100人乗っても大丈夫 : Ginza Inaba

タイトルと本文は関係ありません。

初訪問。
2021年７月に銀座に誕生した和食屋。
伊勢志摩のリゾート、アマネムで統括料理長を務めた稲葉正信さんの新しいお店です。
アマンリゾート「アマネム」の統括料理長時代、海外メディアから“世界一”と称賛された稲葉正信さんの朝食を、さらにグレードを上げた形でいただくことができます。

日本式の朝食大好きな私、世界一の朝食とか聞いたら そりゃ食べてみたくなりますわ。
8000円と、朝食にしてはかなり高額なので少しビビりましたが、世界一とやらを体験してみたくて思いきって予約しました。予約は わりと直近でも取れました。一人予約もOKです。

訪問日、一斉スタートの店なので遅刻せぬやうに予約時間の10分前に店前到着。
も、まだ扉は施錠されたまま(´д｀|||)
一斉スタート店のこゆトコが大っきらいな私、いきなりテンション↓↓↓です。
予約時間の数分前になったら、店前に店員さんが出てきました。ようやく入れます。


店内は横１列カウンター席。その内側には竈があり、羽釜で飯が炊かれている最中。
この香りだけで少しテンション上がる単純な私。
カウンターはゆったりした設え&高さも無理のない高さになっている&椅子も拘った品を用意してくれてるので とても寛げます。店内の装飾や飾られている器なんかも素敵ですね。
とても立派な茶器が飾られてるって事は、夜コースのシメはお茶なのかな？


朝のメニューは朝食膳（8000円）のみなので、店主さんの挨拶の後にそのまま食事開始です。
……
………
…………
って、朝から稲葉さんいらっしゃるのにビックリ(*゜Q゜*)
お店のメインステージは夜ですから、朝は店主さん不在かと予想していて来ていたのでコレは嬉しいサプライズ。

まずは目覚めの一杯（？）という事でミカンジュース（トマトジュースとの選択制）から。ジュースも美味しいんだけど、器が凄いな……ミカンのオレンジ色が透けて見えるほど薄い磁器なんてあるんですね。高そう&脆そうでチョットおっかない(苦笑)


お次は豆腐料理。この日は炒りたてのゴマをたっぷり乗せた焼き胡麻豆腐。ソースもゴマです。
胡麻豆腐そのものは「うち山」あたりと比べるといくぶん穏やかな風味。味付けの醤油も控えめ。
ですが、１日の最初に胃袋へ入れる固形物と考えると こうした穏やかな味のほが確かに喜ばしいですね。ゴマソースも優しい味なので残さず頂いてしまいました。

この最中、目の前の焼き台では炭火で魚が焼かれています。炭火に脂が滴り落ちた時のジュワ～♪というサウンドと、立ち上がる香りで自分の胃袋が活性化してゆくのを感じます。

そしてお待ちかねの朝食膳登場。
うっきゃあぁぁぁ♪(/ω＼*)
こんな豪華な朝食なんて産まれて初めて見ましたよ。
内容は…

穴子の飛竜頭 蕪 菊菜 蓮根の煮物
鯛のゴマたれ合え
金時草おひたし 新イクラ シラス
ひじきと切干大根の煮物 新銀杏
伊勢海老天ぷら&鮑天ぷら
牛肉と牛蒡のしぐれ煮
羽釜炊きご飯
香の物
キノコのけんちん汁

と、これだけでも超充実してるのに、更に焼き物が別皿で提供されます。
焼き物は…

だし巻き玉子に明太子&大根おろし添え
白金ポーク塩麹焼き
メヒカリの丸干の炭火焼き
クエ西京焼き

焼き物はどれも目の前で焼かれたばかりでアツアツの品。こうしたライブ感も楽しいです♪
でわ頂きま……
え？
まだ何かあるの？
って、鰹節と鶏卵が出てきた～❗️
鶏卵はお約束のTKGや鯛と合わせて鯛TKG（TTKGと呼ぶそうです）に。
鰹節は目の前で削ってご飯に乗せてくれるそうです。
更に更に、お出汁も用意されてるので鯛茶漬けも楽しめるんですと。


