旅の気分を盛り上げてくれる、小粋なアイテム。真鯛寿司には、天然わさびを自分ですり下ろす趣向！ : Tou Chuu Ken

［静岡県三島市］
2021/1/17（日）
JR三島駅、新幹線待合室にある駅弁販売所。

本社工場は沼津港のすぐそば、千本港町に所在。
東海道線・沼津駅開業の2年後、1891（明治24）年から130年にわたり駅弁を販売。
そのあと東海道線ホームに蕎麦店も開業、地元の人にも旅行者にも長年親しまれてきた。

ちなみに沼津駅南口に "エイブルコア" というビルがあるが、
これはもともと桃中軒会館と呼ばれていた建物だ。

現在コロナの影響で、JR沼津駅南口の店舗はお休み中。
JR三島駅も一部休業中で、新幹線待合室・南口売店だけの営業となっている。

駅弁のラインナップは、以下のような感じ。
〔魚介〕　港あじ鮨、香まだい寿司、焼き魚弁当、奥駿河の磯ちらし
　　　　　鯛めし、天城紅姫あまご弁当、清流うなぎ弁当
〔幕の内〕御弁当、伊豆半島ジオパーク弁当、さとやまのさち、助六寿司
〔肉類〕　富嶽あしたか牛すき弁当、箱根山麓豚炙り焼き弁当、とり重

看板商品は「港あじ鮨」だが、真冬はアジが獲れないとのことで、
逆に冬しか食べられない真鯛をチョイス。

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■沼津香まだい寿司（￥1100）※テイクアウト税込8％
港あじ鮨の姉妹品。真っ赤なパッケージが目を引く、季節限定品。
その名の通り、沼津港で水揚げされた真鯛を使用。

蓋をあけると、なんとも食欲をそそる酢飯の香り～
真鯛は酢漬けと炙り、2種類の味を楽しめる。
花びらのように配された "なた豆の花酢漬" が美しいワンポイント。

最大の特徴は、伊豆天城産の生わさびが「わさびの形を残したまま」入っており、
これを自分ですり下ろしていただく趣向。
小さい大根おろし器のような、プラスチック製の「おろし器」が同梱されている。
…そうそう、この香り！
この香りだけで、ちょっとした料理屋を訪れたような風情が感じられる。

一つ目、鯛の酢漬けは、ごく薄い味付けで、鯛の繊細な風味を活かした造り。
むしろ酢飯の方に、味の主体がある。
昆布締めの酢には、静岡県産のダイダイを使用。

二つ目、鯛の炙りに関しては若干の塩味で、淡泊な脂身の旨さを引き出している。
鯛は脂身の少ない白身魚だが、それでも確かに脂の旨味を感じるのだ。
噛み締めると、炙りによって生じた香ばしさが鼻に抜ける。
こちらもあくまで上品、料亭の味を感じさせる～

鯛の身の下、酢飯には白胡麻・わさび菜が混ぜ込まれており、香りと食感のアクセント。
たっぷり添えられたガリも、ほど良い塩梅の甘辛さで嬉しい。

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■御弁当（￥840）
富士山に千本松原、旅情あふれるパッケージの幕の内弁当。
「ゆづりあい 旅を楽しく 明るい車内」の標語も、古き良き時代を感じさせる。

あしたか牛旨煮・唐揚げ・サバ塩焼・白身魚フライ・玉子焼、
蒲鉾・筍旨煮・割干し漬（大根）・わさび漬・桜漬・小梅が入る。
綺麗に八等分にされた白飯には、行木の香りが確かに移っており、
駅弁ならではの風情を漂わせる。

牛肉は少量ながら、香りが良い。
塩鯖は小さいけれども、よく脂が乗って、サバ塩焼き定食に負けない美味しさ♪
唐揚げは結構塩辛くて、ごはんが進む感じ。

サイコロ状にカットされた筍は、崎陽軒のアレにそっくり（笑）
たっぷり入っており、コリコリ感を満喫できる。
沼津で製造された「わさびの粕漬」はピリリ、これまたよく効く！
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駿河湾の幸が、沼津・三島から列車に乗り込む…
旅気分を高めてくれる粋なアイテム「駅弁」に、幸あれ。