広東から発達した日式を広州人が作るとこうなる、濃すぎない物足りなくない : Ajihana

2020.09 夜×3
2020.10 夜×2
2020.11 夜×1

全部で 1500円足らず
・叉焼炒飯 650円(税別)
・ハチノスの黒豆ソース炒め 350円(税別)
・ワンタンスープ 350円(税別)

全部で 1490円
・什錦炒麺 750円(税別)
・猪千炒野菜 610円(税別)

全部で 1700円くらい
・冬菇麺 750円(税別)
・XO醤鱿鱼茄子 880円(税別)

全部で 1550円
・八宝菜 710円(税別)
・茄子烩飯 700円(税別)

全部で 2070円
・肉絲湯麺 650円(税別)
・長葱生蠣 880円(税別)
・搾菜と肉の細切り炒め 350円(税別)

全部で 2150円
・川エビの唐揚げ 500円(税別)
・しいたけと青菜炒め 710円(税別)
・ｽﾍﾟｼｬﾙ炒飯ｶﾚｰ風味 750円(税別)


　木場の中国人町中華。昔の華僑系かな。
　日本人の町中華みたいな中国人のお店。
　ママさんは海南人、コックさんは広州人。
　人気店でお客さんの入りは良い。

　広東料理から発展した日式中華。
　広東人がやってる昔ながらの日式町中華が
　どこか無いかと探すような諦めのような。
　横浜の郊外ならあるかも、くらい。
　ここにあった。

　東京人町中華のようにしょっぱくない。
　中国の東北人日式のように濃過ぎない。
　あるのは安心感。
　広東的日式、日本の調味料だから、
　広東にはならないけど、もともとの
　エッセンスが合っていると言うかね。
　日本の素材に日本の調味料で庶民広東を
　作るとこうなります、っと言う味。
　日本人が広東をやると何か物足りない薄味、
　ここのは濃くは無いけど物足りなく無い。
　飛び抜けた味は無いけど、自然に足が向く。
　中国人町中華なら、こう言うのが好き。

　ただし、普通にお願いすると強味精。
　初回、そういう感想を伝えたら、２度目は
　味の素無しで、と言う前に、味の素無しの
　オーダーをコックさんに通していた。
　素晴らしい。初めてだ、拍手。

　味の素無しだと余分な旨味無く素材が立ち、
　後からの嫌な刺激も無い。
　すーって感じで素直に美味しくなる。
　どこか何かにキャリーオーバーかも、
　気にしてはいけない。


・叉焼炒飯 (3.5)
　フワパラシットリ。
　しょっぱ過ぎず、良い塩梅。
　どことなく咸魚(ﾊﾑﾕｲ)使いを感じさせる
　醗酵臭がちびっとある、気がした。
　味精まみれの舌で、空耳ならぬ空舌かも。
　けっこう良い感じなのは間違いない。

・ハチノスの黒豆ソース炒め (3.5)
　350円の小皿料理でも、きっちり炒めたて、
　黒豆ソースにも醤(ｼﾞｬﾝ)の風味を感じて、
　なかなかな味付けだ。
　ハチノスは臭みを感じない、
　旨味も薄いっちゃあ薄いけど350円、
　頑張っていると思う。

・ワンタンスープ (3.5)
　チャーハンとハチノスでおや？
　っと感じて、追加注文。
　ピロピローな皮、甘い香りがするような
　焼売を思わせる餡が多め。
　広東の人やろ、間違いないと確信。
　スープは日本の醤油ラーメン。
　うはは、面白い。

・什錦炒麺 (4.2)
　五目ヤキソバ。味の素無し。
　炒めて焦げがついた香ばしい麺。
　日田ヤキソバみたいに硬い部分は無い。
　香ばしい麺に大きな具の餡かけ。
　具が大きいから具ごとの味があって、
　塩梅も調度良くて、色々楽しめ飽きない。
　かなり美味しいヤキソバ。

・猪千炒野菜 (3.7)
　豚レバーと野菜炒め。味の素無し。
　こちらの塩梅もなかなか良い。
　炒め加減は中国庶民味らしく強め。
　レバーは少し臭うけど、
　気にしなければ気にならないレベル。

