強い個性は無いが、ほっこり寛げる美味い和菓子の数々。 : Koushuu ya

東中野で一仕事終えて、帰宅途中にこちら『甲州屋』さんへお邪魔した。クルマで行く場合は、付近のコインパーキングに停めて、数分歩く。早稲田通りは交通量が多いので、短時間であっても路上駐車は厳禁である。


訪れたのは平日の19:30過ぎ。閉店まで30分を切り、残っている商品はだいぶ限られていたが、その中から

① 桜もち 120円
② 草餅 120円
③ 小さな団子が三段になったもの 200円
④ 豆もち 90円

の４点を購入してみた。モノによって安いと感じる商品とそう思えない商品とに別れるが、今回の４点はまずまずのCPではないかと思う。


①の桜もちは、桜の葉を巻いたタイプである。一口食べれば桜の清らかな香りが鼻腔を駆け巡る。餅は小振りで大体3，4口で完食出来るサイズだ。生地の方は餅というよりむしろ団子に近いかも知れない。しかし、こし餡が生地と良く馴染み、なかなかの完成度に達している。
②の草餅も同様に、小振りだがしっかり手間を掛けた感のある餅だ。桜もちのこし餡に対し、こちらは小豆の食感が秀逸なつぶ餡を使用している。ヨモギが香る生地も勿論美味い。
③は花見団子とか月見団子といった系統の商品名なのだが、一口サイズのプリプリの餅が全部で10個、3段に積み上げられている。ちなみにこの団子は甘くも辛くも無いから、自分なりに味を色々変えて楽しむことも可能である。

最後に④の豆もちを頂いた。豆もちは餡も砂糖も使用していない。塩味で煮た黒豆をふんだんに練り込んだ、適度な塩気が特長である。餅も堅過ぎず柔らか過ぎず、コシのある食感が大変に良い。この豆もちは、なかなかの高水準に達している。


今回頂いたどの和菓子にも、決して強い個性がある訳ではない。どちらかと言えばオーソドックス過ぎるかも知れない。だが、しみじみ味わい深く、食べる者に大いなる寛ぎを与えてくれるかの様だ。次回は他のレビュアー諸氏も絶賛の大福を、是非頂いてみたい。