良くも悪くも富裕層向けのとんかつ : Tonkatsukappoukatsuzen

ひとつのジャンルをレビューするともう一度他のお店の今もチェックしないといけないので大変です(汗)。

ミシュランから外れて最近は比較的空いているということで久しぶりに訪問しました。

交詢ビルの4階5階のランチは、どのお店も

立地×雰囲気×味

を重視される方にとってはとても良い場所です（CPをとても気にされる方には不人気ではあります）。どのお店も内装には銀座一流店並みにものすごくお金がかかっていてセンスが良いのです。おそらく1階にファッションビルが入っているのでここを昔から知らない方には建て直されてからは入りづらいのでしょうね。

故に、交詢ビルのランチは良いお店が平日とても空いているのでビジネスランチに持ってこいなのです。

今、銀座「とんかつ」のTopは3店で競っています。

小洒落た銀座『かつかみ』、定食トンカツ屋の王様『檍（あおき）』、こちらのお店『かつぜん』という意味です。

銀座『梅林』などはそれらの下になります。

さて本日は11時30分で予約。
多少遅れそうでもお店に迷惑かけることなく、先に一緒に注文しておいて頂ければ15分遅れまでなら大丈夫です（笑）。

黒豚ロース4900円/人。

さらっとした融点の低い脂身と豚特有のブタ臭さの無さは、やはりさつまいもやどんぐりで育てられた本物の黒豚特有のものです。上質なラードで揚げられた衣も既に脂っこい食べ物が苦手な世代でも美味しく頂けます。本物の黒豚は実質的には餌の豊富な場所に生息するイノシシと同じようなモノで位置づけとしても本物のイベリコ豚と同じランクだと認識しているのですが、日本ではいまいち黒豚の素晴らしさが知られていないように思います。スペインのマドリッドなどでも最高級イベリコ豚は2,500円～3，000円/ｇ程しますので松坂牛とほぼ同じ。黒豚が美味しいのはやはり生ハム加工した場合じゃないか？と思うわけです。

こちらのお店のご飯は普通ですがこれは炊き方が良くないだけでお米自体はとても良いモノ、漬物やお味噌汁も好みはあれどミシュラン星を取るに足る高水準です。にんにく味噌をペースト状にしたタレも好きです。タレやお醤油にも繊細な工夫が凝らされています。ただ、面白みはありません。ここのとんかつは塩との相性がとても良いのでいつもこちらが言わずとも置いておけば良いのになと思います。

改善点は塩を置くこととお酒の置き場所、でしょうか。
せっかくこれだけ億近い内装費がかかっているのですから、お酒の並べ方も控えるべき。メニューに書いて今のお酒を置いてある場所は何もなくすっきりとさせたほうが美しいです。

こちらのお店が他のお店よりも群を抜いて高いのは、素晴らしい内装とテナント料分だと思っています。

あと、ドタキャンは論外ですが、予約客が一杯でない場合は今までの時間厳守の方針は少し緩くしたほうが良いかもしれません。この数年で銀座とんかつは一気に世代交代の様相を呈してきたので、こちらのお店は40代以上の比較的飲食費にお金をかけられる方用のお店になりますね。

銀座ご飯で困ったときの三笠会館から、困ったときの交詢ビル。

落ち着いた空間でバランス良くゆっくりとんかつを召し上がりたい年配の方はこちらのお店を喜びます。とんかつ好きな女性とのしっぽりデートにも良いですね。お酒の置き場所を変えたら今の内装の良さがぐっと全面に出るのになとそこはなんとも勿体ないのです。