お腹いっぱいになる事は出来るのだ。最後にネット右翼どもに告ぐ。長澤まさみちゃんは立膝が可愛らしいのだ。文句はよく観てから言いなさい。