日本酒に合う肴や一品料理が充実している，徳島では銘酒居酒屋になりうる　“ 食彩 遊真 ” : Shokusaiyuushin

今回は２年ぶりなのですが，
“ 食彩 遊真 ” さんに伺います。

こじんまりとした店内は，
小さなテーブル席数卓とカウンター席，
小上がりが２つあります。

メニューを拝見すると，
酒肴として，焼き味噌や真鱧真子うま煮など，
焼き蓮根柚子胡椒，蕎麦米雑炊，阿波牛スネ肉のトロトロ煮，
阿波尾鶏の天然塩焼き，天然鳴門鯛のアラ煮など，
食材の宝庫である地元の素材を使った一品料理が目をひきます。

チェーン店の大手居酒屋ではなく，
ありきたりの個人経営の居酒屋でもない，
「酒場という聖地へ、酒を求め、肴を求めさまよう」
というフレーズでお馴染みの吉田類さんの『酒場放浪記』や，
太田和彦さんの『ふらり旅いい酒いい肴』にも合致する，
探し求めていた銘酒居酒屋ではないでしょうか。

ビールはキリン一番搾り瓶ビール，
今回の日本酒は徳島のおでんでん純米吟醸，
鳥取の日置桜の山田錦無農薬自然米の濁りです。

・焼き味噌
松の実・蕎麦の美入りの焼き味噌は，
日本酒に合う一品です。
銘酒居酒屋にある朴葉味噌をアレンジしていますが，
松の実の食感と口当たりを考えて，
蕎麦の実で柔らかい味を醸し出しています。

・真鱧の真子うま煮
鱧の真子に限らず，魚の卵はそれ自体、味も素気もありません。
魚の卵といえば，イクラを思い浮かべるかと思いますが，
味のついていないイクラは，それこそ脂の固まりです。
なので下処理を終えた鱧の真子を，
薄口醤油，塩，味醂，日本酒で味を調えた出汁で煮含めています。
酒肴として，真子の味わいがいいのです。
卵粒が細やかでしっとりとしてウマいです。

・造り盛り合わせ（キビレ，ヤリイカの徳島産ウニのせ，鰆焼霜，〆鯖，真鱧湯引き）
この素材でこの盛り合わせで1,580円は特にお得感があります。
特に良かったのがキビレ（黒鯛）。
本名は「キチヌ」といいますが，「キビレ」の名で並ぶことが多いです。
黒鯛に似ているけれど，並べれば銀色に輝いていて違いがよくわかります。
それと，ヒレが黄色いからキビレなのです。
身は硬くしっかりしていて，歯ごたえを楽しめる感じ。
食感はどちらかというと天然の真鯛に近いかもです。
透明感があるのに脂がのっていて，少し磯の香りがして，
噛むとジワジワっと甘味が広がります。

ヤリイカは新鮮そのもので，
隠し包丁でねっとりとしていますし，
徳島産生うにもいいですね。

〆鯖は締め加減と新鮮さがいいと思います
徳島産鰆は皮だけ炙り、焼き霜にしています。
皮と身の間の旨みが熱により凝縮されており，
皮目は香ばしく，脂感がとてもいいですし，
内側はもっちり＆しっとりしています。

・鰆の西京焼き
西京味噌の麹の甘やかさが上品に香ります。
素材のいい鰆を味噌床にじっくりと漬け込み，
素材そのものの旨味を引き立てながら，まろやかに仕上げています。
とろけるように柔らかで，お口の中で旨味がひろがります。
酒の肴にも，白ご飯のおかずにも相性良しです。

・茄子の鶏味噌田楽
茄子はそのものの味もありますが，どちらかというと淡白です。
揚げ焼きして持ち味を引き出し，相性のよい鶏そぼろ味噌と合わせています。
柔らかい食感と味噌のコクのある甘みが，
うまみを引き立てていますし，夏でも食べやすいですね。

店主は西岡真嗣 さん。
割烹や日本料理出身の方なのですが，
この店は和食系の銘酒居酒屋や酒亭といった趣きなのです。
日本酒に合う肴や一品が充実しています。
もう少し地酒と全国の選別した日本酒が多ければ，
銘酒居酒屋という感じがすると思います。

店主は日本酒を飲み込んでいるので，
酒に合う酒肴や一品料理がいいと思います。
店主は無口であまり喋るタイプではありませんし，
話すと返事はありますが，実直なタイプというところでしょう。

こちらの店主は日々沖洲市場に通われていますが，
県外の高級魚を扱うのではなく，
徳島や近海の「旬」の魚と，
県産野菜や阿波尾鶏「地産地消」を意識して，
徳島の魅力を存分に味わうことができるお店です。

あとは要望とすると，
日本酒が1合850円～970円と値段が高過ぎるところでしょうか？
駅前は値段の高いのは出ないところもありますし，
値段ゆえか，日本酒を飲まれる方が少ないように思います。