・冬菇麺 (3.7)
　シイタケソバ。味の素無し。
　椎茸と野菜の餡の東京のラーメン。
　余分な旨味足しは無いし塩気は控えめ、
　不要な甘味も無いし、素直に頂ける。
　椎茸の出汁がフンワリ出ていて、
　味の素があったら、消えちゃいそうだ、
　と思ったりして。
　これなら、汁まで飲める。満足。

・XO醤鱿鱼茄子 (3.8)
　イカとナスのXO醤炒め。味の素無し。
　ちゃんと鱿鱼。細いツツイカ。
　イカフネじゃなく、透明な葉みたいな、
　イカの中骨がある、ヤリとかスルメとか。
　身の柔らかさから、ヤリかケンサキかな。
　真面目な具って分かるポイント。
　柔らかめで身が薄く、甘味は少ない。
　ただし、少し古さは否めないけど、
　普通なら気にならないと思う。
　一般的なXO醤で普通の具と相まって
　庶民感ある美味しさがホッとする。

・八宝菜 (4.0)
　中華味噌の八宝菜。(塩もあり)
　一見なんて事は無いけど、美味しい。
　八ではなく、十種以上あったと思う。
　中でも茸、椎茸、エリンギ、フクロタケ、
　キクラゲ、マッシュルーム。
　エビ、イカ、豚肉、の動物系たんぱく質、
　キャベツ、ニンジン、チンゲンサイ、
　ヤングコーンの野菜。
　少しずつでバランスが良い分量で飽きない。
　弱い味の東京の食材の味を引き出しつつ、
　中華の庶民味を守りつつ。
　味付け薄めで、かと言って高級店や
　おすまし店の物足りなさは無く、
　中国らしさは保って。

・茄子烩飯 (3.8)
　ナス丼。ナスが主役の丼。
　ちょうど良い火加減で、シャクではなく、
　ベチョでもなく、ジュワーっと。
　濃いめの味付けをナスのジュワーが、
　緩和しつつ、ナスの汁気でご飯の硬さが、
　良い具合に転がる感じ。
　バクバク行ける。

・肉絲湯麺 (3.5)
　タンメン。
　初めてタンメンで美味しいと思った。
　もちろん味の素無しでお願い。
　塩気少な目で塩梅も良し。
　野菜を軽く炒めて入れているので、
　野菜の臭みも無いし。
　湯麺は中華スープの麺料理、
　タンメンでも美味しく出来るやん、
　と、トラウマが払拭された。

・長葱生蠣 (4.3)
　カキの生姜ネギ炒め。
　これは美味しいなぁ。
　カキをプリっとさせたまま、
　火はしっかり通っているのに、
　通し過ぎてはいなくて、
　カキの加熱された美味しさを、
　中華流のコーティングで封じ込め。
　長ネギと合う合う。

・搾菜と肉の細切り炒め (3.8)
　これとタンメンとカキをお願いしたら、
　注文が上手と褒められた。嬉しいな。
　スターターとして、中華好きの心を
　グっと掴むザーサイと肉絲炒め。
　かるーく油のジャブ打って、加油。

・川エビの唐揚げ (3.5)
　椒塩河蝦。
　川エビと言えば手長エビ。
　東京にだって普通にいるし釣ったし。
　これは芝海老だと思う。
　芝海老の方が好きなので、
　川エビじゃなくて良かった。

・しいたけと青菜炒め (3.7)
　冬菇青菜。
　大分県民的には椎茸の味が薄いけど、
　青菜のシャクっとした歯ごたえと、
　ニンニクがガツーンと効いて、
　薄めの味付けで、安心して食べられる。

・ｽﾍﾟｼｬﾙ炒飯ｶﾚｰ風味 (3.7)
　経験上、もっとも薄味のカレー炒飯。
　この薄味で物足りなさが無い。
　塩梅の加減が上手だなぁって思う。
　普通はカレー炒飯だと他のが負けて、
　何喰ってんだか分からねーってなる。
　でも、他のを邪魔しないんですよ。


　なんで早くここに気付かなかったんだろう。
　タンメンの味精にやられて、諦めていた。
　もっと探すべきだったと後悔した。
　町中華は食べログの評価と好みが
　最も乖離したジャンルの１つ。
　評価も写真もアテにならないので難しい。