うみゃ～うなぎぃ！ : Una ten

富士宮界隈でも少し見つけるのは難しいお店です。
というのも、大将いわく「看板はいらない、食べたいと思う人が来てくれればいい」という強気の姿勢だからです。
オーナー、ご主人、店長、料理長、マスターといろいろな呼び方があると思いますが、ココはやはり「大将」とよぶのが相応しい風体です。
抜群の貫禄でお客様を圧倒します。

友人と久しぶりに合流したのでちょっといい店がいいなと選びました。
予約したことに大将は驚きながら喜んでいました。

うなぎ屋さんなのでと思いきや実は立派な和食やさんでした。

いきなりのお通しから仰天のウマさです。
とろける鮟肝が登場します。
アンキモがどうか首をひねってしまう滑らかさに驚きます。

刺身は大きなホタテ柱と中トロなどプリプリの歯ごたえは尋常ではありません。
焼き物は鰤の照り焼き。
煮物は山菜のつくね。
揚げ物はパリパリの野菜かき揚げ。
蒸し物はさっぱり鶏出汁の茶碗蒸し。
中皿は小柱のグラタン。

そして食事はもちろんうな重です。
香ばしくさっぱり、しかもとろけるうなぎの油に舌が滅入ります。
甘すぎないタレとパラりとこぼれるご飯。
三つ葉香る肝吸いと床の香り満点の香の物。
あ～ぁ・・・
旨さに心で泣いてしまいます。

大将はうなぎが3年連続の不漁を泣いていました。
生態系に異常事態が起きているかのごとく危機感が渦巻いているといいます。
蜂が消えつつ、うなぎも消えていくのでしょうか・・・
「のれんを変えないといかんかなぁ」

予約しないと美味しいうなぎは食べられない時代に突入したのです。
大将は夫婦が食べていけるだけの商売で充分だといいます。
高騰するうなぎにこれ以上お客さんに負担させられんと。
体中から気迫を発する大将の瞳は悲しげでした・・・