おかもと 神谷町にて
まずは、新店開店本当におめでとうございます。ロケーションは、銀座から移して神谷町の地下鉄2番地上出口から数歩で到着します。
岡本さんの料理は、麻布幸村の料理長として腕をふるっていた時代に、別フロアの<心月>でお世話になったり・・・から10年以上、彼の料理に魅せられています。
彼の紡ぐ料理の足跡は、麻布幸村の料理の継承から端を発して、銀座おかもと時代にも着実に、彼の感性と技術に裏打ちされた岡本英嗣色が随所に散りばめられ・膨らみ、昇華したとえるでしょう。
師匠の料理は、唯一無二の感性からきた、幸村スペシャルとも言われる後世に残る名皿を完成させた圧倒的な存在感と受け手を見ながら供されるコース料理の柔軟な構成力・・・で、東京で独自の道を開拓されました。
師匠の料理を眼前で見ながら、自分ならこうしたいという感情が醸成されていたことでしょう。それを自分のステージで思い切り発露できているわけで、さぞかしやりがいを感じているでしょう。
板場での凛とした佇まいは、まさに歌舞伎役者さながらであります。
しかし、分け隔てなく親しみやすく、時に客に分かりやすく説明してくれるので安堵と一体感を感じることができます。
別の分かりやすい切り口でいうなら、麻布幸村よりもボリュームのある構成は、男性志向かもしれません。いつ伺っても、食材の質・量は客を裏切らないのは、誠実さゆえのものでしょう。
移転先でも、しつらえがシンプルであります。しつらえに投資するコストがあるならば、食材に注力して供したいという料理人としての矜持は、料理を純粋に堪能したい硬派な方には向いているといえます。
2月下旬のおまかせコース
・先附 鰆のたたき、白子ソース
・白魚、筍、タラの芽の天婦羅 かにの内子、身の和え物、鯖寿司
・椀 揚げ甘鯛とごぼう 蕪のすりながし
・唐墨蕎麦(蕎麦の実入り)
・焼き物 ふぐの白子ともろこ
・焼き物 間人蟹
・菜の花といくらのおひたし 鴨ロース
・炊き合わせ 鮑の唐揚げと大根 白味噌仕立て
・氷魚の炊き込みご飯 カキフライ
・黒豆のわらび餅 いちごソースのヨーグルトシャーベット
表記・内容が、多少アバウトになっているのと、好みで変更していただいているので違っている部分があるのでご容赦ください。
食材が、ややもすると何を4番打者に据えるか、悩ましいこの季節に十分な満足感が得られ、次回への切望を感じました。
個人的には、天然鰻のクオリティが比類ないレベルであること、優れた焼き師であることから、天然鰻の季節が最も好みであります。
春は花山椒鍋、夏は鱧、秋は丹波の松茸、冬は間人蟹と季節のメインの幸村スペシャルをふまえながら、彼のオリジナルの皿をどのように進化させて、コース全体として調和させて演出家として紡いでいくのか期待は膨らむばかりです。
店名 |
Okamoto
|
---|---|
類型 | 日本料理 |
預約・查詢 |
03-6432-0414 |
可供預訂 |
僅限預約
前日、当日キャンセルの場合はキャンセル料が発生致します。 |
地址 |
東京都港区虎ノ門5-2-8 サクシード虎ノ門 B1F |
交通方式 |
就在神穀町站2號出口旁邊的建築B1F 距离神谷町 57 米 |
營業時間 |
|
預算 |
¥30,000~¥39,999 ¥15,000~¥19,999 |
預算(評價匯總) |
¥40,000~¥49,999¥20,000~¥29,999
|
付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 无使用電子錢 无使用二维码支付 |
服務費收費 |
サービス料10%頂戴致します |
座位數 |
14 Seats ( 吧臺9席,桌子5席) |
---|---|
個人包廂 |
可能的 可容納2人、可容納4人 單間最多可以使用5位。 |
包場 |
可能的 |
禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 |
停車場 |
不可能 附近有投幣式停車場 |
空間、設備 |
平靜的空間,有吧檯座位 |
酒水 |
有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒 |
---|
此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
---|---|
位置 |
神秘不為人知的餐廳 |
關於兒童 |
請詢問。 |
網站 | |
備註 |
白天套餐28,000日圓~35,000日圓;夜間套餐28,000日圓~55,000日圓 請勿噴香水。 |
梅雨入り前の陽気のいい5月、花山椒で書き入れ時の日に伺いました。
地下一階の入り口をくぐると、大将とお弟子さんが威勢のいいかけ声をかけてくださいます。高級店にありがちな圧迫感がなく気後れすることはありません。単身男性をよくお見かけするのも、お一人様でも入りやすい雰囲気がある故でしょう。
