官方消息
本店已登錄為TabeLog店家會員。本店相關營業資訊,是由店家人員所公佈。
菊乃井で秋深まる
秋晴れの日。
菊乃井さんに長月のお料理をいただきに参りました。
この日はマイレビュアー様おふたりと。
定刻より早めに到着。掃き清められたアプローチを前にしばし待って入店。
鈴虫の音色がお店中に。9月のみの風情です。
まずは一献。重陽の節句に因んで菊花酒が振る舞われます。
黄菊の花びらがひとひら。
以下がいただいたお料理です。
◇猪口「茶豆豆腐・だだちゃ豆餡・花穂紫蘇」
山形のだだちゃ豆を葛粉と蕨湖で練り上げ、濃厚なだだちゃ豆餡をかけて。緑と花穂紫蘇の紫の美しいコントラスト。
◇八寸
京都の職人さんが作られた虫籠をかぶせて。虫籠を外すと、目にも鮮やかな。
・かます寿司 菊の花を酢飯に混ぜて。酢橘のスライスで挟んであります。
・鱧共和え 鱧を鱧の塩辛で和えて。
・茶巾栗 茶巾にした栗を更に焼いています。
・花海老味噌焼き 海老をペーストにして海老に塗って。
・鱧八幡 鱧で太い柔らかな牛蒡を巻いて。
・新銀杏酒煎り 大きな銀杏!味わいがまろやかになってきましたね。
・銀杏芋 さつま芋をいちょう葉に見立てて。
・松葉素麺 軸は海苔。本物かと見まがうほど。
◇向付「明石天然鯛・さごし焼霜 あしらい一式」
五山に因んで五角形の菊の器に。軽く酢漬けしたさごしにはぽん酢のジュレを挟んで。
明石の天然鯛は今月も極上、脂が乗ってきましたね。
◇蓋物「鱧豊年椀 松茸 三日月豆腐 小蕪 柚子」
充実しています!蓋を取ったとたんに香る松茸。新米のもち米を煎ってまぶして揚げた鱧。玉子豆腐は三日月型に。
◇焼物「からす鰈唐墨粉焼き」
からす鰈は西京味噌に漬けて水分を抜いて、唐墨粉をたっぷりと纏わせてこんがりと焼いて。ご飯が欲しくなりますね。
◇強肴「穴子豆腐 菊菜餡 菊花 山葵」
穴子を豆腐で挟んだ穴子豆腐をおかき揚げにして、春菊の餡をかけて。穴子豆腐の下に敷いた海苔がアクセント。
◇御飯「地鶏と甘栗ご飯 三つ葉 柚子」
地鶏と甘栗、いい組み合わせです。美味しくない訳がありません!食べ切れない分はお持ち帰り。
◇留椀「牛蒡のすり流し 揚げ牛蒡 黒胡椒」
手間がかかっていますね。作り方を惜しげもなく教えてくださる。自宅で作れる訳はありませんが(^^;)揚げ牛蒡が香りよく。
◇水物「シャインマスカットのパフェ」
岡山のシャインマスカット・白ワインのジュレ・マスカットのシャーベット・マスカットの寒天ゼリーと言う構成。敢えて寒天を使うことで食感の妙を楽しむという趣向。3人揃ってこちらを。
もうひとつは「チョコレートアイスクリームと濃厚プリン」でした。
お料理で深まりゆく秋を感じました。
また仲良しレビュアー様とのおしゃべりも楽しくて、あっという間にお開き。
今月も素晴らしかったです。
盂蘭盆会月の菊乃井
食べ友さまと3人で菊乃井さんでランチです。
今月は何がいただけるのでしょう。
雨上がりのアプローチはこの日も美しく掃き清められています。
カウンターのいつもの席で待っていると皆さまお揃いです。
まずは紫蘇酒で一献。
梅酒のソーダ割で乾杯です。
以下がいただいたお料理です。
◇猪口「無花果西京煮 糸鰹」
青い無花果を炊いて西京味噌と辛子で作った餡をかけています。糸のように細いかつお節を添えて。見た目よりずっとあっさりとしています。
◇八寸
思わず歓声を上げてしまいました。今月の八寸はすべて鬼灯の中にひとつひとつ忍ばせてあります。その華やかなこと!宝探しのように確認しながらいただく楽しさ。
・鶉の卵煮凝り…鶉の黄身のみを周りのお出汁のジュレと同じ固さに仕立てて。
・青瓜土佐酢和え…しゃっきりとした食感。
・寄せ鱧の子…鱧の子を浮袋と卵の2層に。涼やか。
・ささげ豆黒胡麻和え…豊かな黒胡麻が香ります。
・山桃葛饅頭…季節ですね、甘酸っぱい。
・鱧水玉胡瓜…鱧を胡瓜に射込んで。
・翡翠銀杏…これは鬼灯に添えて。走りなので特有の香りは薄く。
◇向付
今月は蓮の葉の上に。先月の瓜の器にも驚きましたが、これもなんとも風情があります。
・明石天然鯛…山葵と醤油で。こりっとした食感。
・鱧落とし…梅ソースで。まだ温かくふんわりと。
・あしらい一式…黄韮の酢漬けが添えられ。
◇蓋物「賀茂茄子の揚げ出し」
先月くどうさんでも使われていた、賀茂茄子の形を模した器。蓋は本物です。
賀茂茄子は蕩けます。揚げた海老つみれと万願寺唐辛子も入って。薬味は浅葱。
◇焼物「鱧木屋町焼き 緑酢」