う～～ん……
困った。
どれから食べようか決まらないwwwwww
むっちゃ迷い箸でんがな。迷い箸がマナー違反だってのは知ってるけどさ、この朝食を前にして迷わない人間なんて存在するの？
マナー講座の先生だって、この朝食に向き合ったら迷い箸やらかすでしょ。間違いなく。

まあ あまり迷ってると温かい料理が冷めてしまうのでパクっと行きましょか。迷ったら和食の基本「飯と汁」からよね(^_^)
箸を手に取る時に箸の先を湿らせてある事に気づいて私ニンマリ。器の選び方とか椅子の設えとか、ずいぶんと細かい部分まで考慮されてる店のようですね。この日はレフティのお客さんがいたのだけど、それも即座に察して対応していたもんな。

さてご飯だ。ご飯は白米か玄米を選べますのでまずは白米を。ついさっき竈で炊き上がったばかりの白飯だ。
ウンマー＼(^^)／
魚沼産コシヒカリとか何とか言ってたけど、んな事よりも炊き方が良いのと、炊きたてを食べてるからこその旨さやねコレ。

味噌汁も頂こう。大ぶりにカットしたキノコと野菜がゴロゴロ入ったけんちん汁だ。
まずは出汁が良い。決して主張し過ぎる事はなく、あくまで主役は味噌とキノコ。主役を影で支える奥ゆかしい出汁があってこその美味しいけんちん汁になっている。
キノコや野菜の香りや食感もきちんと活きていて、汁だけでなく具材まで抜かりなく美味しい。

いやぁ旨いなぁ(#^.^#)
味噌汁&飯だけで、飯を一杯食べてしまったよ。いや、本気出せば味噌汁だけで飯三杯はイケるね私。
白飯と味噌汁だけですっかり気分良くなってしまう。美味しい飯と味噌汁ってのは こうも人を幸せにするものか。
否、こうも日本人を幸せにするものか。
この旨さは理屈ぢゃないよね。日本人のDNAに刻みこまれた魂の記憶を呼び覚ます味ですわ。
ずっこいなぁ（笑）
こんなん、日本人なら誰もがイチコロですやん。

和食の基本である飯と汁が抜群に旨いという事は、他の料理のレベルも高いという事。
どのオカズも本当に美味しかった♪
オカズがた～くさんあるけども、ご飯もお代わり自由なんでガンガンお代わりしてドンドン食べちゃいましょ( ☆∀☆)

あとは本能のままに
焼き魚定食状態で食べたり
卵焼き定食状態で食べたり
玄米ご飯も試してみたり
削りたて鰹節のオカカご飯にしたり
卵黄と鯛のTTKGにしたり
牛肉しぐれ煮丼にしたり
と好き放題に食べまくり。

結果、朝からご飯八杯食べちゃた（テヘ）。
本気を出せばもう二杯ぐらいイケたけど、気になる食べ方は一通り試したし、朝飯なんで軽めに済ませとくわ。
まあ本音を言うと、他のお客さんがほとんどお代わりしないから 途中で少し恥ずかしくなって自重したんだがな（でも八杯食う）。

最後はデザートを食べてごちそうさまでした。
いやぁ、世界一の朝食と言われるだけありますね。素晴らしい内容の朝食でした。
朝食で8000円って金額を見ると「高いよ！」と思うでしょう？事実、私も行くまでは そう思っていましたから。
ですが、実際に食べてみたら印象一変。やっぱり何の料理でもそうだけど、食べてみなけりゃわからんもんだね。
お料理の内容の良さだけでなく、設えや器に接客といった細部まで細かく配慮されていて感動レベルの朝食でした。
そう考えるとお値段は妥当ですね。しかも税込サービス料無しで支払いは8000円ポッキリ。あの接客（最後は店主さん自らのお見送りまで！）でサービス料無しはマジで嬉しいよ。
銀座で買い物する前にこちらで朝食を頂けば、その日１日が良い気分で満たされる事間違いナシですぜ。


難点としては、あまりご飯の量を食べれない人にとってはオカズの多さが逆に苦痛になりかねない……って事。
私みたく朝から飯八杯も食う人間にとっては嬉しい内容ですが、少食の人のためにオカズ量減らしたコースとかあっても良いとは思います。

朝食の内容は２~３ヶ月程度で変わるそうなんで、季節ごとの朝食を楽しむってのもアリかと。朝食がこれほど素晴らしいとなると、夜も相当 期待できそうですね。