渋谷の裏路地にひっそり佇む素晴らしい街のベーカリー。 : Parisien

この日は、25回目の結婚記念日。
満を持して、私が一番気に入っている代官山のフレンチ「マダム・トキ」で食事をしました。

その時点で、翌日の朝食用のパンは、マダムトキに隣接するパティスリー・マダム・トキで調達することに決めていたのですが、食事中にマダムトキのギャルソンについ口走った「パンがとても美味しいので、帰りにお隣りで買っていきますよ。」の一言が、その予定に手違いを生むことになります。

と言うのも、私のその一言に反応したギャルソンが、その日たまたまパティスリーでパンの用意が無かったことから気を利かして、「レストランのパンで良ければ」と持ち帰りのサービス品を渡してくれたんです。
これもマダム・トキのホスピタリティのなせる業といってしまえばそれまでですが、一方で感動しながら、一方で予定が狂ったというジレンマに陥りました。
そこで、私の頭の中に芽生えたのが、「これだけ美味しいパンなので、娘二人にも食べさせたい」という殊勝な心掛け（笑）

ということで、翌日の朝食用パンの調達は予定通り実行することにし、マダム・トキを出たところで食べログアプリで検索をかけます。
それでリストアップされたのが当店です。
渋谷駅が最寄り駅の当店。
家内にパンを買うために渋谷に行くと言うと呆れられてしまいましたが、マダム・トキからですと、代官山駅まで歩くのと渋谷駅まで歩くのとでは、距離的にそう大きな違いは無いんですよね。
しかも代官山までは上り坂、渋谷までは下り坂なので・・・と分かったような理屈を並べて了解を取ります。

マダム・トキから歩くこと10分かからないくらいで当店に到着しました。
場所は、渋谷区の桜丘というエリアになりますが、渋谷にはガキの頃から数限りなく来ている私でもこれまで来た経験がほとんどないエリアです。
こんな場所にお店があるなんて・・・とも思いますが、そんなところに来る機会も食べログ無かりせばあり得なかったことでしょうね。

裏路地の住宅街にポツンと１軒あるベーカリー。
時刻は14時40分頃でしたが、店内には先客はいませんでした。
いかにも個店ベーカリーという佇まいですが、当店が開業したのは1977年とのことですから、昨年で丸40年になる老舗ベーカリーなんですね。
長崎ご出身の現ご主人が神戸での修業を経て立ち上げられたベーカリーらしいです。
ご子息も跡継ぎとして既にお店に入っておられる模様です。

店内は、入って右手にＬ字型３段の陳列棚があって、そこ一杯にパンが並んでいます。
正面のレジ横には冷蔵ショーケースもあって、その中にも菓子類、パン類が入っています。
アイテム数は目見当で優に50種類は超えており、とても多いのですが、中には欠品となっているパンもあって、多品種少量路線と思われます。
価格は、全体的に街のベーカリー価格。とても良心的です。

懐かしいパン有り、ちょっと斬新なパン有りでちょっと迷いますが、今回は以下の２点を購入しました。
・きのこ倶楽部＠190円×１個＝190円
・ヨーグルト＠180円×１個＝180円
合計370円

やっぱりリーズナブルですね。

持ち帰って、翌日の朝食でいただきました。

きのこ倶楽部は、レンジで20秒チンした後、600Ｗのオーブンで4分間加熱していただきました。
普通のロールパンにきのこが詰め込まれ、マヨネーズ等で味付けされて焼き上げられたパンです。
きのこは、しめじ、エリンギ、エノキですがとにかくぎっしりと詰め込まれています。
この辺りの手を抜かないところは素晴らしいと思います。
味も素朴ながらとても美味しかったです。

ヨーグルトは、デニッシュ生地のパンでたっぷりのヨーグルトクリームをロールしています。
ヨーグルトクリームは甘さを抑えて有り、その分ヨーグルト本来の酸味が存分に感じられます。
その酸味がパンの風味ととても良く合います。もうちょっとだけ甘くてもいいかなと思いましたが、こちらもとても美味しいパンでした。

全体にリーズナブルなだけでなくパンもしっかりしており、街のベーカリーとしてはハイレベルなお店だと思いました。
食べログなかりせば、恐らく縁が無かったお店だと思われますので、今回は食べログに感謝したいですね。