ごちそうさまでした。

今回は久しぶりに
“ 食彩 遊真 ” さんに伺います。

こじんまりとした店内は，
小さなテーブル席数卓とカウンター席，
小上がりが２つあります。

１年ぶりの更新アップになります。
写真14枚追加しました。

メニューを拝見すると，
焼き蓮根柚子胡椒，蕎麦米雑炊，阿波牛スネ肉のトロトロ煮，
阿波尾鶏の天然塩焼き，天然鳴門鯛のアラ煮など，
食材の宝庫である地元の素材を使った一品料理が目をひきます。

今回の日本酒は会津中将，天狗舞山廃純米です。

・秋刀魚醤油漬け
醤油タレの味が濃くて，酒肴にピッタリです。
優しい甘さがポイントでしょうか。
ご飯ならモリモリ，お酒も進む絶品でした。

・真鰯ぬた
真鰯の刺身も好きですけど，
真鰯のぬた和えも美味しいんですね。
酢味噌といえば，分葱（ワケギ）のぬた和えなど定番です。
これには分葱も入っています。
真鰯旬も地域によって異なるのですが，一般的には秋であり，
これは脂ものっています。
水っぽくなくて美味しい「ぬた和え」でした。

・造り盛り合わせ（アオリイカウニのせ，鳴門鯛，本カマス，ぼうぜ）
アオリイカは新鮮そのもので隠し包丁でねっとりとしていますし，
徳島産生うにもいいですし，カマスとぼうぜは軽く炙っています。
本カマスって実はめちゃくちゃ美味しい魚なんです。
塩焼きにしても刺身にしても，とびっきりの美味しさでびっくりします。
夏も旬と言われますが，水温の下がった秋が美味しい時期なのは間違いないです。
ぼうぜと共に，さっぱり味に仕上がっていました。

店主は西岡真嗣 さん。
割烹や日本料理出身なのですが，
この店は和食系の銘酒居酒屋や酒亭といった趣きなのです。
日本酒に合う肴や一品が充実しています。
店主は無口であまり喋るタイプではありませんし，
話すと返事はありますが，実直なタイプというところでしょう。

こちらの店主は日々沖洲市場に通われていますが，
県外の高級魚を扱うのではなく，
徳島や近海の「旬」の魚と，
県産野菜や阿波尾鶏「地産地消」を意識して，
徳島の魅力を存分に味わうことができるお店です。

ごちそうさまでした。

（再訪）
今回は長らくというか，久しぶりに
“ 食彩 遊真 ” さんに伺います。

こじんまりとした店内は，
小さなテーブル席数卓とカウンター席，
小上がりが２つあります。

３年半ぶりの更新アップになります。
写真２４枚追加しました。

メニューを拝見すると，
焼き蓮根柚子胡椒，蕎麦米雑炊，阿波牛スネ肉のトロトロ煮，
阿波尾鶏の天然塩焼き，天然鳴門鯛のアラ煮など，
食材の宝庫である地元の素材を使った一品料理が目をひきます。
今回の日本酒は日高見，都美人です。

・徳島産黒豆枝豆
黒枝豆といえば，丹波が有名です。
成熟し収穫期を迎えた黒枝豆，秋の味覚ですね。
少し黒っぽいくらいの見た目をしていますが，
これが黒枝豆の最も美味しい時期なのです。
県産にしては，かなり大きいですし，
粒の食感がしっかりした上にコクが深まっています。
黒豆枝豆の味が奥深くありました。
これなら茹でたてをお願いしたいと思います。

・造り盛り合わせ（アオリイカ・生ウニ・カツオ・カンパチ・鱧）
アオリイカは新鮮そのもので隠し包丁でねっとりとしていますし，
徳島産生うにもいいですし，カツオはなかなかの大アタリです。
カンパチは養殖ですが，造り盛り合わせが1470円なら大満足でしょう。

・焼き味噌
松の実・蕎麦の美入りの焼き味噌は，
日本酒に合う一品です。
銘酒居酒屋にある朴葉味噌をアレンジしていますが，
松の実の食感と口当たりを考えて，
蕎麦の実で柔らかい味を醸し出しています。

・松茸としらさ海老のはさみ揚げ
この松茸はカナダ産です。
秋の味覚，一番に頭に思い浮かぶのは松茸。
でも，やっぱり国産の松茸は値段が高すぎます。
まずは見た目が国産の松茸と大きく違います。
何と言っても色が白い，大きい。
でも香りを嗅ぐと松茸の香りがします。
おおぶりで肉厚，全体的に歯ごたえがあります。
味は松茸そのもの，国産に比べれば香りが弱いですが充分です。
カナダ産松茸としらさ海老の相性が良いと感じました。
バナメイ海老やブラックタイガーを使わないところが嬉しいです。

・鰆西京焼き
「西京漬け」といえば「さわら」と連想されるほど，
さわらみそ漬けの鰆西京焼き。
愛され続ける理由は，やはり西京味噌との相性の良さでしょう。
少し小さいのが気になりますが，
ふっくら程よく締まった身の上品な味わいと
まろやかな西京味噌が互いに引き立てあい、
安定したおいしさがあります。