村田大将が江戸時代の「鱧百珍」のなかのお料理を令和に合わせ菊乃井流に復刻。木屋町=鴨川と高瀬川の間にあるというので、鱧を皮目を外側に身を内側にして焼いたもの。何とも粋な。身に挟んだのはブラウンマッシュルームのペーストの味噌漬け。イタリアンのような風味。
ミント・クレソン・ルバーブのつけだれはお好みで。
◇強肴「冬瓜饅頭 牛肉 生姜」
冬瓜をくり抜いた中にはカカオと八丁味噌で味付けた牛肉。お出汁はテールスープの葛仕立て。
青臭い固めの冬瓜が夏を感じられて良いです。
◇ご飯「鮎ご飯・香の物」
焼物が鱧でしたので、鮎はご飯で登場。丁寧に頭と骨とヒレを取り除いてくださいます。鮎のいい香りを楽しめます。
◇留椀「赤万願寺唐辛子すり流し 蓮根餅」
赤万願寺唐辛子とは珍しい。あまり出回らないそうです。淡い甘みの中にこんがり焼かれたもちもちの蓮根餅が隠れていました。
◇水物「黒蜜アイスクリーム ピーナッツ豆腐」
「ミントアイスクリームとメロン」との選択。あっさりとした黒蜜のアイスにピーナツバターを乗せたピーナツ豆腐を添えて。
◇京番茶
今月も堪能しました。特に鬼灯に飾られた八寸と蓮の葉に盛られた向付には胸を揺さぶられる思い。子供の頃から慣れ親しんだ実家でのお盆の光景がありありと浮かびました。
菊乃井で七夕ランチ
七夕の日、こちらで女子会ランチを楽しみました。
店内には祇園祭の団扇が飾られ、華やかな雰囲気に彩られています。
ランチ懐石(13000円、+税、サ)です。
まずは一献。今月は祇園祭のご神酒。
いつものように玉露「玉兎」がお供です。
いただいたのは以下のお料理。
◇猪口「生雲丹豆腐 山葵餡 和布ピューレ」
豆乳で作ったお豆腐に雲丹を挟んだ生雲丹豆腐。山葵餡がつんと香ります。
◇八寸
茅の輪の設え。
・鱧寿司…鱧を白焼きにしてから煮たそうです。
・サフラン生姜…鮮やかな黄色。甘いんですね。サフランが香ります。
・甘鯛水玉胡瓜…胡瓜で甘鯛を巻き込んで。
・花海老…海老の松風。海老にケシの実を纏わせて。
・胡麻酢和え…青瓜の雷干しと利休麩です。青瓜のパリパリとした食感がいい。利休麩も美味。
・花穂紫蘇
・鮑…柔らかく煮込まれています。
・蛸の子…珍しい。甘辛く炊かれて。これは珍味。
◇向付「明石天然鯛 鱧落とし あしらい一式」
瓜をくり抜いた器が何とも涼し気。あしらいは瓜の中に仕込まれています。
出来立ての淡路の鱧はふんわりと。梅ソースがよく合います。鯛はお醤油に脂が滲みます。ものすごい弾力。
◇蓋物「冬瓜饅頭 すっぽん 京隠元 木の芽餡」
丸くくり抜いた冬瓜の中にはすっぽんの真薯を詰めて。木の芽餡が香りよくとろりと。もちろん飲み干します。
◇焼物「鮎塩焼き 蓼酢」
琵琶湖の稚鮎。ひとり2尾。生きたまま串を刺し焼くことで、臭みが皆無。そのため最小限の塩で済むそうです。相変わらず美味。頭からがぶり。蓼酢もいい。
◇強肴「夏越しの薬石(豚)」
黒豚を使用した豚の角煮。黒糖・八丁味噌・カカオで3日間炊いて。じゃが芋のピューレがかかり、和辛子を添えて。お箸ですっと切れるほど柔らか。白芋茎を横に。
◇ご飯「もずく雑炊 胡瓜 花穂紫蘇 山葵」
いつもの炊き込みご飯に代わり、冷たいもずく雑炊。さっぱりとさらさらいただけます。
◇水物「八つ橋アイスクリーム わらび餅」
又はミントアイスクリーム メロン。この日は前者を。
八つ橋を砕いて練り込んだアイスはにっきが香ります。この八つ橋、アイスに入ってもしんなりすることなく、ぱりぱりを保っています。添えられたわらび餅もぷるんぷるん。
今月は「涼」を感じるすっきりとしたお料理でした。器もどれも涼し気です。
季節感をたっぷりと巧みに盛り込んだ素敵なお料理の数々。楽しい女子会となりました。
水無月、万緑のなかの菊乃井
梅雨に入りました。今月の菊乃井さんには食べ友さんと3人で。
到着すると万緑に囲まれた空間はまさに赤坂の異空間です。
まずは一献。傘の形をしたお猪口です。紫蘇酒。紫蘇の葉や花をとった軸から香りを移したそう。鮮烈に香ります。
乾杯は今回も玉露の冷茶「玉兎」で。いただいたお料理は以下の通りです。
◇八寸
蛍籠の登場。何とも風情があります。中から現れましたのは色とりどりの数々。
・凧の子 初めていただきます。甘く炊いて。珍味ですね、美味しい。
・小茄子翡翠煮
・枇杷玉子 一瞬、蛍の光お尻かと思いました。鬼灯を表現。
・花付胡瓜ひしお味噌 花も食べられます。
・鱧南蛮漬け 葱を巻いてあります。
・枝豆
・新甘藷
・烏賊酒盗焼き 烏賊に酒盗を塗って焼いています。
・青万願寺唐辛子
・浅利 大きな浅利!
◇向付一、「明石天然鯛 縞鯵 あしらい一式」
高瀬舟を模した器で登場。川船ですね。切妻の屋根の部分を外すと、中にはお造りが!
