路地裏には、大箱焼き鳥屋がある♪ : Yakitori Onegi

トロ政 有楽町日比谷店を出て、次の止まり木を探した。
その間友人同士の女性ふたりは、都合で先に抜けていた。

幸いにも細い路地の先を見ると、ビニールシートで入口が覆（おお）われた、いかにも大箱そうな居酒屋が視界に飛び込んできた。

ビニールシートの入口を開くと、すぐに2つ3つほどテーブルがあり、アウトドア気分で飲みを楽しむことが出来る。実際、テーブルは全て塞がり、先客がすでに楽しんでいた。
楽しめそうなテーブル席だったが、冷たい雨が降る肌寒い日に、シートが開いたり閉まったりする場所は、自分には厳しい。

扉を開け、中のスタッフに8人での利用を告げると、2階へ上がるよう促された。
壁際に並んだテーブル3卓に、8人のメンバーは並んで座った。

皆飲みたりないわけでなく、食べ足りないわけでは無い。適当に注文して、会話を楽しもうじゃあないか。

焼鳥は串盛りを、あと軟骨入りつくねを、誰かが注文したようだった。
飲物はボクは、口をさっぱりさせたかったから“生レモンサワー”にした。自分で絞るタイプでないから、安心して注文した。

今日は、石油王と話したくなった。ちょっとアイロニーがあり、会話が楽しい。なので、話を降ると、キャッチボールが楽しい。初めて会うのに、結構弄（いじく）られてしまった。

本日の主役は、若い脚本家だろう。
初めて全てを任されたのが、今日この日の公演だった。あどけない笑顔が魅力的なカノジョは、今日の作品同様に素晴らしいと思った。
今思えば失礼だと思うが酔っていることもあり女性タレント似と言ってイジってしまった。
この日のために、大阪からの遠征だった。

年配の児童作家ご夫婦との会話には、和ませ頂いた。
話し口がゆったりとして、話すだけで癒やされるご主人。奥さまは、キリっとして旦那さまをしっかり支える様が窺えた。
おふたりは菊と、このためだけに神戸から来たそうだ。

キリっとした生レモンサワーで、まったりとした口はさっぱりした。
串ものはくちにしなかったが、つくねは軟骨の食感で楽しめた。

時計を診ると、9時を回っている。
今日はそろそろ、お開きとしよう。
楽しい時間は、いつの間にか終わってしまった。
この日ばかりは、一期一会と言う表現に相応しい…そう思った。