・自然薯の磯辺揚げ
徳島産の自然薯です。
自然薯ってみなさん知っていますか？
日本が原産の数少ない野菜のひとつ。
ヤマノイモというイモの仲間です。
長芋やとろろ芋やよりも，
さらに水分が少なくてもっちりしています。
とろろで食べるには，思ったとおり，
いや，フワッとそれ以上にもっちりでした。

・すだちらーめん
うっすら白く濁っていて，あっさりしています。
擦りゴマの風味も強く感じますし，
脂感がないというわけではありません。
飲んだ後の〆に優しくいいでしょう。
鶏ガラと豚骨をじっくり煮出したスープ。
スダチを絞ると脂感は消え，さらにあっさりになります。

店主は西岡真嗣 さん。
割烹や日本料理出身なのですが，
この店は和食系の銘酒居酒屋や酒亭といった趣きなのです。
日本酒に合う肴や一品が充実しています。
店主は無口であまり喋るタイプではありませんし，
話すと返事はありますが，実直なタイプというところでしょう。

こちらの店主は日々沖洲市場に通われていますが，
県外の高級魚を扱うのではなく，
徳島や近海の「旬」の魚と，
県産野菜や阿波尾鶏「地産地消」を意識して，
徳島の魅力を存分に味わうことができるお店です。

ごちそうさまでした。


（再訪）

鳥ぼん本店さんと同様，オープン時から伺っていた「食彩　遊真」さん。

徳島において，造りなどは名が知れている和食店よりはレベルの高いモノを提供してくれます。

例えば，アオリイカ。質はもちろんのこと，仕込みの良さがあります。ネットリして甘く，包丁を身に入れ過ぎというくらいに隠し包丁が入っているため，普段食べるイカの刺身とは違っていて，ふんわりとした柔らかさを感じます。天然鯛も鳴門産すずきもイケてます。

松の実・蕎麦の美入りの焼き味噌は，日本酒に合う一品です。銘酒居酒屋にある朴葉味噌をアレンジしていますが，松の実の食感と口当たりを考えて，蕎麦の実で柔らかい味を醸し出しています。

徳島産筍木の芽味噌和えは，今が旬の筍を煮て，木の芽と白味噌を優しく合わせています。筍が柔らかすぎる感もありますが，味付けが良くて，木の芽の香りがとてもいいと思います。

空豆のサクサク揚げは見た目が驚きです。もち米を蒸して乾燥させたものを細かく砕いた衣でカラッと揚げたもので、空豆の香ばしい風味はそのままで食感はサクサクだけど全然脂っこさを感じません。

日本酒の選び方は，徳島の飲食店においては優れていると思います。あとは「わかたけ」「阿田一代」くらいでしょうか。日本酒は一合８４０円程度です。生ビール１杯と日本酒はいづみ橋と不老泉各一合で５３００円程度。こういう店なので，原価から考えても，特に日本酒の値段をさげて欲しいと思います。

銘酒居酒屋でありながら，和食割烹的な感覚もある徳島にマッチした店だと感じます。もっとも店主に聞いてみると，場所柄もありますが，県外客が多いようです。


（主レビュー）

場所は徳島駅や八百屋町とかに近い一番町の『食彩 遊真』。鳥ぼんの前、高島珈琲店の隣である。

店主は芋焼酎ブームの時も芋焼酎もそれなりに入れていたが、ずっと日本酒に力を入れていた。

また日本酒に合う肴などを探究していた。

店主は無口であまり喋るタイプではない。話すと返事はあるが、実直・質実タイプというところだろうか。

夜ごはん定食をウリにしているが、小料理屋や割烹に近い真っ当な銘酒居酒屋だと思う。

オープン時より、また昨年来た時より、素材も、また味付けがますますレベルアップしている。

アオリ烏賊、カサゴ、甘鯛なら、高級割烹店には負けない。

烏賊というのは、けっこう仕込みとか難しいのだ。美味しい烏賊に出会うと嬉しくなる。

夜ごはん定食の中年女性とかサラリーマン層が使っています。

まずは新製品のキリンアイスプラスビールをいただきました。コクを感じますね～。

つきだしは青梗菜のラー油和え。この肴は日本酒がすすむ一品です。

刺身はアオリイカ・スマガツオ・ハモ・太刀魚・マグロ・・・・・・・・・・・。

アオリイカ・スマガツオの素材は群を抜いている。

日本酒は淡路島の都美人天秤搾り，都美人の山内杜氏は石川県常きげんの農口尚彦杜氏の太鼓判のついたかただ。

マナガツオの幽庵焼き，ちょうど旬で脂のノリも申し分ない。丁寧に上手く味付けをしている。

出し巻き玉子はふんわりと良い柔らかさがうまくでています。

徳島でちゃんとした居酒屋と言えば、喜助・かぐら・うまみ屋とかあるのだが、

いい人・いい酒・いい肴の居酒屋という観点では、遊真かなぁと感じる。