大分の縞味は脂が乗っています。ポン酢のゼリーを巻き込んで。黄韮を添えて。鯛はいつも通り新鮮そのもの。
◇向付一、「鱧落とし 梅肉醤油 花穂紫蘇」
淡路の鱧を骨と頭でとったスープに落として旨味を吸わせて。温かいのでふんわりしています。変な弾力は皆無。まろやかな梅酢と共に。
◇蓋物「穴子豆腐 冬瓜 木の芽餡 水煎餅」
伝助穴子をすり身にし、卵白で真薯仕立てに。お出汁には冬瓜・実山椒が。ここに水煎餅を落として薄氷が解けゆく様を表現。水煎餅は2枚のオブラートの間に木の芽と八丁味噌パウダーを挟んで揚げたもの。涼やかさを演出しています。一枚の絵画のよう。
◇焼物「鮎塩焼き 蓼酢」
ピチピチ跳ねる琵琶湖の鮎を塩焼きに。頭を下にすることで脂が頭に降りてきて揚げ焼きのように香ばしくいただけます。脂と塩で甘さを感じます。蓼酢はオリーブアイルとクレソンが隠し味。
◇強肴「冷やし焚き合わせ」
京都で3件しか作っていないという賀茂茄子と、青芋茎・蓮根炒り煮・京隠元の焚き合わせ。油を吸った茄子と甘辛く仕上げた新蓮根が本当に美味しい。蓮根、たっぷりと白飯で食べたい。
お出しは賀茂茄子を炊いたお出汁をジュレにしてかけてあります。
◇ご飯「新生姜御飯 三つ葉」
爽やかな新生姜の炊き込みご飯。梅雨バテ気味の体に活力が与えられますね。
◇留椀「新玉葱すり流し 小玉葱 赤万願寺唐辛子 七味」
今月は新玉ねぎ、さらりとしたスープはコンソメのような風味が。小さな新玉葱も具に。
◇水物「黒蜜アイスクリーム フルーツ蜜豆」「オレンジ蜂蜜アイスクリーム フルーツゼリー」
選べない!食べ友さんと一緒に初めて2ついただいてしまいました。(追加800円)
こくのある黒糖アイスクリームには黒蜜が。寒天・西瓜・白玉・茹で小豆。清涼感があります。
蜂蜜アイスクリームと前者の黒糖のものはお味はもちろん、質感が全く異なります。
食後にほうじ茶をいただき、寛ぎます。今月も素敵なお料理をいただけました。
梅雨という時節柄、清々しくすっきりした好印象。
初めて訪問されたおふたりの食べ友さんにも喜んでいただけ嬉しいです。
風薫る候の菊乃井
新緑が眩しくなってきました。毎月楽しみにしている菊乃井さんでのランチです。
先月は枝垂れ桜が花をほころばせていましたが、この日は瑞々しい新緑が迎えてくれました。
カウンターの席には食べ友さんが既にお待ちでした。
まずは一献。今月は「菖蒲酒」、菖蒲の根に熱を加え、お酒に香りを移したもの。
そしてお供は冷たい玉露「玉うさぎ」。
いただいたのは以下のお料理です。
◇猪口「長芋羹 山葵餡 花穂紫蘇」
器もスプーンもガラス製。初夏の設え。刻んだ食感を残した長芋羹には山葵餡をかけて。花穂紫蘇が爽やかな香りを加えます。
◇八寸 菖蒲の花を添えた箱を開くと。
・鯛粽寿司
・油目新子南蛮漬け 新子に玉子の黄身を纏わせて。
・鯛子落雁 鯛の子をまとめて落雁に。
・枝豆 いい茹で加減。
・酢取茗荷 葵祭の流鏑馬神事で用いる矢を表現。
・的穴子 穴子の白焼きに干瓢の甘煮を巻き付けて、的を表現。酢取茗荷の傍に置いて。
・鴨大和煮 甘辛く炊いた鴨肉の大和煮、花山椒を乗せて。
・小芋絹かつぎ 皮つき。大徳寺納豆を詰めてあります。
◇向付「明石天然鯛 縞鯵 あしらい一式」
脂の乗った鯛。縞味は鯵はそれを上回る脂の乗り。あしらいは独活と人参で菖蒲の花に見立てて。
◇蓋物「甘鯛新茶蒸し」
アルデンテに茹でた茶蕎麦を湯葉と若狭のぐじで巻いて。
スープは鰹と昆布のお出汁に玉露と抹茶を加え、お醤油と味醂で調味したもの。そばつゆを意識したそうです。蒸し上げたことで茶蕎麦も程よい柔らかさに。
◇焼物「鮎塩焼き 蓼酢」
琵琶湖の鮎を蓼酢で。昨日から始まったとのこと。タイミングが良かった!小ぶりですが成魚だそう。それゆえ柔らかく、苦みはしっかりと。
◇強肴「牛肉花山椒鍋」
黒毛和牛を筍、蕗、うるい、菜種と炊いて。卵黄と山椒オイルの黄身だれでいただきます。春をぎゅっと凝縮したようなお鍋!
◇御飯「鯛ご飯」
炊きあがりを目の前で。鯛をほぐしてくださいます。刻んだ木の芽が振られて。
◇留椀「新キャベツすり流し 長芋真丈 黒胡椒」
今月の留椀は新キャベツ。瑞々しさを感じます。オランダ真丈は長芋羹の端を使用されたそう。見事な始末の精神です。黒胡椒がアクセント。香の物は割り干し大根・筍・菜種。
◇水物「黒糖シャーベット 抹茶豆腐 小豆」
又はミルクアイスクリーム 苺ソースからの選択。甘くない濃い抹茶の豆腐はふるふるです。甘い小豆と和えると素敵。黒糖シャーベットはコクがありますね。
毎月通っていても全く飽きることはありません。季節と年中行事とを織り込んで見事なお料理に仕立ててあります。訪問するたびに新しい発見があり。来月は何がいただけるでしょうか。
満開の桜に華やぐお料理
昨日の冷たい花冷えの雨が嘘のような暖かな1日。
ランチで菊乃井さんに伺いました。入口の枝垂れ桜の咲き具合は?昨日の雨にも関わらず満開を保っていました。アプローチには山吹も咲いています。赤坂とは思えない空間が広がっています。
この日は奥のカウンターで。マイレビ様がすでにお待ちでした。
ドリンクは冷たい玉露をいただきます。
まずは桜酒で一献。桜の葉を浸したお酒です。飲んだ後にふんわり桜の葉が香りました。
以下、いただいたお料理です。
◇八寸
花見籠には埼玉で咲いたと言う染井吉野の生花が飾られています。籠には次のお料理がこんもりと。
「鯛木の芽寿司・蝶々長芋・蛸柔らか煮・一寸豆・花弁百合根・いくら醤油漬け・煎り卵・花弁独活・わらび烏賊・花見串(アボカド味噌漬け・海老艶煮・鴨松風)」
そして添えられた小さな器には「蛍烏賊柚香漬け」。お酒・味醂・お醤油で漬けた蛍烏賊に柚子の香りをつけたもの。これが最高に美味。同じ香りがするお料理は一度のお食事にふたつと無い、という徹底ぶり。
◇向付「明石天然鯛・鮪 あしらい一式」
活きたまま京都から直送された鯛は提供7時間前に締めるというのがこちらのこだわり。ぷりぷりの弾力と甘みが堪りません。