○大間のまぐろ中トロのたたき みょうがを添えて 蕗のとうの佃煮 卵黄につぶマスタードソース 中とろだけに筋がなく単体でも素晴らしい旨味ですが、そこに蕗のとうの繊細な苦みと卵黄とつぶマスタードソースは辛さが一番にこないように酸味が合体して、引き算のハーモニーを奏でてくれます。初っ端から感動レベルで次への期待感が増幅してきます。
〇白魚と空豆の茶碗蒸し とらふぐ白子ソースがけ 上品な一皿ですが黒胡椒でアクセントをつけているようです。
〇鯖寿司 岡本さんの定番 一年中これが食べられるのはファンには嬉しい限りです。
〇牛すじ、百合根、きくらげの飛龍頭をおかきで衣揚げした後、さらに蒸して供された。山椒の実と芽ネギを添えて 飛龍頭の内側のシャキシャキ感と衣側のもっちり感のコントラストが絶妙だし、牛すじがパンチがあるものの、ここでも引き算でこってりしないように計算し尽されているのでしょうか。
〇カラスミ蕎麦 蕎麦の実を添えて 岡本さんの定番 蕎麦の実をまぶすということで、師匠のオリジナルからさらに進化させた一品。実が入ることによる食感と香ばしさで、品格がこんなに上がってしまうのかと・・・。オリジナルよりも好みであります。
〇お椀 白あまだい、冬瓜、クチコ、じゅんさい あおさのりの仕立て クチコ以外に塩分要素は殆ど感じません。あおさで全体を包み込んでくれていますが、繊細なピリピリ感を後味で感じたので後でお尋ねしたら、しぼりしょうがという隠し味が潜んでいたとは、いやはや驚きです。
〇ホワイトアスパラガスを岡山県の海鰻で巻いたもの 胡桃豆腐ソースは別皿で
500g程度の海鰻を豪快に蒲焼にしているのですが、タレを幾重にも塗りさらに炭火でじっくり焼き上げて供される。ここでもホワイトアスパラガスで引き算が成されているが、海鰻のふっくらとした食感と厚みのある旨味です。別皿の引き算である胡桃豆腐ソースを忘れそうになる。感動レベルですね。
〇八寸:とうもろこしと桜エビのかきあげ
あおりいかとキャビア
飛鳥の蘇
ごりの生姜煮
明太子の炙り
長いも田楽
宮古島の茶豆
ナスともずくの酢の物
とうもろこしと桜エビのかき揚げは、予想通りで大好きな一品。アオリイカもいいねっとり感と旨味を感じさせる。飛鳥の蘇は、小生がわざわざ生産元に購入しに行ったほど素朴で味わい深い。ごりは金沢の郷土料理には欠かせない魚でありますがここでは脇役となっている。長いも田楽は、初めて供されたような・・・、この中では一見地味であるが八寸の中では不可欠な一品です。
〇花山椒鍋:後味でどのくらい痺れさせてくれるかが個人的なバロメーターなのである。
4月に訪問した際は、京都・和歌山・奈良ブレンドで予想を上回る痺れで、5月の岐阜の高山産の花山椒への期待がいや増したのであります。
さっぱりとした豚肉からスタートで、岐阜の花山椒の後味が凄まじく、いい意味で勝利してしまうのですが、試合前から読めるこの予定調和とオチがなんともいえないのであります。
和牛ロースの脂分のブロックを削ぎ落してから状態で鍋にドボンされます。サーロインとかロースをそのまま鍋にドボンする店が多いが、この和食店にはそのような霜降り信仰は相容れないので有難いです。
脂分を削ぎ落としているため和牛ロースも全くくどさを感じることなく、甘い出汁に優しく包まれてからサッと引きあげられます。初っ端は、和牛ロースがガツンとくるのですが、しかしリミッターなしの大量の花山椒を含んでいるので流石ミカン科の清涼感がやってきて、さらには次の瞬間には舌をこれ以上ない位ヒリヒリさせてくれます。幾重にも連なる重層的なお味なのです。
ちなみに自分は、牛ロースを2回おかわりするのがお約束となっております。
改めて5月のおかもとさんの岐阜の花山椒鍋は質量ともに圧倒的ですね。毎年恐れ入ります。京都の和食店や中華料理店でも使用する店が増加し、単価も恐れ入るレベルになってきましたが・・・。
〇御腹もはちきれそうになってきましたが、岡山の海鰻のうな丼 花山椒を添えて
海鰻の皮はパリパリで、実はふっくらで旨味が凝縮されております。岡本さんの完成された特級焼き師ぶりに、もう陳腐な形容詞はやめておきます。
〇マナガツオと蕗の炊き込みご飯はオミヤへして頂きました。
〇アップルマンゴーとベリーのアイス オレンジピールの春巻き
麻布幸村の料理長時代からかれこれ20年弱、彼に料理を供していただいているが、最高の食材へのこだわりは独立されてから自己実現の発露の場として遺憾なく発揮されており、客として有り難く享受し明日への活力に転化させてもらってきました。
最高の食材を小皿レベルではなく、充分な量で提供するんだという意地がおありになるようで、たまに<なんちゃって花山椒の和食店>の私の経験談を振っても、苦笑するのみでそういった類いのお店をディスるなんてことは一度も聞いたことがありません。
季節の料理については、花山椒も大好きなのですが、鱧と松茸の奇跡の出会い、秋の海鰻、冬の真鴨・寒ブリ・・・季節の名皿は挙げたらきりがないのですが、最近は真鴨の季節が特に楽しみであります。
最後にお人柄について触れさせていただくと、裏表がなく、我が儘な己のような客に対する包容力と優しさに敬服するばかりです。