旅人も受け入れてくれる、地元密着なお店。 : Kimi

戸を開けた瞬間に思ったのです。

ああ、ここは、アウェーだ。
西部劇の主人公が、敵地のバーのウエスタンドアを

「キィ」
と開けた瞬間の、アレ。
あんな感じ。
しかし、開けた戸を閉めて帰る勇気も無い（＾＾；
入口に最も近いカウンター席に座り、
「あ、取り敢えず生中（価格失念）を」
と虚勢を張ってみせたのでした。

20：00来店。
やがてやって来た生中は・・・
おお、やはりデカい。
直前まで呑んでいた魚魚や中込店]と同じ。
これ、長野県の傾向なのだろうか・・・それとも、偶然なのだろうか。
付けだしは茄子の煮物。
味噌の風味が利いてて、ふぅと一息つきたくなる、
そんな落ち着く味です。

最初はアウェーかと思いましたが、どうもそうでななさそうです。
疎外感とか、ピリピリした感じはしません。
適度に放っておいて貰っている感じです。
そう感じると、途端に気楽になりました（＾＾
肩肘張らずにのんびりとジョッキを傾けます。

超常連さんっぽいオバチャンが二人、
猛烈な勢いで女将さんと話しております。
話が途切れたタイミングを計ってオーダーしようとするのですが、
なかなか話が途切れない（＾＾
茄子でしばらく繋いで・・・

・・・頃合い。

「ねぎま」
「レバー」
「こにく」（各100円）
を1串ずつオーダー。

塩かタレか聞かれませんでしたが、
どっちでもいいかな、と思い、委ねました。

しかし、「こにく」って・・・何なんだろう（＾＾；
やがて、塩で出てきました。
レバーは、三角錐形の大きな一切れが刺さっております。
場所によって違った焼け加減が愉しめて面白いですね。

んで、こにく。
クニュクニュコリコリした部分とささ身の様な部分があって・・
あ、これ、「せせり」ですね。
せせり、100円か・・・これは美味しいし、断然安いでしょ。
ねぎまもジューシーでビールが進みました。

タレもあるみたいですね。
他の客に薦めていらしたので。
もしかしたら、こちらに暗に言ってらしたのかもしれませんね。

ここで、お会計。
「1000円でいいですよ」と言われました（＾＾；
どうやら少しオマケしていただいたようです。
恐らくは旅人だって解っているだろうに………なんて優しい店だ。

「ご馳走様です」
と声を掛けつつ、戸を閉め・・
・・・られない（＾＾；；；
扉代わりの網戸が閉まりません。
カウンターから女将さんが出てきて、
「大丈夫、大丈夫、酔っ払いが壊していっちゃってさぁ、ガタ付いてんのよ」
と言ってガタガタ戸をいじっておられました。

背中に
「お気をつけて～」
と声を掛けられつつ、
気分良く3軒目へと向かう、河井なのでした。