壹岐の本鮪は卵黄の醤油漬けを燻製したものを巻いて。鮪のあっさりしたお味に濃厚さと薫香が加わります。水前寺海苔を添えて。
◇蓋物「海老真丈桜花仕立て 蓬豆腐 結びうるい 木の芽」
桜模様の螺鈿がみごとな明月椀。お出汁の中にふわふわ漂っているのは塩を抜いた桜の花びら。このお料理のためだけに用意している器だそう。やわらかな海老真丈の下には蓬豆腐。生の蓬から作ったお豆腐は蓬の薫り高く。
◇焼物「桜鱒燻し焼き 緑酢」
黄色のお皿と紅色の桜鱒、たでとミントとクレソンから作った緑酢の色合いが美しい。桜鱒は桜のチップで燻したそう。ディルを添えて?濃厚な桜鱒は桜のチップに負けていません。フレンチのような味わい。
◇酢物「もずく 長芋そうめん たらの芽 生姜」
そうめんより細い長芋に石川の細いもずく。土佐酢で口のなかをさっぱりと。生姜が香ります。
◇強肴「甘鯛桜蒸し 道明寺 筍 桜の花 菜種」
刻んだ筍入りの道明寺を甘鯛でくるりと巻いて。桜の葉で包まれています。熱々の葛仕立て。道明寺粉を散らして散りゆく桜の花びらを表現。
◇御飯「筍御飯 木の芽」
細かなさいの目に刻んだ筍がたっぷり入った筍御飯。木の芽が香ります。食べ切れず、お持ち帰り。
◇留椀「うすい豆すり流し 長芋真丈」
この日の留椀はうすい豆。なんと緑の鮮やかなこと!魚の白身を加えたオランダ真丈が潜んでいます。濃く見えますがいただくとポタージュよりも軽い。
◇水物「冷やし汁粉」
レモンをくり抜いた器に入った杏仁豆腐との選択。さらりとしたこし餡の冷たいお汁粉に白玉団子と白木耳。そこにミルクアイスクリームが浮かんでいます。このアイス、牛乳を半分まで煮詰めて作られたそう。濃厚ながらすっきり。
桜が美しく咲いた年は働くスタッフの皆さんも気持ちが華やぐという。この日は皆さんの笑顔も満開でした。楽しく美味しいひととき。
桃の節句の菊乃井さん
日増しに暖かくなってきました。
午前の仕事を終え、弥生のお料理をいただきに菊乃井さんに向かいます。
綺麗に清められたアプローチを進み、扉を開けると、いつものようににこやかに出迎えてくださる女性の方。
上着を預け、カウンターに座ります。慌ただしい年度末を過ごしてい気持ちが嘘のように整います。
まずは一献。弥生は白酒です。ほんのり甘いひな祭りのお味。
冷たい玉露をいただき、お食事のスタートです。
◇八寸
美しい二段の器は桃色の紐で結んであります。結び目をそっと開くと鮮やかな八寸の品々。
・筍・独活・烏賊木の芽和え
・蛸柔らか煮
・豆苗絹さや白酢和え
・白魚寿司
・花弁百合根
・いくらの醤油漬け
・人参葉辛子醤油和え
・蕨
蛤の貝殻に金彩を施した美しい器を二段の左右に分けて。
筍・独活・烏賊を同じ大きさに切りそろえてあります。いただいて初めてわかる、食感の妙。
蛸の柔らか煮に微細な炒り玉子をまぶし、まるで菜の花のよう。
絹さやを豆苗と同じ細さに刻むなんて!
彩り豊かな八寸のお料理。
◇向付「明石天然鯛・小鮪 あしらい一式」
菊乃井さんで天然鯛が供される季節がやってきました。脂ののりに品があります。
小鮪には京都の辛味大根がこんもりと。初めてのいただき方。さっぱりして美味しい。新海苔の酢漬けを添えて。
◇蓋物「蛤真丈うす葛仕立て こごみ 結び人参・うるい」
輪島塗の見事なお椀。鶯が一羽、春を告げています。蓋裏もお見事。満開の梅に鶯。
蛤の蒸し汁を加えた濃厚なお出汁に蛤のほか、帆立やつぶ貝で食感を出している真丈。
◇焼物「からす鰈の菜の花焼き」
味噌漬けにしたからす鰈の身の厚いこと!ふっくらと焼きあがっています。上には細かな炒り玉子と木の芽。こちらもまた菜の花ですね。
◇揚物「山菜白扇揚げ」
独活・たらの芽・こごみ。山菜の代表選手たち。片栗粉と葛粉を併用することで衣がはがれるのを防ぐのとともに雪が解け草木が地面から芽を出すのをイメージ。春の味わい。
◇強肴「海苔鍋」海老・貝柱・烏賊真丈・蓬豆腐・小蕪・菜種
お鍋の支度が始まりました。今月はあおさのりをたっぷり張った海苔鍋です。
いろいろな海鮮になんと自家製の蓬豆腐。蓬の風味の濃いこと!この蓬豆腐をいただけただけでも今月こちらにやってきた甲斐があるというもの。海鮮の旨味を吸った海苔のお出汁も残さずいただきました。
◇御飯「河豚御飯 葱 生姜」
名残の河豚をご飯でいただけるとは。河豚をたっぷり炊き込んで、葱と生姜と太白油で香りづけ。
美味しい。お代わりしたいけど、デザートにお腹を残しておかねば。残りはお持ち帰りです。
◇留椀「茸すり流し 黒胡椒」
毎月変わる野菜を用いた留椀も楽しみのひとつ。
今月は椎茸とポルチーニ。乾燥ポルチーニを戻したお出汁も使用。具として炊いた椎茸も入っています。薫り高いですね。トリュフご隠し味。黒胡椒がアクセント。
◇水物「はったい粉アイスクリーム 白玉団子 つぶあん」
「パッションフルーツのソルベ マンゴースープ」からとの選択。毎回悩みますね。
はったい粉の素朴な甘さがいい。白玉は串に刺して。粒あんの美味しさは言わずもがな。
お料理もさることながら、器も楽しめる菊乃井さん。お若いスタッフの方々に食材についてや調理方法を伺うのもまた喜ばしく。
次回は桜がほころぶ頃に伺いましょう。
如月の菊乃井さんで初午を迎える
今月の菊乃井さん、食べ友さんと訪問しました。
午前中の仕事を何とか切り抜け、急いで向かいます。
すでに友人がお待ちでした。カウンターです。
まずは一献。梅花酒を。ほんのり梅が香ります。この日は冷たい玉露で。
◇猪口 赤蕪蒸し 海老餡かけ 山葵
海老のいい香りが漂います。餡には海老のお出汁がたっぷり。蕪蒸しの中にも海老が。山葵を溶いていただきます。
◇八寸 ・手綱寿司 ・菜種辛子和え ・蕗の薹味噌漬け ・のし梅 ・梅豆腐 ・花山葵
・貝柱唐墨粉焼 ・鴨松風 ・黒豆
村田大将手書きの「春光来福」の文字。達筆です。穴子と海老の手綱寿司はお味も見目も麗しく。
蕗の薹の味噌漬けに春の息吹を感じます。梅にかたどった梅豆腐は愛らしく。花山葵はつんと香ります。唐墨粉焼きは香ばしく、黒豆のなんと柔らかいこと!
