目白３丁目、「ケンタッキーフライドチキン」。【8th】 : Kentakki Furaido Chikin Mejiro Ten

ケンタッキーフライドチキンは、１人で食べちゃダメだ…。

閉店間際、広々とした２階席で、１人ポツリとチキンを頬張っていたら、何だか泣けてきた。


思い起こせば、ケンタキーフライドチキンは、いつもワイワイガヤガヤ、楽しい宴の中にあった。
友人同士であったり、家族であったり、飲み会であったり、ピクニックやパーティーとまでは言わなくとも、何となくそういう場面である。

確かに、仕事の途中に、遠方の駅にあるケンタッキーで1人で昼食をとったりしたコトはあったと思う。
でも、夜に１人きりで食べたコトなどあっただろうか？


「オリジナルチキンボックス」(990円)　――　写真の通り。

「オリジナルチキンセット」(800円)に「オリジナルチキン１ピース」(250円)を追加しようとしたら、コチラの方がお得で、本来の「骨なしケンタッキー」を「オリジナルチキン」に変更できる説明を受け、そうした。
だから、従来より、60円安くなって、更に「ミニアップルパイ」が付いてくる。

オリジナルチキン、昔から、王道の味わいで美味しい。
個人的には、今までいかなる新商品が出ようと、このオリジナルチキンを越える味わいにケンタッキーでは出会っていない。
だから、ひたすら、オリジナルチキンだけを食べるのである。

確かにクリスピーが初めて登場したときには、その食感の物珍しさからやや食いつきそうになったのだが、味わい重視で考えれば、落ち着くトコロは決まっていた。

今さら、この食べログで味をああだこうだと書こうとは思わないが、僕と同じように熱烈なるオリジナルチキンのファンに、こういうセットの方法があるというコトを書きたかっただけである。

昔は、一度に、５コ、６コと食べるコトができたのだが、寄る年波には勝てず、今は、３，４コが限界だろう。
でも、ひたすらオリジナルチキンなのである。

ポテトも、他のファストフードチェーンと比べると、芋感が強く、モスと共に、その味の方向性は好んでいる。
マクドは、ごめんないさい。あの細さでも２，３本食べるともうアウトで、ムリな歳になった。

話しは戻るが、オリジナルチキンを立て続けに３コ頬張り、お腹も満足しているハズなのに、満腹中枢とは全く違う脳の中枢から、侘しさ指令が出てしまった。

で、冒頭のコトバなのである。
お腹が膨れて、どこか気持ちが油断したのか、何だか、妙に寂しく、侘しくなった。

あぁ、いくら腹が減っていたとは言え、もう、ケンタッキーに夜に１人で来るのは止そう。

そう思った…。

ごちそうさまでした。


以前もどこかで書いたが、ケンタッキーにおいては、店員さんの「コチラでお召し上がりになられますか？」という先制攻撃が必要になってくるように思うのである。

オリジナルチキン６ピースのパックを指差しているのに、その後での「コチラでお召し上がりになられますか？」では、ケンカを売っているようになる。
関取ならイイが、女性に向かってソレを言ったら、帰ってしまうだろう。
確かに、一度に６ピース食べる人は存在するだろうが、コトバは難しい。

「お持ち帰りになられますか？」でもシックリこない。
「お持ち帰りなられますよね？」でも、不自然だ。


かつて、六本木のミッドタウンのイートイン併設のパン屋、浅野屋（ASANOYA）で、こんなやり取りがあった。

『「クロワッサン」１つと、「オニオンチーズベーコン」も１つ。あと「ファンデュ」も下さい。
それと、「水出しアイスコーヒー」下さい。

注文している人間の頭の中は「クロワッサン」と「オニオンチーズベーコン」は今食べるが、「ファンデュ」は持ち帰るつもりだった。というか、丸っこいとはいえ、バタール、フランスパンみたいな大きなパンをココで食べるという発想自体が成立しないと勝手に考えていた。

「水出しアイスコーヒー」の注文で、ココで食べるイコールすべて食べると思われたのかも知れないが、トースターがあるわけでも無く、パン切りナイフがあるわけでも無く、バターやジャムのサービスがあるわけでも無く、誰がこんなデカいパンをココで食べるというのだ！』


客が、店内で飲食するか、持ち帰りかどちらかわからない場合、いろいろな聞き方があると思う。
しかし、買ったモノとの相関関係で、「えっ？？？」となるコトがたまにある。


（文責：京夏終空、2020.11.20）
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