讃岐だけじゃない、四国のうどん
なんだか無性に四国のうどんを食べたくなって、地下鉄に乗る。
新宿三丁目から西に向かって5つ目、10分。中野富士見町の駅で下車。タナカくんが住んでた街です。
神田川を左手にみてしばらく歩き、そこから北に向かって坂道をテクリテクリと5分ほど。
「四国屋」といううどん屋がある。
ほどよくしおれた店の雰囲気。タナカくんとたまに来ていた20年近く前から、しおれ加減が変わらぬように見えるところがオモシロくってなつかしい。
讃岐うどんでなく「四国の」うどん。例えば松山のうどんはフカフカ。コシよりのどごしって感じの仕上がりだし、徳島のうどんはつるつるスベスベ。唇を撫でる感じがなめらか。ただどの地方にも共通しているのが出汁がしっかりきいていて醤油にたよらぬ塩の風味を味わう汁を使うとこ。
ボクは松山生まれ松山育ち。
タナカくんは生まれこそ長崎だけど高松の大学に入学し就職してから数年間をそこで過ごしたから「四国の汁」がなつかしく、それでたまにやってきていた。
四国のうどん屋にきたらまずばら寿司かいなり寿司。
ここのいなり寿司はしっとり炊いた大きなお上げで甘辛に煮たごぼう、ニンジン、椎茸を混ぜた酢飯を包んでる。
四国から東京に来てお稲荷さんをはじめて買って食べたとき、絶対具材を混ぜ忘れたのよ…、って母をはじめ家族みんながびっくりしたほど四国のいなり寿司は具だくさん。
じっくり時間をかけてうどんを作るから、お通し代わりにとやってくる漬物もお稲荷さんのシャリも酸っぱく食欲湧かす。
そしてやってくる今日のうどん。「牛肉きざみ」を選んでたのんだ。
出汁で筋がホロホロになるまで炊いた牛バラ肉に刻んだお揚げ、たっぷりのネギ。
出汁の香りが湯気と一緒に湧き上がり、あぁ、この匂いが好きなんだ…、ってニッコリとなる。うどんは若干細めで軽くよじれた感じでなめらか。スルンと口の中へとすべりこんできてざっくり歯切れる。コシはほどほど、歯ごたえがよい。
なにより汁がおいしい。関東の節の酸味とかえしの風味を味わう出汁とはまるで違う。昆布の甘みをたのしむ関西や九州の汁とも違ってイリコと昆布、そして塩。それそのものがおいしい上にネギや牛肉のうま味や風味をしっかりうけとめ食べすすめるに従って、どんどんおいしくなっていく。刻んだ油揚げが汁を吸い込み口の中を潤す感じもオゴチソウ。汁を飲み干しご満悦。
店名 |
Teuchi Udon Shikokuya
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類型 | 烏龍麵 |
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可供預訂 |
無法預約 |
地址 |
東京都中野区本町4-36-3 |
交通方式 |
距离新中野 381 米 |
營業時間 |
營業時間和假日可能會發生變化,因此請在用餐前諮詢餐廳。 |
預算(評價匯總) |
¥1,000~¥1,999~¥999
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付款方式 |
无使用卡 无使用電子錢 |
個人包廂 |
不可能 |
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包場 |
不可能 |
禁煙・吸煙 |
可全面吸煙 有關被動吸煙對策的法律(修訂健康促進法)自 2020 年 4 月 1 日起施行,可能與最新資訊有所不同,請在光臨餐廳前確認。 |
停車場 |
不可能 |
此時建議 |
許多人推薦的用途。 |
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今日はタナカくんの誕生日。
タナカくんの住んでた町を歩いてみようと四谷三丁目の駅で電車を待った。
やってきたのが中野富士見町行き、タナカくんの町停り。
待ってるんだなぁ…、って思って気持ちがザワっ。
終点でおりて住んでたマンションを見て、駅からマンションに向かって歩く。
そしたら不思議。手をつないで一緒に歩いているような気持ちがしてきて、心の芯がギューってなった。
生きていたら59歳。一緒に歳をとりたかったって思って泣いた。
好物だった「四国屋」のうどんを食べる。
大きなコの字のカウンターの中に大きなゆで麺機。今日はちょうどその前に座ったから湯気をかぶってメガネが曇る。体もポカポカあったまる。牛肉うどんを選んでたのむ。
四国で「肉うどん」といえば牛肉がのってくる。東京の肉はほぼ豚肉で、だからわざわざ「牛肉うどん」を名乗ってる。ところ変わればだネ…、ってふたりで笑ったものでした。
麺を茹であげるのに時間が少々かかります。
待ってる間にどうぞ…、と、白菜やきゅうり、大根の漬物が最初にサービスされるんだけど、お稲荷さんも追加する。
開店直後。お稲荷さんは出来たてで「まだ熱々でやわらかいです」って女将さんが一言添える。
たしかに見れば湯気が出ていて箸を当てると中の酢飯がハラリと散らかる。甘酸っぱくてしっとり濡れたご飯の中には、刻んだごぼう、ニンジン、しいたけが混ぜ込まれてる。
甘いお揚げもしっとりしていて口が潤う感じがステキ。
お稲荷さんを半分食べたところでうどんが到着。
牛肉たっぷりの牛肉うどん。
肉の繊維がホロホロになるまで炊いた牛肉にタケノコ、かまぼこ、青いネギ。
汁は色白。
透き通っていて出汁の香りが鼻をくすぐる。
あぁ、この匂いが好きだったんだって思わずニッコリ。
かけうどんに肉をのせているのじゃなくて、汁と一緒にいったん煮立ててうどんにかける。
だから牛肉のアクや脂が汁に浮かんで、コクや旨味を強くする。
うどんは角がたっていて、熱々の汁に気持ちよさげに浸かってる。ズズッとすするとツルンと唇をやさしくなでて口の中へとすべりむ。
麺はムチッと弾力がある。コシが強くてよき噛みごたえ。
熱い汁の中にあっても伸びず、へこたれず、歯ごたえしっかり。けれど決してゴリゴリ硬いわけじゃない。
あくまでむっちり。肉感的な食感、喉ごしに「これが四国のうどんだよなぁ」ってしみじみ思う。
牛肉を噛めば脂の甘味が口に広がり、ネギ、タケノコは歯ざわり鮮やか。むっちりとしてなめらかなうどんの食感引き立てる。
七味をパラリ、胡麻をガリッ。汁の風味が変わっていくのをたのしみながら、汁をまとったうどんが口を潤すシアワセにうっとりしながら全部飲み干す。
お稲荷さんまでつけて1000円ちょうどのゴチソウ。お腹も気持ちもあったまる。