◇向付 平目 小鮪 黄身醤油 あしらい一式
素敵な水仙の器!持って帰りたいほど。菊乃井さんの器は、このように1年に1か月しか使わないものがおよそ半分だそうです。
平目は縁側と身と。身の中には蒸した肝を忍ばせて、山葵醤油で。鮪は黄身醤油の濃厚さを楽しむためにあえて「こしび」と呼ばれる小さなものを。
◇蓋物 百合根饅頭 鶉丸 フォアグラ 結び青味大根・人参 トリュフ餡
またまた素敵な濃紺の器。蓋裏には咲き誇る梅の中に桜が一輪。これも今月しか使われないという。トリュフ餡のなかにはフォアグラを包んだ鶉肉を百合根饅頭に仕立てて。これって材料はフレンチですが、着地点は確かに日本料理。素晴らしい発想。
◇焼物 塩鰤酒焼き 辛味大根
氷見の天然塩鰤の酒焼き。皮がこんがりと香ばしく。表側しか炙っていないそうです。橙の皮をおろして振ってあります。お好みで橙を絞って。京都の辛味大根をたっぷりと。
◇強肴 三方柑雲子豆腐 銀餡 ぽん酢 唐辛子
なんと、三方柑をくり抜いて器に。使用する三方柑はすべて葉付き。数を揃えるの大変でしょう!雲子豆腐は豆乳などで滑らかに仕上げ、また雲子もそのまま入っています。皮に近い部分は三方柑が香り、中央は雲子本来のお味を楽しめます。三方柑の果汁で作ったぽん酢で味を変えて。唐辛子がアクセント。
◇御飯 初午御飯 人参 油揚げ 貝柱 三つ葉
2月初午の日を控えて、初午御飯でした。京人参は伏見稲荷の赤い鳥居をイメージされて。お揚げは狐の好物。干し貝柱で味わい深く、三つ葉と柚子で薫り高く。滋味深いご飯です。余った分はお持ち帰り。
◇留椀 牛蒡すり流し 黒胡椒
菊乃井さんのお野菜のすり流しが毎月楽しみ!今月の留椀は牛蒡です。繊維を全く感じさせない秘密は、冷凍したり、粉砕したり。いろいろ工夫されています。葛でとろみをつけて、香ばしい揚げ牛蒡をひとつ浮かべて。胡椒が香りを引き立てます。
◇水物 抹茶パフェ
八朔アイスクリーム&カカオ豆腐からの選択。お抹茶は辻利のものだそう。濃いアイスと白玉、小豆の炊き加減の佳き哉。
スタッフの皆さんが毎回お料理の作り方を惜しげもなく教えてくださいます。実際に家庭でも真似できることや、とても真似できないこともありますが、とても楽しい。
季節感や年中行事を盛り込み、フレンチの食材までも日本料理に仕立て上げます。
素敵な器を拝見できるのも楽しみのひとつ。
眼福、口福極まれり。
新春の菊乃井さん、新年を寿ぐ
今年の外食初めはこちらです。仕事始めの後に伺いました。
綺麗に掃き清められた塵ひとつないアプローチを進んでいくと、お店の方が気配を察し扉を開けてくださいます。新年のご挨拶の後、着席。今回はお庭が見えるカウンターでした。
まずは一献、今月は新年を祝い金箔の入った日本酒でした。
白穂香をいただき、ランチのスタートです。
◇猪口「赤飯蒸し 鼈甲餡 汲み上げ湯葉 山葵」
自家製のお赤飯の上にとろりとたっぷりの汲み上げ湯葉をのせ、鼈甲餡をかけたもの。山葵を少し溶いていただきます。お赤飯の小豆の粒が大きいです。鼈甲餡で冷えた身体が温まります。
◇八寸「花びら鮨 小川唐墨 菜種辛し和え 豆慈姑 千車唐味噌漬け 子持ち昆布 ごまめ 黒豆」
新年を祝った八寸です。花びら餅を模した花びら鮨、サーモンでくるまれた酢飯を聖護院蕪の薄切りで覆って。先月もいただいた小川唐墨は切り方を変えて。ごまめは金時人参で結び、黒豆は皺ひとつなくふっくら柔らかく蜜で炊かれています。
◇向付「九絵 さごし焼霜 あしらい一式」
瀬戸内のさごしは焼霜で。脂がのっています。鰆になる前なので身が柔らか。九州の九絵は届いたばかりのもので弾力があります。大根と人参の剣は高く尖っています。水前寺海苔や蕪と人参でできた梅が美しい。
◇蓋物「宝袋 海老金つば 白味噌餡 トリュフ 絵馬慈姑 豆腐 焼き葱 柚子」
なんとおめでたい、宝袋をかたどった器の蓋を開けると。お豆腐の上に海老と白味噌の餡をかけて、卵黄を纏わせて揚げた海老、焼き葱、寅の焼き印を施した慈姑、柚子を賑やかにのせています。トリュフ餡もかかっています。トリュフ餡の風味が素晴らしいですね。
◇揚物「無碍乃芋あられ粉揚げ 針柚子」
無碍乃芋とは、里芋と海老芋を掛け合わせた、こちらの村田大将が名前を付けた新しい品種のお芋だとか。片方はあられを細かく砕いて衣に。もう一方は慈姑チップスを砕いて衣にしているとか。揚げる前に淡いお出汁で炊いていていいお味。
◇強肴「鰤しゃぶ 聖護院大根 九条葱 橙 玉葱ぽん酢」
お刺身でもいただける氷見の寒鰤を厚切りでしゃぶしゃぶに。お出汁には大きな聖護院大根が1切れ。九条葱と下仁田葱も煮ていただきます。自家製玉葱ぽん酢が甘くて美味。橙を絞って。
◇御飯「蒸し寿司 穴子 金糸玉子 焼き海苔 小梅人参 柚子 生姜」
熱々の菊の器は蓋を開けると蒸し寿司が。酢飯には人参や干し椎茸の千切りが。それに刻んだ穴子や金糸玉子、焼き海苔などが彩りよくのっています。
◇止椀「粕汁 大根 人参 揚げ 芹 七味」
粕汁には白味噌も入っています。品のいい粕汁ですね。身体が温まります。
◇水物「八朔杏仁豆腐」
「ミルクアイスと苺スープ」とからの二者択一。今回は杏仁豆腐にしました。
すると、丸ごとの八朔を器にした杏仁豆腐が現れました!これにはびっくり!!
杏仁豆腐の上に八朔のソースと果肉がたっぷりのっています。甘めの杏仁豆腐に八朔の酸味と苦みが効いています。
お店全体が新年を迎え、華やいだ雰囲気に包まれています。
新年に相応しい昼食をいただくことができました。
初冬の菊乃井、とらふぐと真鴨を味わう
たまの平日休み。この日は菊乃井さんでランチです。冷たい雨の中、11時50分にお店に到着しますと、ちょうど「支度中」の札が取られたところ。
いつものお庭が見えるカウンターがいっぱいで、この日は奥のカウンターに案内されました。お庭が見えないのが残念ですが、こちらは親戚のダイニングに通されたような親しみを感じます。
まずは一献、柚子酒をいただきます。お酒は期間限定、仙台の「雪だるま」を1合。
以下がいただいたお料理です。
◇猪口「雲子蒸し トリュフ餡 葱」
鱈の白子にトリュフ餡をかけて。白子がとろりと。トリュフ餡は初めていただきます。香り芳しく。
◇八寸 今月は硯箱に7種が整然と並んでいます。
・椿寿司…サーモンで作られた椿。美しいです。酢飯は柚子が香ります。
・菜種辛子和え…もう菜の花が出ているのですね。
・助子落雁…鱈子にゆり根や人参を加えて落雁に見立てています。
・辛子蓮根…土佐粉をまぶして油で揚げて。
・小川唐墨…烏賊で唐墨を巻いて味醂醤油にひと月漬けて。烏賊の食感が面白い珍味です。
・豆腐味噌漬け…他のお店でいただくよりも柔らか。大豆の風味が良いです。
・海鼠みぞれ和え…刻んだ海鼠を土佐酢でみぞれ和えにして。さっぱりといただけます。
◇向付「てっさ あしらい一式 ぽん酢」
こちらでは毎月甘鯛を出されていますが、12月だけはてっさを。淡路のとらふぐを使用。ご主人の村田さんが「ぽん酢で出すのはぽん酢を食べるようなもの」とおっしゃって、直七という宮崎の柑橘と塩でいただくことを思いついたそう。あっさりとした直七が身厚のふぐを生かし、本来の甘みを味わえます。水前寺海苔という淡水で採れた海苔を添えて。
◇蓋物「甘鯛蕪蒸し 生雲丹 銀杏 木耳 三つ葉」
聖護院蕪で甘鯛を蒸しあげて。生雲丹・木耳・三つ葉、ゆり根も入っています。これらを「すべて混ぜてお召し上がりください」とのこと!本来混ぜ合わせていただくものだそうなのです。
熱々です。色々な旨味が混ざって優しく。
◇焼物「鰆朴葉焼き」
味噌幽庵に7~8時間漬けて柚子味噌をたっぷり塗って。柚子味噌はペースト状にした柚子に白味噌と卵黄、豆乳を混ぜて。ぽったりとした味噌が朴葉で焼かれて香ばしく香ります。
◇強肴「鴨鍋 鴨丸 九条葱 下仁田葱 粉山椒」
愛知の真鴨。葱が主役のお鍋だそうです(笑)なんと鴨は脇役。10秒経った鴨は返してすぐにいただくと、なんて柔らか!こんなに柔らかな鴨は初めて。葱はもちろんのこと、鴨のお団子も実に美味。
◇御飯「穴子御飯 三つ葉」
土鍋で炊きあがったのは穴子御飯。1キロ近い「伝助穴子」を鱧のように骨切りして用いているそうです。脂がお米によく乗っています。こちらにしては意外なほどお醤油の色が濃く、はっきりした味わい。食べ切れなかったご飯は折に詰めていただき、お持ち帰り。
◇留椀「金時人参すり流し 巻湯葉 七味」
お椀は金時人参の橙色が鮮やかです。いわゆる西洋人参と異なり、人参の香りが穏やかでまろやか。巻湯葉が沈んでいます。生七味がアクセント。
◇水物「苺アイスクリーム 苺スープ」
「柚子ソルベと柿、紅茶ジュレ」との選択で、こちらを選びました。苺のシーズン到来ですね。苺アイスもスープも酸味と甘みのバランスがよいです。合わせるとなお良し。フレンチのデセールをいただいているみたい。
こちらでのお席は初めてでしたが、見慣れた方々が順番に顔を出してくださいます。
京都の本店は未訪ですが、お料理はすべて仲居さんが出すので料理人の方々とお話する機会は全く無いそうです。色々なお話が伺えて楽しいです。
充実したランチタイムを過ごすことが出来ました。
晩秋の菊乃井、お庭の赤い椿を眺めながら。
前回素晴らしい初秋のお料理をいただき、度々訪問しようと決意するものの、10月は予定が合わず。今回は晩秋のお料理をいただきにやって参りました。
午前中の仕事を終え到着。アプローチを歩きながら胸が高鳴ります。
少し遅めのスタートです。
カウンターに案内されます。見覚え有る面々。何だか嬉しい。
穂乃花を注文して、ひと息。
◇一献「柚子酒」
柚子の爽やかな香りが立ち昇ります。美味しいですね。
◇八寸「うおぜ・花海老味噌焼き・慈姑煎餅・壬生菜・茸・唐墨・鴨松風・紅葉烏賊・松葉素麺・粉吹き銀杏」
その美しさに思わずため息。黄色い香合の中にはお味のついたうおぜ(関東ではエボダイと呼びますね)と壬生菜となめこがぎゅっと詰まっています。
鴨の肝を使った松風はクリーミー。ブランデーに漬けたレーズンと松の実入り。
烏賊には雲丹を塗って黄色く仕上げて銀杏の葉にくり抜き。
慈姑はぱりぱりと歯ざわり楽しく。
そして!銀杏にはうっすらと霜が降りていますよ。氷餅を粉末にしてまぶして表現。素晴らしい。
◇向付「明石天然鯛 壹岐の鮪 あしらい一式」
お醤油と特製黄身醤油でいただきます。鮪には辛子がちょこんと。美しい鮪です。
鯛は身がぷりりと。鮪は上品は脂がのっています。
◇蓋物「甘鯛粟蒸し」
9月と同じ萩の器。蓋を開けると緑鮮やかな菊菜餡が目に飛び込みます。
甘鯛の身で粟と椎茸と栗を包んで。粟が餅粟かと思うほどもっちりしているのですが、道明寺粉でとろみをつけているからだそう。青味大根も人参も結わえてあります。柚子の皮がのって。
◇焼物「かます杉板焼き」
高知のかますを味噌漬けして杉板焼きに。杉の香りが移って。大きなかますは脂がのって食べ応えがあります。身がしっかりしています。直七という柑橘を絞っていただきます。まろやかな柑橘。
◇酢物「柿と蓮根なます」
さくさくの新蓮根の薄切りの下には丸くくり抜いた柿が隠れています。お口直しにさっぱりと。
◇強肴「鯛頭と京野菜鍋」
ここでお鍋の準備がされます。ぐつぐつ煮えたぎった小さなお鍋の登場。
聖護院蕪のみぞれと先ほどいただいた鯛のお造りの頭のお鍋です。鯛の頭は食べるところがたくさん!小蕪・人参・里芋・堀川牛蒡・九条葱・蕪菜など京野菜がたくさん入っています。添えられたぽん酢もいらない程いいお出汁です。最後まで飲み干します。
◇御飯「秋刀魚御飯」
土鍋でご飯が炊きあがりました。なんと秋刀魚が一尾、横たわっています。生姜と葱が効かせてて、秋刀魚を品よくまとめ上げています。お茶碗に軽く一膳いただき、あとはお持ち帰りさせていただきました。
◇留椀「白菜すり流し」
白菜のすり流しとは!初めてです。巻湯葉と黒胡椒がアクセント。とても優しい味わい。
炊いた白菜をフードプロセッサーにかけ、お出汁と合わせる。白菜が沈殿しないよう葛粉を加えるそう。自宅で作るわけもないのですが、ついつい作り方をお聞きしてしまいます(苦笑)
◇水物「代白柿」
奈良の渋柿を室で渋抜きし、ブランデーをかけて。甘くてふるふる、まるでゼリーのよう。
キャラメルのアイスに蕎麦粉カステラも追加でいただこうかと思いましたが、さすがにギブアップです!
晩秋の菊乃井さんも素晴らしかったです。東京でこのお味、この素材のお料理がいただけるとは。
何ともありがたいことです。目でも舌でも楽しむとはまさにこのこと。
来月の予約をしてお見送りいただきました。
伝統と技術に裏打ちされた素晴らしい秋の味覚
穏やかな秋晴れの祝日。お食事会で菊乃井さんに伺いました。1年ぶり、2度めの訪問です。今回は常連さまとご一緒させていただきました。
赤坂駅から徒歩5分とは思えない森閑としたアプローチに心躍ります。
いただいたのは9月懐石ランチコース(11,000円+税・サ)。
緊急事態宣言下につき、お茶で。
お料理は下記の通りです。
◇一献「菊花酒」
ノンアルコールの日本酒。菊がほのかに香ります。
◇猪口「胡桃豆腐 デラウェア 山葵餡 花穂紫蘇」
ペーストのみならず胡桃の実も入っていて香ばしく。デラウェア、久しぶりにいただきました。胡桃豆腐によく合います。
◇八寸「かます寿司 鱧真砂和え 鱧八幡巻き 焼き目栗 花海老味噌焼 新銀杏酒煎り 銀杏芋 松葉素麺」
京都で作らせた虫籠が被せてあります。素敵。虫籠を取ると、淑やかな八寸がお目見え。
・かます寿司 酢橘の香りと酸味がかます寿司を引き立て。
・鱧真砂和え 鱧の卵で和えた鱧は珍味。
・鱧八幡巻き 牛蒡が香ります。美味。
・焼き目栗 シンプルに焼いただけ。栗の持つ甘みが立っています。
・花海老味噌焼き 香ばしく焼き上げれられ。
・新銀杏酒煎り もっちりした新銀杏。
・銀杏芋 銀杏の葉を模して、秋らしく。
・松葉素麺 相変わらずリアルな出来栄え。
◇向付「明石天然鯛 さごし焼霜 あしらい一式」
素晴らしい明石の天然鯛、身の弾力がいいです。さごしはぽん酢ジュレでいただきます。脂がのっています。
◇蓋物「鱧豊年椀 松茸三日月豆腐 小蕪 柚子」
鰹の一番出汁を使用。何ともいいお出汁です。松茸が香ります。三日月豆腐は卵と豆乳で作られた、滑らかな仕上げ。新米を纏わせ揚げた鱧が香ばしく。
◇焼物「からす鰈唐墨粉焼き」
身厚のからす鰈の味噌漬けに、唐墨パウダーを付けて焼き上げてあります。唐墨が香ばしく、からす鰈の甘みを引き立てます。
◇強肴「穴子豆腐 菊菜餡 菊花 山葵」
濃い春菊の緑の餡に菊花を散らして!穴子豆腐は穴子の白焼きを豆乳から混ぜ込んで、おかきを衣ににて揚げたもの。
◇御飯「鯛萩御飯 小豆 枝豆 栗 三つ葉」「香の物」
昨年もいただいた萩御飯、ですが内容がだいぶ異なります。鯛から素晴らしいお味が出ています。相変わらず風雅です。
◇留椀「枝豆すり流し 枝豆真丈 柚子」
今回は枝豆のすり流し。甘めのお出汁に美味しい枝豆真丈。柚子が効いています。
◇水物 菊菊パフェ(マスカットソルベ ワインゼリー マスカットゼリー)
大好きな葡萄尽くし。言うことありません。瑞々しく豊かな風味。
今回はカウンターではなく掘りごたつ式のテーブルでしたが、顔を見合わせてお話が出来て良かったです。接客も大変丁寧で、お料理ひとつひとつをきちんと説明してくださいます。
お店全体に静かな活気がみなぎり、お料理もパワーアップされているよう。
日本料理の自分の好きな方向性がはっきりしてきたためもあるのか、とても良かったです。
早速次回の予約もしました。素晴らしいランチでした。
菊の季節に菊乃井さんへ
かねてより伺ってみたかったこちらに平日訪問しました。
赤坂の街に突如現れる和空間。玄関で女性が迎えてくださいます。
12時に到着すると満席です。
まずは食前酒をいただきます。菊の花を漬けた菊花酒です。菊がふんわり香ります。
お酒は広島の大吟醸沙羅双樹を1合、二人で。
◆八寸
鯛鮨 海老香酒漬け 鱧八幡巻き 茶巾芋 翡翠銀杏 銀杏芋 松葉素麺
以上のお料理が、満月の水面に浮かんだ舟に見立てて並んでいます。
すすきが立てて添えられていました。
松葉素麺がリアルに松葉のようだったのには驚きました。
新銀杏はほくほく。好物で嬉しい限り。
◆向付
明石天然鯛 うおせ あしらい一式
鮪 黄身醤油 辛子
明石の真鯛は実がぷりぷり。厚くて食べ応えあり。うおせってえぼ鯛のことなんですね。知りませんでした。ほんのり香ります。
黄身醤油と辛子でいただく鮪もよいですね。脂が乗っています。
◆蓋物
土瓶蒸し 鱧 松茸 三つ葉
柚子をお猪口に絞っていただきます。ほくほくの鱧と松茸、黄金の組み合わせ。
◆焼き物
子持ち鮎杉板焼き
杉板の香ばしい香りが鮎に移っています。幽庵焼きでしょうか。鮎自体にも味がついています。
◆強肴
小蕪風呂炊き 胡麻味噌 柚子
こう来たか!聞かないと正体はわかりませんね。小蕪にはたっぷりの胡麻味噌がかかっています。予想よりもずっと柔らか。
◆ご飯
木ノ子と鶏のご飯
きのこは舞茸・エリンギ・しめじと大山鶏の炊き込みご飯です。たっぷりとの小豆と大豆で萩に見立てて。残ったご飯は折に入れてお土産にしてくださいました。
◆留椀
蕪すり流し 揚げ蓮根 溶き山葵
蕪の実が優しいすり流しです。葉も刻んで入っています。揚げた蓮根がアクセント。
◆香の物
蕪の葉・鯛味噌・大根・塩昆布
◆水物
ほうじ茶アイスクリーム 黒胡麻豆腐
濃厚なほうじ茶のアイスに、黒胡麻豆腐はこれでもかというほど胡麻が使用されています。
ほうじ茶をいただきながら、和むひととき。
お料理もさることながら、使われている食器もお見事。季節の器をこれだけ揃えられるのもこちらならではですね。
お庭は土から草から京都より運んだという拘りよう。
ひざ掛けの手ぬぐいはお土産にいただけました。
背筋がぴんと伸びる、そんなひとときでした。
店名 |
Akasaka Kikunoi
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類型 | 日本料理 |
預約・查詢 |
03-3568-6055 |
可供預訂 |
可以預訂 |
地址 |
東京都港区赤坂6-13-8 |
交通方式 |
從千代田線赤坂站徒步10分鐘從銀座線・丸之內線赤坂見附站徒步20分鐘從日比穀線・大江戶線六本木站徒步20分鐘 距离赤坂 326 米 |
營業時間 |
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預算 |
¥20,000~¥29,999 ¥15,000~¥19,999 |
預算(評價匯總) |
¥20,000~¥29,999¥15,000~¥19,999
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付款方式 |
可使用卡 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 无使用電子錢 |
服務費收費 |
10%~20% |
座位數 |
50 Seats ( 吧臺 (椅子席) 13席,吧臺 (地爐) 6席,小坐席2席,桌子3席,單間4間 (2~25人)) |
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個人包廂 |
可能的 可容納2人、可容納4人、可容納6人、可容納8人、可容納10~20人 |
包場 |
不可能 |
禁煙・吸煙 |
嚴禁吸煙 包括電子煙在內,一概禁止。請您理解。 |
停車場 |
不可能 附近有投幣式停車場 |
空間、設備 |
平靜的空間,有吧檯座位,有日式包廂,有日式圍爐座位,提供免費無線網路連接 |
酒水 |
有日本清酒,有燒酒,有葡萄酒,對日本酒講究,對燒酒講究 |
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料理 |
對蔬菜菜式講究,對魚類料理講究,提供英文菜單 |
此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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位置 |
神秘不為人知的餐廳,家庭式餐廳 |
服務 |
可提供慶祝・驚喜的服務,有品酒師 |
關於兒童 |
接待兒童(接待嬰兒,接待學齡前兒童,接待小學生)
帶12歲以下孩子的客人只能住單間。(包間僅限夜間營業) |
服裝規定 |
請不要穿男士短褲和涼鞋。另外,因為想讓客人最大限度地享受料理的香味,所以請不要噴香水和花露水等來店。 |
網站 | |
備註 |
【午餐】 14,300日元 (含稅・服務費另計) 【晚餐】 22,000日元、33,000日元、44,000日元 (含稅・服務費另計) ≪米其林指南東京2023≫的2星評價。傳遞~精髓,東面的京都~在高樓林立的東京赤坂,被竹林包圍的石板小路。走進這不像是大都市的異度空間深處,映入眼簾的是環境清幽的京都茶室建築。在吧臺,一邊看著廚師的工作狀態。在餐桌或小桌上,悠閒地放松休息。日式房間裡,日式飯館風格的佈置,空間。料理、擺設、空間。我想讓您通過感官感受烹飪的體驗。希望您能忘卻都市的喧囂,盡情享受。 |
ランチでこちらに通ってはや1年。初めての訪問は2年前の10月になります。同じく菊の季節でした。
表の看板の近くの南天がほんの僅か色づいていました。
まずは一献、菊に因んで菊花酒です。
いただいたお料理は次の通り。
◇八寸
・鯖棒寿司
・海老香酒漬け
・鱧の子落雁
・茶巾芋
・翡翠銀杏
・銀杏芋
・松葉素麺
水面に映った満月を表現、舟を中央から少しずらすことで躍動感を。すすきが添えられ。
海老の紹興酒漬け。鱧の子には刻んだ人参や百合根が。
鯖の棒寿司のご飯はサフランで炊いて鮮やかな黄色。
◇向付
一、明石天然鯛 うおぜ あしらい一式
二、鮪 黄身醤油 辛子
うおぜ(えぼ鯛)は昆布締めにしてポン酢ジュレを挟んで。鯛は脂が乗ってきました。黄色い器はこの時期の割れ山椒を模したもの。
壱岐の本鮪はきめ細かくシルキーです。たっぷりと黄身醤油をつけて。
◇蓋物「土瓶蒸し 鱧・松茸・三つ葉」
淡路の鱧に松茸の土瓶蒸し。他店では酢橘を用いるところ、こちらでは色づいた柚子。まろやかな酸味を加えます。鱧がふわふわ。
◇焼物「子持ち鮎杉板焼き 椎茸 蓮根梅酢漬け」
静岡の大ぶりな鮎は頭と尾を落として。細かな子と身を一緒にいただきます。西京味噌と幽庵地に80時間漬けこみ、杉の香りを移して焼いたもの。
◇強肴「小蕪風呂炊き 胡桃味噌」
お出汁で炊いた小蕪にたっぷりの胡桃味噌、振り柚子。
この胡桃味噌は菊乃井ならでは。美味です。
◇御飯「鶏と木の子の御飯 枝豆 小豆 柚子」
今年も出会えた「萩ごはん」、小豆と枝豆で萩の花びらと葉を表現。鶏のお出汁が効いています。
◇留椀「蕪のすり流し 揚げ蓮根 蕪菜 溶き山葵」
今月は蕪。刻んだ葉も余すことなく。身体が温まります。
◇水物「ほうじ茶アイスクリーム シャインマスカットゼリー」
またはモンブランパフェ。毎月悩ましい選択。前者を。
ゼリーの、寒天とゼラチンの間のような弾力はアガーという海藻によるもの。
今月も季節感満載の素敵なお料理をいただきました。
スタッフ皆さんの心配りも素晴らしい。
また伺います。